『恋する北海道、あふれた本音』
こんにちは、坂下あかりですっ!
27歳、片想い歴……長いけど幸せ記録、更新中〜!
でも今回は、そんなわたしでも思わず叫びたくなる……そんな回です。
なんといっても!
ついに!! 夢野くんと……!!
\ 北海道旅行ですっっ♡ /
──え?
これって、もう……デート通り越して、ハネムーン未遂じゃないですか??(黙れ自分)
しかもね、わたし……
やらかしたの。
まさかの……「大好き。付き合いたい」宣言を、口からぽろっと。
うわぁああああああああああ!!!!!!(地球に穴があったら入りたい)
……と、とにかく。
今日のすべて、報告させてくださいっ!
朝の空港。
集合時間より早く着いた私の目に飛び込んできたのは──
白シャツにネイビーのアウター。
キャリーケース片手に立つ、さわやか爆弾・夢野くん。
(……えっ、なにその旅先スタイル。破壊力高すぎない??)
心臓がバグったのは言うまでもありません。
「……おはようございます」
「お、おはようございますぅ……!!(裏返り)」
そして始まった空の旅。
隣の席で、夢野くんは静かに本を読んでたけど──
私は、機内でしろまるをこっそり取り出し。
「連れてきちゃった♡北海道、寒いからさ」
「……あ、それ。」
夢野くんの声が、ほんの少しだけ、弾んだ気がした。
私のバッグの隅から、ちょこんと顔を出していた“しろまる”。
前に夢野くんがくれた、あのシロクマのぬいぐるみ。
夢野くんは、嬉しそうに微笑んだ。
言葉にはしなかったけど、
その表情が、何よりも雄弁に語っていた。
──大事にしてくれてるんだなって。
──持ってきてくれたんだなって。
まるで、プレゼントを渡した日の気持ちが
いま報われたみたいに──夢野くんの目が、やさしく緩んでいた。
(えっ、えっ、そんな顔する!?)
……大事にしてるって、ちゃんと伝わったんだよね。
わたしが、どれだけこの“しろまる”を連れて歩いてるかって。
(うんうん、そうだよ!この子はただのぬいぐるみじゃないもん!
“夢野くん印”の大切な、宝物ですからっ!!)
私は何も言えなくて、
ただ、しろまるの耳をぎゅっと撫でた。
──あなたがくれた“この子”。
ただのぬいぐるみじゃ、ないんだよ?
だって、だってね、
この子には……夢野くんの“やさしさ”とか、“想い”とか、“気づかい”とか……
もう、そういうのぜんぶぜんぶぜ〜〜んぶ、
ぎゅうぎゅうに詰まってるの!!
だから、わたし、抱きしめるたびに思うの。
(わたし、こんなに大事にされていいのかな……
ううん、ダメとかそんなの関係ない!
だって好きだもんっ、もう、すっごく、好きなんだもんっ!!)
にこっと笑った夢野くんに、着陸する前に心が着火しました。
* * *
そして念願の──旭山動物園!
「わああああっ!!いたっ、いたよ夢野くん!シロクマ!!」
「おお……意外と、迫力ありますね」
「ね!? しろまるのご先祖様って感じ!!」
ぴょんぴょん跳ねながら写真を撮りまくるわたしに、
夢野くんがカメラを向けて──ふいに手が触れそうになって、
お互い、そっと目をそらした。
(……ねぇこれ、青春映画じゃない!?)
「シロクマって、一生に一度のパートナーを探すんですよ」
夢野くんが、ガラスの向こうでゆっくり歩く白いクマを見ながら、
ぽつりとつぶやいた。
「……そうなんだぁ。
なんだか……素敵だね。そういうの」
私も、そのシロクマをじっと見つめながら答えた。
厚いガラスの向こう、白くて大きな身体が、
静かに、でもどこか目的があるみたいに歩いている。
なんだか……“誰か”を探してるみたいに見えて──
「うん。……だから、ぼく……好きになったのかもしれない」
「……え?」
思わず、顔を向けてしまった。
でも夢野くんは、ずっとシロクマだけを見ていた。
「こういうところが、いいなって。
ちゃんと“この子だ”って決めて、
まっすぐに向かってく感じ……大好きなんだ」
静かにそう言って、ほんの少しだけ微笑んだ。
(……あれ?)
(いまの、“好きになった”って……シロクマの話、だよね?)
でも、なぜか心臓がどくんって鳴った。
理由はまだ、わからない。
だけど、胸の奥があたたかくなるのを、止められなかった。
(……夢野くんって、やっぱりずるい。
ほんと、やさしくて……好きにならずにいられないよ)
そのひと言に、心がふわって浮いた気がした。
* * *
午後、雪の降る展望台。
ふたりでホットココア片手に、ベンチに並んで座る。
目の前には、真っ白な世界。
幻想的すぎて、言葉を失うくらいの風景。
「……夢野くんって、さ」
「はい?」
「どうして……そんなに、優しいの?」
ぽつりと出た私の問いに、
夢野くんはほんの少しだけ間を置いて──
「……あかりさんが、大事だからですよ」
その瞬間、胸の奥に
ふわっと、あたたかい雪が降り積もるような気がした。
やさしい気持ちが、こぼれ落ちそうになって、
気づいたら──言ってた。
「……夢野くん、大好き。付き合いたい……」
言うつもりじゃなかった。
タイミングも、勇気も、用意してなかったのに。
でも、いまのこの瞬間だけは、
心が先に動いてた。
──それに対する夢野くんの答えは、
少しだけ視線を落としてから、出た。
「……僕なんかでいいんですか?」
一瞬、言葉の意味がうまくのみ込めなかった。
「え……?」
でも夢野くんは、ふわっと笑って、
「冗談です」みたいに空を見上げた。
私も、それ以上は聞かなかった。
だって──その言葉の奥にある“何か”に、
このときの私は、まだ気づけていなかったから。
雪が静かに舞う空の下。
それでも私は、世界でいちばん幸せを感じていた。
(夢野くんと一緒にいると、こんなにも心が温かくなるんだって。
もう、これ以上は望んじゃいけないくらい──うれしかった)
* * *
帰り道。
並んで歩く距離は、いつもと同じくらい。
手はつないでない。
でも、心は──もう、とっくに重なってる。
(……ねえ、夢野くん。
この歩幅で、これからもずっと一緒に歩けたらいいな)
──あの時のわたしは、まだ知らなかった。
あの背中に、そっと隠された“迷い”の気配に。
やっほー!坂下あかりです♡
今日の回、読んでくださって本当にありがとうございました!
ついに……
ついに……っ!!
あかり、爆発しました!!(語彙も感情も)
あの展望台でのセリフ……
わたし、絶対一生忘れないやつです。
夢野くん、最高です。いやもう、反則レベルでしょ……。
──なんだけど。
ちょっとだけ、気づいてるんです。
あのときの夢野くんの「笑顔」の奥に、
なんだか“言葉にできない何か”があったこと。
両想いになれたはずなのに、
彼の心のどこかには、まだ届いてない場所がある気がして。
次回は──そんな“彼の本音”を、ちゃんと聞きに行くお話です。
営業続きで、お弁当を一緒に食べられなかった日。
わたし、ついに彼のマンションに届けに行きますっ!
……夢野くん、あの時、どんな気持ちだったの?
どうして、あんなふうに目をそらしたの?
ちゃんと聞くって決めました。
わたし、この恋、まっすぐに向き合いたいから。
この恋に、迷いがあるなら──わたしが、まっすぐ照らしてあげるから。
それではまた、次回お会いしましょうっ!!
──坂下あかりより♡