『そのままの君が、好きだから。』
こんにちは♡ 坂下あかりですっ!
前回は、まさかの……夢野くんのお母さまとご対面!
びっくりマカロンタイムでしたねっ♡
夢野くんの“過去”に触れたことで、
わたしの中でも、いろんな気持ちが動き始めてます。
今回は──そんな余韻の中からのスタートです!
そして、いよいよ……夢野くんから“あの話”が……。
どきどきが止まらない展開、お楽しみくださいっ♡
「“ASD”……かあ……」
わたしは帰宅してから、ネットでそれを調べていた。
……夢野くんのお母さんが教えてくれた言葉。
そこに書かれていたのは、少しだけ難しい言葉と、ちょっとだけ切ない特徴。
でも──
「こんなの見ても、よく分かんないよ」
わたしはスマホを置いて、笑った。
「だって……わたしは、実際の夢野くんを知ってるから!」
***
翌日、お昼。
会社の屋上で、夢野くんとランチ。
「……夢野くん、今日ちょっと元気ない?」
わたしの問いかけに、夢野くんは少し困ったように笑った。
「ううん……大丈夫です」
「そっか。でも、わたし思ったんだけど──」
「今度、一緒にプラネタリウム、行かない?」
「……プラネタリウム?」
「うん。星ってね、光るまでに何万年もかかるんだって。知ってる?」
「あかりさんも……星、好きなんですか?」
「うん、星も空も好き」
「空ってさ、人の機嫌みたいにコロコロ変わるでしょ? そこが好き」
夢野くんは、クスッと笑った。
その笑顔が見えた瞬間──
(あっ、もう……ムリっ♡)
お腹いっぱい通りこして、胸いっぱいっ!!
「……今度、会社帰りに行きますか?」
「い、行きますっ!!」
秒で返事しちゃった。
てか、声のトーン、自分でもびっくりするくらいハイすぎた!
(やばいって、わたしのテンション……上昇気流に乗ってるぅ)
そして、夢野くんがさらっと言った。
「夜、何か作りますから。何も買ってこなくていいですよ」
(……え、ちょっと待って、今なんて言いましたぁぁ!?)
(それ……結婚前提のやつじゃないですか!?!?)
心臓、爆発寸前。
顔、真っ赤。
テンション、天井突き抜けて──
(……はい。わたし、結婚……決まりましたぁぁぁぁ♡)
ってくらい、幸せドッカーン♡状態だったのに。
(あっ……そうだった。夢野くん、今日“話がある”って──)
ふいに現実に戻ってくる感覚。
ドキドキが一気に“意味深モード”にシフトしていく。
***
会社帰り。
わたしは一度、自宅にダッシュで戻って──
夢野くんにもらった「しろまる似ぬいぐるみ」を、そっとバッグにイン♡
(うん、これで準備OK……!)
向かう先は──初・夢野くんのマンション!!
(やばい、やばい、やばい……!!)
ドキドキが止まらないっっっ!!
心臓バクバク、足がふわふわ、息もふにゃふにゃ……
え、わたし今どんな顔してる?ちゃんと笑えてる!?!?ってレベル。
そして──その瞬間は来た。
カチャッと開いた玄関のドア。
そこに現れたのは、エプロン姿の夢野くん……!
「いらっしゃい」
(無理無理無理無理ぃぃぃい!!!!)
かっこよすぎて、もう限界突破♡♡♡
「お、おじゃましますっ!!」
入った瞬間、ふわっといい香り。
テーブルには、あたたかそうな手料理がきれいに並んでて──
(な、なにこれ……もう完全に……)
(これ……夫婦じゃない!?♡)
緊張しながらも、2人で食べて。
味も、雰囲気も、最高すぎて──
幸せがこぼれ落ちそうだった。
食事の後。
「わたしも手伝うね!」
「ありがとうございます」
2人並んで、キッチンへ。
シンクの前に立って、洗って、拭いて、渡して……のコンボ。
(いやいや、もはや……新婚感……爆発♡)
ふとした会話も、笑い声も、
全部が、ひとつの“思い出”になる気がした。
***
片付けを終えたあと、夢野くんが、
ちょこんとわたしの隣に座った。
「あかりさん。……ぼくのこと、好きですか?」
「うんっ。大好き!」
何の迷いもなく、即答。
だけど──その次の言葉に、空気が少し変わった。
「……こんな僕でも……いいんですか?」
(あれ……この言葉……)
思い出した。北海道でも、
夢野くんは同じこと、言ってたんだ。
静かに──夢野くんが話し始めた。
「ASDって……知ってますか? 自閉症って言われるやつです」
「……ぼく、それなんです」
わたしは、少し戸惑った。
でも、わたしらしく……
「うーん……ごめん、あんまり詳しくは知らないけど──」
「……夢野くんが苦手なことは、わたしがするし、
わたしにも苦手なこと、いっぱいあるよ?」
(心の底から、“愛おしい”って気持ちが……あふれてくる)
「だって、わたしが好きになったのは、
“そのままの夢野くん”だからっ!」
ほんとはね、いろいろ考えたんだよ。
調べたり、不安になったり……しちゃったけど。
でも、それ以上に、
“好き”って気持ちの方が強かったの。
「……ありがとう、あかりさん」
その言葉と一緒に、夢野くんは
しろまる似のぬいぐるみを、そっとギュッと抱きしめた。
(……もう、可愛すぎるってば♡)
気づいたら、わたしの手が伸びていて──
夢野くんごと、ぬいぐるみごと、ギュッて抱きしめてた。
「大丈夫だよ」
「わたし、これからも……夢野くんの隣にいたいの♡」
“何があっても、大丈夫。”
そう思えたのは、
夢野くんに出会ってから。
──大切な人がいるって、
こんなにも、心強いんだね。
ここまで読んでくださって、ほんとにありがとう♡
今回は、夢野くんが抱えていた想い──
そして“あかり”としてのわたしが、
ちゃんと向き合いたいって思った、大事な回でした。
※今回は、「医療的・専門的な知識」ではなく、
恋する一人の女の子としての目線で描いています。
あかりの精一杯のまっすぐな気持ちとして、優しく読んでもらえたら嬉しいです♡
だって、好きな人の全部を知って、
それでも「大好きだよ」って言えるのが、
ほんとの恋だと思うから……♡
次回は、あかりの妄想がまた暴走!?(笑)
どうぞ、楽しみにしててくださいね!
──坂下あかりより♡♡