第七十三話
右側で時雨が後ろにいる千明と共に最後の熊型の魂喰らいと戦闘をしている。
「ああ、槍なんて使ったことないのに!」
千明が槍を必死に左右に振っていく。
襲い掛かる熊型の魂喰らいの触手攻撃をなんとか槍で振り払う。
その隙に時雨が炎の剣で左側から走りかかる。
触手攻撃が時雨にも伸びていく。
「私のレガシーウエポンで念じて燃やして見せる!」
時雨が念じて炎の剣から大量の炎を巻き起こす。
炎が触手に飛び散り―――。
魂喰らいの体中に炎が降りかかる。
「ギリギリギリィ―――ギエエ! グエッ!」
魂喰らいが炎の熱さで全身を焦がしていく。
千明が尻もちをついて、触手攻撃から離れる。
千明を襲っていた触手が炎で燃やされていく。
「最後よ―――斬らなきゃ明日の朝は見られない―――」
時雨が静かにそう言って、火だるまになる魂喰らいを炎の剣で真横に斬る。
斬られた魂喰らいが燃えカスになり、消滅していった。
三匹の魂喰らいの全滅がここに完了する。
千明が槍を持って、起き上がる。
「あたたたッ……身体能力向上しても痛みは普段通りなのね。いやー、危なかったわ。時雨、ありがとう―――」
千明が感謝して起き上がった時―――。
千明の背後に赤い王冠の魔法陣が浮かび上がる。
ドレッドがそれに気づき―――。
「しまった! もう一匹いる。シグレ―――後方に魔法陣が展開されている。チアキが危ない!」
言い終えた後に魔法陣から一匹の犬の顔をした人型の腕が触手になっている魂喰らいが現れる。
不意を突かれた時雨が千明の方向を見て―――。
佳代子が念じて矢を出している時―――。
「―――きゃあッ!」
犬型の魂喰らいの触手が千明の左足に絡みつく。
不意打ちを喰らった千明がそのまま触手で宙に吊り上げられる。
犬の形をした目の無い犬歯の口と周りに触手がクラゲのように太さがバラバラの不気味な宙を浮く。
千明が空中で槍を振り回す。
魂喰らいが口の中で緑色の熱い粘膜を吐く。
千明の胸元に液体がかかる。
「あっつい! 溶ける! とけちゃう!」
千明が胸元にかかる液体で痛がる。
上着が液体で溶けて、下着があらわになる。
「いやぁ! やめてぇ!」
千明が無防備になり、胸のあたりに触手が円を描くように巻き付いて―――絡みつく。
そのまま胸を触手で弄ばれるも―――。
佳代子が矢をすぐに引く。
犬型の魂喰らいの口の中に矢が刺さる。
「ガギュアー!?」
魂喰らいが痛がり、触手が消えていく。
地面に落ちる千明をドレッドがキャッチする。
時雨が炎の剣で犬型の魂喰らいに接近して―――。
「―――とどめよ!」
犬の顔に炎の剣を刺しこむ。
「ギギギギギギッ! グギャギャ!」
犬型の魂喰らいが咆哮して、燃えながら消えていく。




