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第百十三話

(赤い雨ってのが気になるッスね。まぁ、降ったら降ったですぐにさっきチェックしたネカフェって奴を初利用で使ってやり過ごすっすかね)


 真城がそう思い、警察がパトロールする隣町を歩いていく。

 遠くまで歩いていき。

 真城の服にポツンと水たまりが落ちる。

 その水滴はまるで血液のようだった。

 真城が空を見上げると―――赤い雨が降り始める。


(これが赤い雨か―――本当に降るんだ。ってかまじで血みたいに赤い水滴っすね)


 真城が降る雨を見上げる。


「あっ、やっべ! 早くネカフェ見つけなきゃいけないっすね。無気力病になるとかニュースであったし―――」


 真城が慌てて、早歩きになる。

 赤い雨がどんどん激しく降り始め。

 周りには人が少なくなる。

 そんな中で細道から女性の悲鳴が聞こえる。


「キャアー! やめてー!」


 真城がその悲鳴の方向に歩いていく。


「助けるのがヒーローってもんっすね。空手でぶっ飛ばすっすか―――相手が暴漢なら通報ものっすね」


 真城が悲鳴の方向に歩いていくと―――。

 服の破れた女性に異形のこの世のものではない化け物を見る。


「な、なんなんっすか―――あれは」


 真城の中で本能的な恐怖を感じ、後退する。

 パンダの顔を削り取った全身が触手の化け物が宙に浮いている。

 その触手が悲鳴を上げた女性の体に触手を巻き付けていく。

 気おくれした真城がとっさに道に落ちていた缶を投げつける。

 パンダの頭に缶が当たり、首を真城に向ける。


「くっ! その女性を離せ! 話さなきゃ俺の空手でぶっ飛ばすっすよ」


 真城がそう言って、空手の構えを取る。

 パンダ顔を切り取っ全身触手の異形は宙に浮いたまま近づいていく。

 女性を宙に浮かせて、弄んだまま―――。

 一本の先端の尖った触手を伸びながら飛ばしていく。


「速い! けど避けれるっす!」


 真城が左斜め下に頭を下げて―――左肩を通過していく触手を避ける。


「おらぁ!」


 真城がパンダの顔面に正拳突きを叩き込む。

 パンダの正中線にぶつけた拳は―――。

 びくともしないまま真城の拳ごと触手が絡んでいく。


「うっそだろ? 幽霊ってわけでも―――うわっ!」


 真城が驚く中で―――飛び出した触手がきつく腕回りに絡みついていく。


「くっそ―――なんて力だ。外れもしねぇっす」


 真城が右腕から触手をちぎるように外そうにも触手はびくともしない。

 蛇のように触手が腕に回っていき。

 真城の骨に響き―――力を失っていく。


「……俺は……このまま死ぬんっすか? 安直な人助けだった―――好奇心が俺を殺したというのなら、赤い雨に興味をもった俺のミスっすね」


 真城が力が抜けて、宙に浮かされる中―――。


「―――だから赤い雨が降ると帰れと言っただろう」


 背後から女性の声が聞こえ―――。


「えっ? その声は―――」


 瞬間、大鎌の刃物が真城の後ろから飛んでくる。

 鎖に繋がれた大鎌がパンダの異形の触手を切り裂いていく。


「ギエエッ!」


 パンダの異形は悲鳴を上げ―――。

 真城と女性を切れた触手で地面に落としていく。

 真城が後ろを振り向くと―――。

 上空から一人の男性が落ちていく。

 そのままパンダの異形の顔を落下する男の握る剣で顔面から真っ二つにされる。

 パンダの異形の体が二つに分離して、凍り付けになり砕けていった。

 真城が啞然とする中で―――。

 地面に着地した金髪の外国人の若い男と―――。

 真城の背後にいた金髪に染めている女性を交互に見る。

 二人には鎖のある大鎌を持った女子大生と氷の剣を持った外国の大学生がいた。


「な、なんなんっすか? この人たち―――」



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