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第三十話

 金辺がレジを他のスタッフに頼んでテーブルを片付けに行く。


「さてと伝言は言ったし、外にいる堂本を帰すか―――」


 真城が野球帽を取り出して、かぶった連れの男子大学生と肩を並べる。


「堂本、帰ろうぜ」


 真城が野球帽を被った連れに話す。


「えっ? 赤い雨止んだんだぜ? 今夜は大丈夫でしょ?」


 そう答え―――。

 堂本が缶ジュースを自販機横のゴミ箱に入れる。


「止んでしばらくして降り始めたこともあったろ?」


「お、そっか―――んじゃあゲーセン行かずに帰んべ」


 堂本が野球帽を被り直して、真城と一緒にファミレスを離れる。


「俺んちで一杯やるか? この店の肉キャンペーンの礼も兼ねてさ」


 堂本が誘いの言葉をかけるも―――。


「わりぃ、この後一人で用事あんだわ。駅まで一緒に歩いてやるから電車乗ったら寄り道せずに真っ直ぐ帰れよ」


 真城がキッパリと答えて、警告のように告げる。


「なんだよ? 今日は用事もないんだろ? なんで俺だけ帰すわけ? 真城も俺も同じ大学前の駅にアパート暮らしじゃん?」


 堂本が疑問気味に問う。


「ジャーナリズムと哲学的な問いを混ぜてガジガジ質問すんなよ。ダメな時もあるの」


 真城が真剣な表情で歩きながら話す。


「それにな―――赤い雨がもう一度降るって予感がするんだわ。俺はこの後待ち合わせの人がいるから、その後に一緒に帰るから心配すんな」


「えっ? そなの? 気象庁は税金でも仕事しねーなぁ。まぁ、赤い雨って、いつ降るかわからんらしいしな」


 横断歩道前で堂本が空を見上げて、話す。

 曇り空が空を覆って、月が雲で隠れていく。


「でもなんで真城には解るわけ?」


 横断歩道の信号が青になり、堂本と真城が他の少なめな人混みと歩いていく。


「勘の良い怖い夜を守る人たちが人知れず教えてくれるのさ―――」


「なんだそりゃ? 警察とか?」


 真城の意味深な言葉に堂本が深く考えずに言葉を返す。

 そのまま駅前の建物に着き―――。


「寄り道だけはすんなよ。赤い雨が降ったら人のいるところに止むまで留まってろよ」


 真城がそう言って、堂本を改札まで見送る。


「お前も無気力病とかにはなるなよ。俺の他の学科の話し相手も被害にあってるみたいだしさ」


「解ってるって、ネカフェの会員証があるから赤い雨降ったら、止む朝まで粘るぜ」


「明日も講義あるのにここのネカフェとか駅から移動するのにどんだけ慎重なんだよ。行動的でもありアグレッシブな受け身って新ジャンル過ぎんだろ」


 堂本のツッコミを気にせずに真城が手を振る。

 堂本がそのまま改札を定期カードで入っていく。

 真城が駅から出ていき―――。


(さてと―――金辺先輩のファミレスに戻るのは流石にバレるから、コンビニでバイク雑誌でも読んでおくか―――)


 真城がそのまま人の少なくなった町の駅前で―――。

 スマホのコミュニティにメッセージを送り、駅から離れたコンビニに向かう。

 途中の建設中のビルを見て、視線を外す。





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