第三十七話
宙に浮いたまま二人の距離に二匹が近づく。
素子と呼ばれたもう一人の女性が輝くライフルを構える。
「左は任せるじぇ!」
素子がそう言って、右側の黒い獣にライフルを向ける。
黒い獣は揺れながら近づいていく。
「当てて見せるじぇ!」
素子がライフルの引き金を引く。
ライフルの銃口から熱と共に赤い弾が飛んでいく。
黒い獣の触手に赤い弾がぶつかり―――。
「グガァ! グガガ、セガガガッ!」
黒い獣が痛がる咆哮を上げる。
銃音と共に触手の一部がちぎれる。
赤い弾はそのまま電柱に当たり―――。
電柱にひびが入ることもなく弾が消える。
「外したじぇ!? 相変わらずこのタイプの魂喰らいは―――」
素子が声と共にバックステップする。
黒い獣が触手を伸ばして、素子に当てようとするも―――。
後退した素子に触れることなく躱される。
「当てにくいじぇ!」
素子が着地して、ライフルを構える。
左側にいる佳代子は弓を構えて、光る矢を作り出す。
もう一匹の黒い獣が直進して、佳代子に向かっていく。
「こちらは同じ遠距離だが―――当てて見せる」
佳代子が弓から光る矢を弓道のように光る弦を引く。
弓が飛んで黒い獣に向かっていく。
黒い獣が避けるも―――。
「その矢から逃れることは出来ない」
佳代子がそう言って―――。
光る矢が起動を変えて黒い獣の頭上に当たる。
黒い獣が光る矢によって、体がバラバラに消し飛ぶ。
もう一方の黒い獣が佳代子に近づいて―――。
触手で刃物を作り出し、振り下ろすように攻撃する。
「むっ! そうはいかぬ!」
佳代子が矢の無い弓を防御代わりに盾のように構える。
触手が弓を叩きつけるも、佳代子が体に触手がぶつからないように弓で防ぐ。
佳代子が振動とともに後退し―――。
「―――今だじぇ!」
奥にいる素子がライフルを撃つ。
跳んでいく赤い弾が触手の黒い獣の頭に当たり―――。
「ゴバァ! モ、モガガルッ!」
絶命の声を上げ―――。
そのまま黒い獣が消し飛ぶように破裂する。
二匹の黒い獣が消失し―――。
「素子。よくやった。威力と距離は私と同じくらいだが大したものだ」
佳代子がそう言って、弓を下に下ろす。
「銃は訓練しないと当てられないのが、たまに傷だじぇ。というか、あの魂喰らい達はカタコトとは言え―――辛うじて喋ってたじぇ」
素子がライフルを下ろす。
「そうなると過去に襲っているということか―――反対側にいる時雨にそのことも報告しておこう」
佳代子が水をはじいているスマホに連絡を入れる。




