第七十一話
シャッターの外側の空間から赤い王冠の紋章の魔法陣が現れる。
その色は血のように禍々しく。
千明の出したレガシーウエポンと同じ王冠の魔法陣であった。
赤く光って魔方陣から何匹かの異形の獣が現れる。
熊の顔をした人型の両手が触手になっているタツノコのようなシュルエットの宙を浮く不気味な姿―――。
明らかにこの世のものではない魂喰らいと天文部が呼ぶ魔物が三体現れる。
「千明ちゃん。戦闘だよ―――気を引き締めて、私から離れずに戦って―――」
時雨がそう言って、メンバーが赤い眼で構える。
三人の頭上に王冠の紋章の魔法陣が浮かびあがる。
「レガシーウエポン! ―――シャイニングウインドザアロー!」
佳代子が言葉と共に念じる。
手元が光り始め―――光の粒が弓の形を空中で形成していく。
そのまま佳代子の両手に吸い付くように遠距離用の弓と―――いくつかの矢の入った筒が佳代子の背中と両手に武器として宿る。
(これが―――レガシーウエポンの出し方か―――佳代子は弓なのね)
千明が驚きつつ、魂喰らいから視線を外さないようにする。
「ギギギギギギッ!」
熊型の魂喰らいが千明達を感知する。
ドレッドが赤い眼で念じる。
「レガシーウエポン! ―――ブラックブリザードソード!」
ドレッドが佳代子と同じように念じると―――。
光の粒が形になって剣を作る。
そのまま氷の黒い剣がドレッドの右手に吸い付くように具現化して、武器となる。
時雨も続いて念じていく。
「レガシーウエポン! ―――ナイトメアレッドフレイムソード!」
時雨が念じると光の球体が現れていき―――。
二人と同じように炎の剣のレガシーウェポンが左手に宿る。
三人の頭上に現れた王冠の紋章の魔法陣が消えていく。
熊型の三匹の魂喰らいが千明達に空中で浮きながら寄ってくる。
「あたしだって! やってやるわ!」
千明が赤と黒のオッドアイの目になり、念じる。
頭上に王冠の紋章の魔法陣が浮ぶ。
千明が頭の中で儀式のときと同じように武器をイメージする。
「レガシーウエポン! ―――黄金郷の槍! エルドラドランス!」
千明の言葉と共に光の粒が次々と現れて―――集まっていく。
両手に光の集まった粒で出来た槍のシュルエットが具現化される。
光が消えると質量を持った槍が重量と共に千明の両手に武器として宿る。
「で、出来たわ―――けど、予想以上に精神使うわね!」
千明が息を切らしつつ、槍を構える。
「皆の者! ―――来るぞ!」
佳代子が言い終え―――。
三匹の熊型の魂喰らいが触手を伸ばして、襲い掛かる。




