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『夢野くん、家事できるってよ(つまり推せる)』

こんにちは、坂下あかりです。27歳、独身OL、恋愛暴走機。

朝6時20分、恋を投稿してる女、それが私です。


でね、言わせてほしい。


今回──やばいギャップ出ました。夢野くんの。えぐい。


(優しい?しかも家事できる?もうそれ結婚だよね?)


沖縄出張、2日目。


新人研修サポートの名目で私は夢野くんと同じグループに組み込まれていた。



(神采配か? 部長、私の守護霊説あるな)



朝はホテルの食堂で集合。

私は朝からテンション高めだったけど、夢野くんはいつも通り、無表情で食パンをもぐもぐしていた。



(……かわいすぎるな、真顔でパン食うの)


で、事件が起きたのはその後だった。



研修先でのグループワーク。

“2人1組で簡単な共同作業”という内容で、

私と夢野くんは、テント組み立て班になった。



(何そのアウトドア婚前体験みたいな時間)



私が説明書と格闘してる間に──


「これ、こっちですね」


って、夢野くんがポールをすでに正しい位置に差し込んでいた。


……ん?

今、何が起きた??


私が説明書ガン見してる間に、

夢野くん、もう7割完成させてない!?


「すご……テント、慣れてるんですか?」


「……いえ、こういうの、好きで」



(え、何その“生活力のある男”感!?)



(いや……でも待って、好きでって何!? 趣味でテント組むの!? 好き)


その後も黙々と動き続ける夢野くん。

ポールの固定、ペグ打ち、シート張り……全部手際が良すぎた。



(……この人、もし家にいたら絶対洗濯物とか完璧に干してくれるやつじゃん)


(私は働く。あなたは家を守る。WIN-WINじゃないですか!!)



無言のうちにテントは完成し、他のペアよりも圧倒的に早く終わった。


私はただ隣で見ていただけ。

でも不思議と、一緒に何かを作った気がした。


そして、少しだけ思った。



(……もし、これが家だったら)


(毎朝「洗濯物、取り込んどいたよ」って言ってくれる夢野くん、見える)


(あかり、出勤前にキュン死)




その夜。

ホテルのロビーで、夢野くんが文庫本を読んでいた。


私は、ちょっとだけ迷ってから、話しかけてみた。



「夢野くんって……料理とかも、できたりする?」



彼は少し驚いたように顔を上げ、すぐにまた視線を本に戻して、こう言った。


「……一人暮らし、長いんで。最低限は」



(最低限で、あの生活力!?)


(この人、本気出したら冷蔵庫に常備菜とか作り置きとか詰まってるタイプじゃない!?)


(なにそれ……主夫適性、爆上がりじゃん)



その夜、私はひとりで叫んだ(心の中で)。



夢野くん、家事できるってよ……つまり、推せる。


これ、恋愛じゃなくて、人生のパートナー案件かもしれない。



妄想しすぎて……鼻血が止まらない。


(空気一緒に吸うだけで、妊娠しそうな勢い……マジで)


(自分で言っててちょっと怖いけど、止められないんですけど)




次回、何??そのノート。


(あかり……うぜぇ。とか書いてあったら、夜の海に走って飛び込む)





今回の夢野くん、やばくなかったですか!?

だって、あの手際、あの静けさ、あの生活感──

あれ、婚姻届にボーナス加点でしょ。


次回、ついに夢野くんの“ノート”の正体が……!?

あかり、ついに「夢野くんの物語」に触れます。


ブクマ、感想、全部読んで心の中で転がりまわって喜んでます。

引き続き、よろしくお願いします!

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