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第五十五話

 吉澤がドレッシング入りサラダを食べて、千明に話す。


「山本先輩はどこのサークルに入るんですか?」


「そうねぇ、天文部かな。どんなサークルか分からないけど」


 千明のあいまいな返事に彰美がスパゲッティを食べ終えて、話に混ざる。


「あたしらラクロス部の部室の隣にあったわね。ラクロス部の部室は大会の録画機材とか古くなった先輩たちのアルバムとか写真しか置いてないほぼ駄弁るための物置だけどね」


「じゃあ彰美は直接は天文部の部室にいったことも無いんだ?」


「そうねー、人数とかまでは解らないわね。サークル自治委員会に聞いてみれば?」


 彰美がそう言って、バイキングの皿に盛られた残りのメニューを食べ始める。


「サークル自治委員会? なにそれ?」


 千明の疑問に吉澤がオレンジジュースを飲んで代わりに答える。


「管理棟にあるサークルの問題や存続に部費などを割り当てる学生が行う委員会ですよ。文化祭の出し物とかも承認するかどうかも決めてくれます」


「へー、風紀委員に文化祭実行委員みたいなことするところか。しかも生徒会っぽい活動もすると」


「ええ、だいたいあってますよ。新規サークル作る際も書類と人数と活動内容や実績に何をしたかについても書類で確認でするんで言って見たらどうですか?」


 吉澤が言い終えて、バイキングメニューを食べるのを再開する。

 千明がメニューを食べ終えて考える。


(天文部のことを二人に聞いたけど、赤い雨の話は一切出ないわね。関連性があるなら真っ先に話題にもなるはずだけど―――)


「千明。何考えてるのよ? 管理棟に行けば解ることでしょ? あたしらの情報じゃ天文部なんてそんくらいしかわかんないわよ」


 彰美の言葉に千明が頷く。


「わかったわ。ありがとう。さっそく管理棟に言って見るわね。ここからだと階段降りて図書館のやや手前に建てられた三階建ての建物だしね」


 千明がそう言って、空になった皿を皿置き場に持っていく。

 そのまま二人の元に戻る。


「何よ、千明。管理棟の三階にサークル自治委員会の部屋あるわよ。委員長は北沢さんっていう女の子よ。あたしらと同じ二年生で法学部って、自由科目の時に仲良くなった子に聞いたわ」


「ふぅん。ありがとう。ってか、あんたら食べる量多いわね。太らない?」


 千明がそう言って、立ったまま吉澤達に話す。


「山本先輩、ラクロス部のしごきでカロリーが全部消化されるから丁度良いくらいです!」


 吉澤がそう言って、控えめのガッツポーズを座ったまま取る。


「……」


「千明なんであんたが頭抱えるわけ?」


 彰美が半分ほどになったバイキングに持った大皿をよそに話す。


「いや、あたしも別の意味で激しい運動するのかなって……」


 千明が頭を抱え込んだ手を腰の位置に戻す。

 千明が武器を持っている赤い雨の学生たちを思い浮かべる。

 彰美はそんな事情も知らずに別の小皿のプリンを食べる。


「天文部入るのに? 文科系だとアタシらの量だと逆に太るわよ?」


「いやまぁ、命がけの意味でね。さーてと 管理棟行くか―――二人ともじゃあね」


 千明が二人に手を振って、バイキング食堂を出ていく。


「あいよー」


 彰美が軽く返事をして、吉澤とラクロス部の話になる。





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