第二十五話
千明もカードリーダーにカードを通して、ファミレスの裏口から店内に入る。
「昨日に続いて二度も振り続けてるもんね。それでも来るお客さんに感謝していいのか―――警告すべきか―――判断に困るわよね?」
千明が困り顔で金辺にそう話す。
「危機管理の問題だ。仕事に入るぞ」
金辺がそう答え―――。
ドアが自動で締まり、二人はスタッフルームの更衣室に入っていく。
二人が更衣室にあるカードリーダーにアルバイト先の登録したカードを通す。
「さーて、今日もアルバイト始めますか。金辺もあたしもオーダー聞いて、皿を厨房や指定されたテーブルに送る作業が始まるわね」
千明がドアを閉めた女子更衣室でアンミラのウェイトレスの服に着替える。
「もう慣れた」
金辺がそう言って、上着を脱ぐ。
豊満なバストと白の薔薇の刺繍の入ったブラの上からウェイトレス用の上着に着替える。
「あっ、そういえば―――」
千明が思い出したかのように人差し指を立てる。
「なんだ?」
「いや、なんか今日の夜に大学のある駅前で謎の大男に常連客宛に伝言を頼まれたのよね。しかも紙媒体で渡せとかで―――」
「伝言……どの客だ?」
二人がウエイトレスの服装に着替えながら話す。
「会計でいつも一万円渡すセレブそうな謎の女常連よ。釣りはいらないとかで決めセリフのように話す。バブリーな金髪の内巻きのワンカールの髪型の―――」
「ああ、今日もいるはず」
二人がウエイトレス服に着替え終わり、貴重品と私服を入れたロッカーのカギを閉める。
「来たら教えてくれない? 紙渡すだけだからさ」
「わかった」
二人がやり取りを終えて、ロッカーの鍵をウエイトレス用のスカートのポケットに入れる。
「んじゃあ、時給900円のバイトを今日もやりますかね!」
千明が元気よく気持ちを切り替えて、更衣室から出ていく。
「そうだな」
金辺もぶっきらぼうにそう言って、仕事用のスイッチに頭を切り替える。
ファミレスの制服姿の女子が次々と皿を客席と―――。
厨房からそれぞれのテーブルに往復しながら仕事をする時間が始まる。
二人が店長に挨拶して、さっそく注文の品を指定テーブルに運ぶ千明と―――。
食べ終えた皿を厨房に送る金辺とで指示が出る。
二人のいつものファミレスでのアルバイトが始まった。
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