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第六十七話

「わかったわよ。入部すると決めたし、レガシーウエポンでも赤い眼でも暗示でも事件解決なら覚えてやろうじゃない」


 千明がそう言って、目を瞑る。


「うむ、では呪文を唱えて儀式を始めよう。ドレッド、詠唱を頼む。


 佳代子がそう言って、ドア越しに千明の後ろ姿を見る。


「こっちは準備万全よ―――いつでもどうぞ」


 千明がそういうと―――。

 ドレッドが呪文を詠唱する。


「王冠の盟約にて、義を始める。冥界の王よ―――儀式のレガシーウエポンを持つ適性者に赤き目と暗示と武器を与えた前―――大いなる闇、冥界のクロキユメの力を分け与え、冥界の儀式の第一段階を山本千明に与えよ、与えよ―――第一の儀はここにて終わる。初代冥界王の赴くままに」


 ドレッドが呪文を詠唱していくと―――。

 チョークで書かれた王冠の紋章が赤く輝いていく―――。

 千明が目を瞑りながら、顔に汗を流す。

 千明の頭の映像でぼやけた槍が浮かんでいく。

 黄金の槍が千明の頭から浮かぶ。

 そして、黄金の槍を千明がつかみ取るイメージを持つ。


(これがあたしのレガシーウエポン? 手にしたい!)


 目を瞑っている千明が念じていく。

 千明の頭上に王冠の紋章が浮かび上がる。

 真下の魔方陣と同じ王冠の紋章そっくりであった。

 頭上の王冠を知らずに千明が目を瞑ったまま―――。


(この槍を使いたい! このレガシーウエポンの名前は―――)


 千明が金色の西洋の槍をしっかりと流れ込む脳内でイメージした。

 頭に浮かんだ槍の名称を千明が口にする。


「レガシーウエポン! ―――黄金郷の槍! エルドラドランス!」


 千明がカッと目を開く。

 右目だけ赤い瞳になり―――黒と赤のオッドアイになる。

 黄金の槍が右手に具現化されて形になっていた。

 千明の頭上の王冠の紋章が消え―――。

 突如巻き起こった風で―――チョークで書かれた地面の紋章が消えていく。

 千明が呆然とした表情で右手の具現化された黄金の槍を見る。


「―――これがあたしのレガシーウエポン―――エルドラドランス!?」


 千明が黄金の西洋の光り輝く槍を見る。


「冥界のクロキユメと冥界王の赴くままに―――儀式は終了する。山本千明よ―――レガシーウエポンの適正者となり、夜にのみ具現化せよ」


 ドレッドが儀式の締めの言葉を終える。

 言い終えた後に地面の紋章も巻き起こっていた風によって消され―――。

 赤と黒のオッドアイの千明と黄金の槍のみが存在感を屋上で象徴していた。

 瞬間―――。

 千明の脳内でレガシーウエポンの出し方と出現方法が脳内で流れ込む。


『レガシーウエポンは夜ではないと発動できない。一般人には見えない。赤い眼の時にレガシーウエポンの名前を言えば王冠の紋章と共に手元に現れる。その瞬間は目が赤くなる』


 脳内の謎の説明が次々と千明の脳内の記憶に刻むように記録されていく。


『解除方法はリボルトっと唱えればレガシーウエポンは無くなり、赤い眼の解除は同様に念じれば元にも戻るし、赤い眼にも戻れる。赤い眼の状態及びレガシーウエポン適正者は使用中は第三者の映像などがある程度ぼやけて、記録映像などにも第三者にはぼやけて見えない』


 それらの情報が千明の頭に流れ込んだ。


『赤い眼の時は身体能力も通常時より大幅に向上するが、怪我の場合は致命傷の場合などは赤い眼は使用不可能』


 千明がその情報を忘れることも出来ずに脳に刷り込まれる。


「―――リボルト!」


 千明がそう唱えると―――。

 右手の黄金の槍が光の粒に変わっていき。

 蛍の光のように粒になり、空に上がって消えていく。

 千明が念じて、目を閉じる。

 オッドアイの千明から赤い眼が黒色に戻っていく。


「なるほどね。こういう風にするわけか―――」


 千明がそういって、軽く息を吐く。





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