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第四十五話

 赤い雨が止み始め―――。


「佳代子たちの集合場所に行かなければ―――」


 少女がそう言って、宙に浮く炎の剣を掴む。

 そのまま小走りで千明のアパート前を去っていく。

 千明は二階に上がり、家の鍵を開けて―――。

 人形のようにドアを閉めて、鍵をかけると―――。


「あれ? あたし、家に帰ってる? ああそうか、赤い雨が降ったけど―――」


 千明が自我を取り戻し、家の玄関で靴を脱ぐ。


「アルバイトの帰りで何もなかったんだ」


 そう言って、記憶が抜かれたように風呂に入る準備をする。

 こうして今夜の赤い雨の降る夜は終わる。


「でもなんなの? さっきまで一体何が? 夢なのか現実なのか分からないけど、シャワー浴びたら寝よう」


 千明が裸になって、浴室でシャワーを浴びる。


「なんか怖いな。ここの所なんか大事なことを忘れているような?」


 そう思い―――育ち盛りの胸に手を当てる。

 シャワーの水が千明のスタイルの良い体から流れ落ちていく。


(なんか、記憶が抜けていることが多い。思い出せないことも多々あるわ。大学の講義の後で考えてみるか―――)


 千明が考えるのを止めて、セミロングヘアーの髪にシャンプーをかける。

 シャワーを浴びて、千明は寝巻に着替えて―――その夜は寝た。



 千明が寝る頃の時間―――。

 素子や佳代子―――他の何人かのメンバーが公園に集まっていた。


「時雨。それは確かなのか?」


 金髪マッシュの髪型の外国人の美少年が千明を助けた女子大生に話す。


「ええ、彼女は今あの力を自分から出していた―――二度も続けて襲われるのは適正者だからだと思う」


 時雨と呼ばれた炎の剣を持っていたラフな外ハネのショートヘアーの少女が返答する。

 金髪ツインテールのジト目の女子大生が腕を組んで話す。


「こんなケースはあまりない」


 ぶっきらぼうにそう話し、他のメンバーが考え込む。


「適正者なら協力してくれた方が無気力病が減るじぇ。ここ最近は数が多くて個別行動が多かったけど、増えるなら警護範囲が増えるじぇ!」


 素子がそうメンバーに話す。


「だけど勝手に巻き込むわけにはいかないわ。彼女の記憶を消したから、明日のために帰らせたし―――」


 時雨と呼ばれた亜麻色の髪の女子大生がメンバーにそう告げる。


「時雨先輩。俺は最近巻き込まれてこうなったんっすけど―――」


 茶髪ショートの後輩らしき男子大学生が時雨にフランクに話す。


「どのみち、この一件は佳代子と私で決めるからみんなは今日はもう帰った方が良いわ」


 時雨の言葉にメンバーが頷いて、公園から去っていく。


「接触するのか?」


 金髪の美少年が時雨にそう告げる。


「うん、記憶を消す暗示が完璧じゃなかった。協力するかどうか聞いてみて、ダメならドレッドも暗示を手伝って―――」


 時雨の言葉にドレッドと呼ばれた金髪の外国人が頷く。

 そうして夜を守る謎のメンバーの6人が公園から離れていく。

 パトカーが謎の集団を探し始めたのはその後の夜明けの時間だった。





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