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第百十二話

「ああ、一年生ならではのそういうのあるわよね。空手はサークル棟にあるっぽいけど―――あんまあの辺の場所は大学内で行ったことないのよね」


「サークル棟の反対側の場所に位置する体育館の地下にある道場で空手部と剣道部と柔道部に合気道があるっすよ」


 千明が教授の講義を聞く中で真城と後ろの列で話を続ける。


「スポーツ推薦組は寮生が多いんでそこで大会目指してんっすけど、俺は一般入試でここ受けましたしね」


「空手のレギュラーじゃないとか?」


「高校まで大会出たレギュラーっすよ? スポーツ推薦もあったけど、ここでは一般入試で合格っすよ。選べるって良いじゃないっすか? 選択肢は多い方が良いし、理工学部で研究して工場勤務とか電子メーカーの職員とか大人になったらやりたいからッスね」


「偉いんだね。もう将来決めてんだ」


「そう順調にいかないのが人生って奴っすけどね」


 そう言い終えて、教授が「映像を見て感想を書いて今日の講義も終わりです」っと説明を終える。


「解ったようなこと言うんだね。哲学も今度受けて見れば?」


 千明の提案に真城がハッと笑う。


「あの手の講義は向いてないッスよ。みんな先生の意見に手を上げない正解がない世界ってなんじゃそりゃって感じっすよ」


 生徒たちが指示した教授の声で黒色のカーテンを日差しの強い窓から隠すようにカーテンをかけていく。

 千明が周りの席の学生が離れているのを確認して、小声で話す。


「まさかあんたもレガシーウエポンとかいうこの雨の事件を追う人たちとはね」


「割と最近っすけどね。金辺先輩に助けられたのがきっかけっすけど―――」


 真城が言い終え―――。

 カーテンが全て閉じられる。


「ドレッドが俺の能力に気付いてレガシーウエポンを出せるようになったんっすよ」


 真城が話を続ける。


「今年の五月の頃っすよ。俺も素子も―――」


「今から一カ月前か―――どういう入部経緯か聞きたいわね」


 千明が質問する間に―――。

 教授が映像スクリーンをボタンを押して広げていく。


「長くなるっすよ?」


「講義の映像の感想を適当に書いたら話して良いよ。彰美も言ってたけど、どうせ何か適当なこと書いたら単位取れる講義だしね」


 千明がそう話し―――。

 教授がブルーレイを機材に入れる。

 電気を消して、映画館のように大教室が暗くなる。

 大教室のスクリーンに中国史の映像が流れる。


「んじゃあ、話すっすよ。五月の頃に俺は隣町で遊べるところがないか調査と称して隣町へ行ったっすよ。夜中にファミレスに行き―――金辺先輩と出会ったんす」


 真城の回想が隣の席の千明越しに話される。



 真城の回想の中―――。

 五月の次期に引っ越してきた真城は大学の友達とボーリングとカラオケで遊んだ後―――。

 金辺やその日は休みの千明のいるファミレスにご飯を食べに行った。

 空が暗くなってきた町並みで―――。

 真城は赤い雨のことを興味深げに大学で出来たばかりの友人達とファミレスで話していた。

 ウエイトレス服の金辺が真城たちのいる席で注文を聞きにきて―――。

 真城たちがメニューを注文した後に金辺に真城が聞き込む。


「この埼玉県の一部の地域で降るって言う赤い雨って、なんで無気力病になるんっすか?」


 真城の質問に業務中の金辺が営業スマイルで話す。


「お客様。知らない方が身のためですよ。赤い雨が降ったら集団で駅まで行って、決して一人にならずにどこかに泊まり込むか家までお帰りください」


 金辺が業務用スマイルでそう答え―――。

 真城がその答えになっていない答えに考え込む。

 やがて真城の出来たばかりの友人達と雑談しながら、ファミレスで夜遅くまで過ごす。

 真城の友人たちが明日はバイトや徹夜でゲームするなどと言ったことで勘定を払ってファミレスから出ていく。

 真城がレンタルショップや中古店に本屋を一人で探索したいと言って友人達と駅まで解散する。


(へぇ、ここにラーメン屋があるんだ。スマホで調べる気もなかったけど、ブックマークしとくか)


 真城がスマホを弄りながら色んな店をチェックしていく。

 遠くまで歩いた頃には深夜になっていた。



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