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『恋する週末、ふたりきりの動物園』

こんにちは、坂下あかりです!

27歳、全力片想い中ですっ♪


ついに……ついに来ました、リベンジデート!!

今回は、夢野くんと動物園に行ってきました♡


でもね、ただのデートじゃなかったんです。

あの“しろまる事件”が、まさかの形で回収されるなんて──!


もう、心臓もたない……!

それでは、第15話どうぞっ!!


「え、これ……ほんとに似合ってる……かな?」



鏡の前で、デート服と格闘すること30分。

どうにか選んだのは、白のトップスに淡いブルーのスカート。

清楚系、ふわっとした感じ。……たぶん。


(しろまる……今日、連れて行けたらいいのに)


そんなことをつぶやいてしまうくらい、

頭の中は“彼”のことでいっぱいだった。


 


* * *


動物園の入り口で、夢野くんを見つけた瞬間──


(うわっ……今日もかっこよすぎる……!)


白シャツに、グレーのパンツ。

なんでそんな爽やか好青年スタイルが似合うの!?


「お待たせっ!」


って笑顔で駆け寄ったけど、たぶん顔、にやけてる。

いや、確実ににやけてた。これはもう無理。むりむり無理。



「いえ、僕も今来たところです」



その一言で、リベンジデート、もう大勝利なんじゃないか説。



でも、ここで終わらせるわけにはいかない──

今日は全力で楽しむって決めてたんだから!


 


* * *


最初に向かったのは、ライオンのエリア。


「うわ、かっこいい……! ほらほら見て! 強そう!!」


(近くで見ると、迫力ハンパない〜!)


檻の向こうで、大きなたてがみを揺らしているオスのライオンに思わず見とれていたら──


「実は……ライオンのオスって、狩りが下手なんですよ」


「えっ!? そうなの!?」


「はい。群れの狩りは、ほとんどメスがやってるらしくて。

つまり、メスの方が賢くて、行動力もあるってことですよね」


「へぇ〜〜〜!! 知らなかった!」


「……あかりさんって、メスライオンみたいだよね」


「……えっ」


唐突にそんなこと言われて、思わず固まる。


「え、ええ!? それって、どういう意味!?」


「いい意味ですよ? ほら、行動力あるし……頼もしいというか……」


ちょっと照れたように笑う夢野くん。

その横顔が、なんかもう、ずるいんですけど。


(メ、メスライオンて……そんな例えされたの初めてなんだけど!?)


(ていうか私、ライオンだったの!? しろまるじゃなくて!?)


心臓がドクドクしてるのに、なんか妙にうれしくて、笑いがこみ上げた。


「じゃあ、今日の私は“しろまる系メスライオン”ってことで……!」


「ふふ、それ最強じゃないですか」


ふたりで笑いあったそのあと──


夢野くんが、ふっと視線を泳がせながらぽつり。


「……あ、でも……この動物園、シロクマいないんですね」


その言葉が、ちょっと残念そうで。


(……あ)


それを聞いた瞬間、わたしの中で電球がピカッと光った!


「じゃあさっ! 今度、北海道に行こうよ♡」


「え?」


「シロクマ、近くで見れるんだよ! 美味しいものもいっぱいだし、絶対楽しいよっ!」


「北海道……いいですね。それ、約束ですか?」


「うんっ、約束っ!」


にっこり笑う夢野くんと、ぎゅっと交わした“未来の約束”。


(……やばい、ちょっと今の……キュン度、過去最大かもしれない)


 


その時、知らず知らずのうちに

“ふたりの次のステージ”への扉が、そっと開いた気がした。



夢野くんが隣でクスッて笑ってるのも見逃さない。

ふふ、よしよし。笑わせた、ポイントGET!


 


続いてゾウさん。


「おっきいねぇ〜〜〜!! でもなんか優しい顔してるぅ〜♡」


(まって、こっち見た!? 見たよね!? 私、今ゾウさんと目が合った!!)


「ゾウと会話してます?」


「してないよ!? ……してないけど、ほら……通じ合ったっていうか!!」


「ふふ……坂下さん、すごい」



夢野くん、なんか今日ずっと笑ってくれてる。

そのたびに、こっちの心臓は大忙しなんだけど!?


 


* * *


そして運命の場所──ふくろうコーナー。


「あーーーっ!! いた! いたいたいたっ!! 見てあれ!!」


「ん?……ああ、白いフクロウですね」


「そう! あれ! しろまるに似てるっ!!」


(もうこれ、本人。本人レベルのそっくり度!!)



「ほんと、好きなんですね。しろまる」



夢野くんがぽつりと言った。


その言い方が、やさしくて、まっすぐで──

まるで、“私のこと”を好きだって言われたみたいで。


心臓が、また、ばくって跳ねた。


(やばい、やばいやばいやばい……!!)


(今日、やっぱり来てよかった──!!)


 


* * *


帰り道。

夕焼けに染まる駅前で、ちょっとだけ寂しくなる。


(あー……今日も、もう終わっちゃうんだ……)


そう思っていたそのとき──


「あかりさん……あの、これ」


「え?」


夢野くんがバッグをごそごそと探り、

そっと小さな紙袋を差し出してきた。


「この前、カフェの雑貨コーナーで見てましたよね。

しろまるに似てるって……」


紙袋の中には、白くてふわふわのぬいぐるみ。

あの時見かけた、シロクマのぬいぐるみが、ちょこんと座っていた。



(……えっ、うそ……)



こっちを見てるみたいに、ちょこんと座ってる姿。

それだけで、胸がぎゅっとなった。



「……もらってくれたら、嬉しいです」



その言葉に、心臓がばくんって跳ねた。



「ありがとうっ!!」



思わず声が裏返るくらい、嬉しくて──

そのまま、紙袋を胸にぎゅっと抱きしめた。



(このぬいぐるみ……きっと、ずっと大事にする)



夢野くんのプレゼントが、

わたしの今日一日を、ほんのり温かく包んでくれた気がした。


 


今回も読んでくださってありがとうございます!

坂下あかりです。


いかがでしたか?

まさかの“しろまる”回収に、わたしも作者さんもテンション爆上がりです!


次回は、ちょっとだけ事件が起きます。

ふたりの恋が、もう一歩前に進む……かも!?


ぜひ感想・ブクマ・評価などで応援してもらえると嬉しいです!


それではまた、次回お会いしましょう!


──坂下あかりよりっ!!

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