第百六話
「バスももう無いし、帰りは私が駅まで白バンで運転して皆を送ろう。これでも教習所での運転技能は教官に一発合格で褒められるほどだ」
佳代子がそう言って、残ったモヤシや肉や豆腐を皿に入れる。
ドレッドが鍋にうどんを入れて―――。
「謎もいつかは解ける日が来るだろう。チアキのストッパーという言葉や過去も黒幕がいるかもしれないから今は魂喰らいを倒して街を守ろう」
ドレッドがそう言って、メンバーが無言で頷く。
「さーて、せっかくの鍋だし、締めのうどんでトコトン食うっすか! 鍋の掃除は一番食べた奴がするってことで良いっすね?」
「千明の歓迎会とは言え、もっと肉を買ってくるべきだったじぇ!」
「食いすぎだ。素子がサークル棟の水道で鍋を洗え」
「うむ、金辺の言うように素子は肉ばかり食べて野菜を全然食べないではないか? 太るぞ?」
「あははっ♪ 部費が足りなくなりそうだから部長の私がもっと買っておくべきだったかな?」
「シグレ。オレのポケットマネーでも資金が足りない。二次会は無しでカヨコに駅まで送って貰って帰るぞ」
六人のメンバーが雑談する中で―――。
(天文部のみんなとこれからあたしの過去と事件を追う日々になるわけか―――生き延びて事件を解決していかないとね)
千明が改めて決意して、うどんを食べていく。
―――そうして鍋の具材を食べ終わり、佳代子に車でメンバー全員が駅まで送って貰うことになった。
駅前でメンバーが解散して、雑談しながらその日の夜は平和に終える。
※
次の日の朝。
アパートから帰った千明が九時に起き上がる。
(今日は二限から講義だっけ? 必修だから出ないとなぁ)
千明がパジャマ姿でベッドから出る。
(それにしても天文部の活動かぁ。謎の声もみんなに話しても解らずじまいだし―――黒幕がいると断定も出来ないのよね)
千明が洗面所で顔を洗って、歯磨きをする。
(昼休みにサークル棟で瞑想とかして、天文部の誰かの部員と実践トレーニングしないとなぁ)
千明が歯磨きを終えて、ボサボサの髪を整える。
スマホが振動して、髪を整えるのを中断する。
スマホを見ると彰美からのメッセージだった。
『おっす! 重役出勤! 天文部に入ったんだって? 一限の時に佳代子ちゃんから聞いたんだ。今日は吉澤と一緒にサークル棟の食堂で食べない? あそこも値段安くて味も美味しいし、サークル棟のみんなのエネルギーになってるのよ。昼休みに食べない?』
スマホのメッセージを見終えて、千明が食堂に向かうことをメッセージで送る。
(まぁ、二限の後で昼休みに瞑想の訓練もあるし、天文部に特訓方法を教えてもらうかね)
千明がスマホを机に置いて、髪を整える作業を再開する。
「よっし、寝癖無し。化粧は薄めで良いか―――朝は軽いのでいいか―――さーて、大学大学ッと―――」
千明が冷蔵庫からパンと牛乳を取り出し―――。
電子レンジに一昨日にコンビニで買ったハンバーガーを包装袋ごと入れる。
時間を設定して、そのまま温めるボタンを押す。
千明が服に着替えていき。
カバンに教材を入れ込む。
電子レンジの音が鳴り―――。
机にパンと温まったハンバーガーと冷えた牛乳を取り出す。
「二限だし、昨夜は天文部で鍋だったし軽めで良いか―――いただきます」
千明が行儀よく朝食を食べ始める。
その後に大学に行き―――キャンパスで二限の講義を真剣に受けることになる。
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