『あの距離感、攻略してみせます。』
こんにちは。坂下あかりです。27歳、東京勤務、恋は出張先で始まる派です。
……で、ただいま東京。
絶賛、夢野ロス発症中です。
出張から戻ったばかりなのに、
私は朝からずっと、夢野くんのことを考えている。
あの横顔、あのノート、あのぬいぐるみ――
(……しろまる、今日も一緒に寝たのかな)
気づけば、職場のデスクでぼーっとしてた。
「……坂下さん、最近ぼーっとしてません?」
うわ。部内の女子にバレた。
(やばい、夢野ロスって隠れ感染するやつ!?)
私は覚悟を決めた。
この恋、“観察”してるだけじゃダメだって。
というわけで――
「あかりの恋のPDCAサイクル、発動!」
(※PDCA=Plan・Do・Check・あかりの略です)
《恋の観察ノート DAY1》
夢野くんの朝の飲み物:アイスコーヒー(無糖派)
お昼:お弁当 or コンビニ=7:3
会話:3語以内(YES/NO/あの……)
距離:物理的には1.2m、心理的には宇宙
(この恋、ブラックホール級に手ごわい。でも私……落ちてる。重力負けしてる)
そして運命の月曜日。
私は廊下で、彼とすれ違った。
夢野くんは、ちょっと歩いてから、ふと振り返った。
「……あの、坂下さん」
「ひゃいっ!?(心臓バグる)」
「沖縄で言ってた“シロクマ”の名前……“しろまる”って言いましたよね」
「えっ、う、うん。勝手に名付けてたけど……」
「……あれ、使わせてもらってます」
(……え、ちょ、まって、え、え、使ってる!?)
(しろまるって、私が名付けた“ぬいぐるみ”だよ!?)
(夢野くん、心の中で“しろまる”って呼んでるってこと!?)
その瞬間、私の脳内では
(♡尊死フェスティバル開幕♡)
私はその場で壁にもたれて、深呼吸。
(冷静に、冷静に……よし、勝手に命名。“しろまる”。私の恋敵……)
その日の午後、彼のデスクをちらっと見た。
(あれ……飴?)
以前はなかった“ミント味のキャンディ”が机の隅に転がっている。
(……前はこんなこと、なかったよね)
(彼の世界に、少しだけ“甘さ”が入ってきた気がする)
(まさか、それって……)
私はノートに、そっとこう書いた。
『観察してるだけじゃ、恋は叶わない。
“攻めの一手”を、打つときがきた』
よし。
次は――**“手作り大作戦”**でいきます。
(私の愛と料理スキル、試される!?)
【To be continued】
こんにちは、あかりです。
夢野くんが「しろまる」って呼んでくれた瞬間、私の脳内では鐘が鳴りました。
キンコンカンコン、尊死確定。
もうね、ぬいぐるみに嫉妬する女、ここにいます。
でも、彼が“私がつけた名前”を使ってるって、
それってもう……恋のフラグ立ってません?(立ってますよね?)
というわけで、次回はついに!
お弁当作戦、始動です。
夢野くんに“あかり味”を染み込ませる作戦。
恋のスパイスは、もちろん妄想です♡
ブクマ&感想、めちゃくちゃ励みです!
「ぬいぐるみ、名前つけたくなる派?」
「夢野くんに食べさせたいおかずって何?」
そんなコメントもお待ちしてます♡