第百十五話
「ううっ……ここは……どこっすか?」
真城が意識を取り戻し―――。
ぼやけた視界から目を開く。
「もう目が覚めたのか?」
ぶっきらぼうな女性の声が手前から聞こえる。
「ごめーん、遅くなりました。ああ、この人が連絡にあった適性のある襲われた人なんだね。無事でよかったよ」
大人しそうな女子大生がやってくる。
周りに五人の学生が囲んで真城を見る。
真城が意識を取り戻し―――。
「うわっ! 何だよあんたら! って、痛たたっ……首の後方がジンジンする」
真城が驚きつつも公園のベンチから立ち上がる。
「当て身が入ったばかりだ。あまり動くな」
ぶっきらぼうな声の主の金辺が手前でそう話す。
「やはり彼には適性があるようだ。だが、協力してくれるとは思えない。判断をオレが誤るとはな―――今すぐにでも暗示をかけるべきか?」
ドレッドが青い目で四人にそう話す。
「うむ。大学内では実質的な戦力は少数だしな。私の意見だが、彼がレガシーウエポンが使えるなら強引にでも戦力にすべきであろう」
端にいる佳代子が腕を組んで賛成する。
「ダメだ。強要は良くない」
金辺が置いてけぼりな真城を他所に話す。
「探知で一匹だけとは言え、大学駅前でシグレに単独行動させただけでもデメリットがあった。今回は結果として他の地区の一匹魂喰らいを逃した。このメンバーではやはり数が足りない」
ドレッドが三人の女子大生に議論する。
「私は大丈夫だったよ。それに適性があるって言っても彼を巻き込むわけには―――」
時雨がドレッドに押され気味だが、そう答える。
真城がバツが悪そうに立ち上がり、四人を見る。
「あのー……改めて―――はじめまして、これってどういうことっすか?」
真城の言葉にメンバーが口論を止めて、真城を黒い眼と青い目で見る。
「つーか、なんなんっすか? あのヤベー生物と武器を持ったコスプレみたいなアンタらは―――まるでアニメかゲームみたいじゃねぇっすか!」
真城が四人を見渡して問いかける。
「人さらいってわけでもなさそうっすね」
「―――君を襲ったやつらは無気力病になる原因の魂喰らいと呼ばれる異形の存在だ。オレ達はそいつらを退治していると言えば解りやすいか?」
ドレッドがそう言って、真城を見る。
真城がしばらく黙りこんで、ドレッドを凝視する。
「……なんだ?」
「同じ理工学部のドレッド先輩じゃないっすか? 意外だなあんたもこんな良く解らない赤い雨の事件に絡んでたとは」
「オレを知っているのか?」
「ええ、堂本から講義の中でいけすかねぇ女受けのよさそうな気品のある色男がいるって、噂で聞いて―――俺も同じ自由科目の講義でも遠くから見てたんすけどね」
真城がそう答え、頭を掻く。
「事情を説明してからでも暗示をかけるかどうか待った方が良いね」
時雨が笑顔でそう答える。
「俺に説明してくださいっすよ。その魂喰らいっての赤い雨とか無気力病に関係あるんでしょ?」
真城がそう答えるとドレッドが頷く。
こうして真城は時雨、金辺、佳代子そしてドレッドの四人から事情を聞くことになる。
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