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第五十一話

「其方。そこまで警戒することはない。我らは其方と同じ人で恋や青春に悩めるキャンパスライフ満喫中の女子大生だ」


 そう言った佳代子が胸を張って、机に左肘を置く。


「恋に青春のキャンパスライフって―――親近感あるけど、あんたらの謎の行動に比べると胡散臭いわね。雑誌のムーでやってた幽霊や宇宙人信じてる教授の書く記事がまだマシなレベルで信憑性があるわよ」


 千明が呆気に取られて、椅子に体重を乗せる。

 少し間をおいて―――。

 外で学生がワイワイッと活気づく窓越しの昼の景色の中で質問する。


「ま、いいわ。あの13の王冠とタレ目の若き人妻って感じの巫女さんはなんなの?」


 千明の質問に二人は顔を合わせる。


「「……」」


「ちょっと! 二人してなんなのよ!? 記憶戻したのにとぼける気? 答えなさいよ」


「えっと、その、ええっと―――」


 時雨が慌ててどもる。

 佳代子が代わりに答える。


「我らの中にはそんな人物はいないぞ。13の王冠とはなんなのだ? 王冠の紋章なら我らは持っているが?」


 佳代子の答えに千明がここぞとばかりに押しで質問する。


「何言ってんのよ! あんたら全部の秘密知ってるんでしょ? ストッパーとかあの灰色の世界の女の子や―――」


 千明が興奮気味に声を荒げる。


「おい、うるせぇぞ」


 近くにいた学術書を借りている年上の大学生に震え声で注意される。


「……! ~~~!」


 千明が不服そうに黙り込んで二人を見る。

 時雨がその千明の言葉に興味深そうに質問する。


「千明ちゃん。魂喰らいに襲われたことと私たちの顔を見た記憶だけをあの時の暗示で消したんだけど―――」


 時雨が少し考え込んで―――。


「何か他にも私たちの知らない謎を追う手がかりの記憶があるの?」


 時雨が純真な丸っぽい瞳を潤ませて、千明に話す。


「時雨、やはり彼女には我らの知らぬことがあるのだろう。ぜひ天文部に入部させるべきだ」


 佳代子が腕を組んで椅子にもたれかかる。


「でも、千明ちゃんの意思もあるんだから―――安易に誘えないよ。命がけでもあるし―――」


 時雨が慌てて答える。

 両者ともに謎に置いてけぼりのまま千明がいら正し気に二人に話す。


「13の王冠の紋章とストッパーとあのタレ目の謎巫女のことや灰色の世界の幼女と過去の二人の殺人鬼の記憶は―――」


「まとめて言われても、私たちが知ってるのはそれらには該当しないよ。逆に聞きたいくらいだよ?」


 時雨が興奮気味の千明を抑え込むように告げる。


「あんたらでも知らない私の消された記憶?」


 千明が不気味にそのことを考え込み。

 考え込むように黙りこくる。

 佳代子がそんな千明に話す。


「我らは魂喰らいとある武器であるレガシーウエポンを持っていることしか秘密がない」


 佳代子の答えに千明が目を合わせる。


「レガシーウエポンは知っているのね。ってことは私があんたらも知らない謎の記憶がこの事件に関係している可能性は?」


 千明の質問に時雨が代わりに答える。


「13の王冠のことは私たちは全く知らないけど、王冠の紋章なら私たち知っているわ」





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