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第五十三話

「赤い雨はそれよりも前に降っていたってことでしょ? その間にそいつらと狙われた無気力病の人たちはいたの? 何が原因なの?」


 千明が不安の種を話すように二人に質問する。


「それは私達にもわからない。最初は私とここにはいないもう一人のおかげで二年前から天文部はまだ正式採用されてないけど、魂喰らいの退治をしていたの」


 時雨がおどおどしながら答える。


「うん、だから我らも事件解決の為に赤い雨の夜の時に戦っているのだ」


 佳代子は比例するように頼もしそうに嬉々として答えた。

 千明が呆れて、肘を机から離す。


「私入れても7人か、よく今まで無事に無気力病にならずにそいつらと戦って来たわね」


「私達天文部は魂喰らいに対抗できる強力な武器を持って日々訓練してるからかな」


 時雨が話すと千明が時雨を真っ直ぐ見る。


「私にもその武器とやらは使えるわけ?」


 千明の質問に質問嬉しそうに頷く。


「うん! 千明ちゃんは適性があるって言ってたわ」


「適正? 武器屋か鈍器屋で買って銃刀法違反でぶん殴るわけ?」


 千明が小馬鹿にしたように鼻で笑う。

 時雨があたふたと目線を外す。

 佳代子が代わりに話す。


「正確には能力で出せる武器の形をしたエネルギー体の具現化した兵器だ」


「ほー、兵器ねぇ。そういうと強そうだわな。私もとんでもないことに巻き込まれたわね」


 千明が非現実的な言葉の数々とここ数日の体験を振り返って―――脱力する

 時雨が目線を合わせて笑顔になる。


「千明ちゃん。天文部に入るかどうかは自分で決めてほしいの。無気力病事件を私たちと一緒に解決したいのならサークル棟に来てほしいわ」


 時雨の眩しい笑顔に千明が頬杖をついて半目で返答する。


「このこと私が警察や他の学生にバラしたら? まぁ、非現実すぎて信じてもらえないけどさ」


「話したり断れば記憶が無くなるように暗示をかけている」


 佳代子がそう言って、目が赤く光る。

 佳代子の赤くなった目で千明が両手で胸を抑える。


「うっ! くっ!」


 古傷だった場所の部分がその時に痛む。

 時雨が慌てて立ち上がる。


「ち、千明ちゃん? ど、どうしたの? 暗示は体には害を与えない能力なんだけど―――」


「あ、いや、平気よ。二人の殺人鬼の刺された記憶の傷が痛んだだけ―――」


 千明がそう言って、胸を抑える手を離す。


「殺人鬼の記憶と言ったな? 其方の過去の事件に、この赤い雨の夜に関してそやつらが関わっている可能性はありそうかもしれぬ。傷口は残っているのか?」


 佳代子が冷静さを戻して、話す。


「いや、傷どころか怪我の外傷すらも無いわよ。ここ最近になって、頭の中に変な男の声が聞こえるだけ」


「うむ、それは何か絶対にあるな。控えめに言って色々危ない」


 佳代子が真顔でそう答える。


「その謎も解きたいしね。……はぁ、天文部だっけ? 仮入部でいい?」


 千明が観念したのか二人にそう告げる。

 時雨が嬉しそうに目をキラキラさせる。


「えっ! 入ってくれるの! やったー! 戦力が増えるし、天文部の活動が楽しくなりそう!」


 時雨のワイワイとはしゃぐ姿に千明が渋く険しい表情になる。




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