『好きって、言えたら楽なのに』
こんにちは、坂下あかりです。
27歳、全力片想い中ですっ!
前回のラスト……衝撃でしたよね!?
夢野くんの“隣にいた女の人”──誰なの!?
今回は、ちょっと切ない“すれ違いの月曜日”。
でも……優しさも、ちゃんとあって。
恋って、こんなふうに、胸が苦しくなるんだって実感する回になってます。
それでは、どうぞ!
「……夢野くんって、ほんとに……わからないよね」
会社のデスクで、つい、ぽつりとこぼしてしまった。
初デートの余韻は、あんなにも甘かったのに──
あの“最後の一瞬”が、全部を塗り替えてしまった気がしてた。
(あの女性……彼女? それとも家族? それとも──)
きけない。
怖くて、きけない。
今日の私は、“空元気”という鎧でできてる。
「おはようございます!」
無理やり笑顔で挨拶して、いつも通りのフリをする。
だけど……夢野くんの席は、朝からずっと空のまま。
(……また、外回り……?)
胸がぎゅっと苦しくなる。
こんなにも会えないだけで、心って崩れそうになるんだ──
昼休み。
屋上に上がって、夢野くんの分のお弁当と向き合う。
(……今日は、食べる人がいないんだね)
黙って箸をつけようとしたとき──
「……あれ? 坂下さん?」
「……え、あっ、山田くん?」
同僚の山田くんが、屋上にやってきた。
「ひとりでランチ? なんか……元気ないね」
「えっ、そんなこと……」
「うーん、俺、気づいちゃったかも」
「な、なにを?」
「坂下さんって、夢野さんのこと……好きでしょ?」
「っ!!??」
耳まで熱くなるのが、自分でもわかる。
何も言えずに固まっていたら、山田くんが苦笑いした。
「……俺、知ってても黙ってようと思ってたけど。
でも、今の坂下さん見てたら……俺だって、って思っちゃった」
「……え?」
「ごめん。でもさ、俺はさ……坂下さんの笑顔が好きだよ。
だから、今度……俺と一緒に、どっか行かない?」
山田くんの声はまっすぐで、やさしかった。
胸の奥が、少しだけ揺れた。
誰かに、ちゃんと見てもらえている。
そんな温かさに、ふと涙がこぼれそうになる。
でも──
(ちがう……)
私が思い出すのは、白いシャツを着た、あの人の笑顔だけ。
(やっぱり、好きなのは……夢野くんなんだ)
だから、静かに笑った。
「ありがとう……でも、今はまだ、誰かとどこかに行けない」
その一言に、全部の想いを込めて。
山田くんは少しだけ目を伏せて、笑った。
「……そっか。うん、でも……言えてよかった。
また、屋上で会おうね。笑顔でね」
そして私は、そっと弁当箱のふたを閉じた。
(……やっぱり、好き。夢野くんのこと、どうしようもなく)
その夜、帰宅途中にスマホが震えた。
《……あの、昨日のこと、誤解させたかもしれません。
あの人は、姉です》
……ああ。
涙がにじんで、画面がぼやける。
《もしよかったら……今週末、本当に“デート”しませんか?》
胸の奥が、一気にあったかくなっていく。
「……うん。うんっ!! 行く!! 絶対行く!!」
涙でぐしょぐしょなのに、
今の私は、世界でいちばん幸せな顔をしてる──そう思った。
読んでくださって、ありがとうございます♡
坂下あかりです!
今回は、“不安”と“誤解”と“すれ違い”がテーマでした。
胸が苦しくて、切なくて、それでも……あの一通のメッセージが、
全部を救ってくれましたよね……(号泣)
次回は!ついに!リベンジ・デート編!!
いよいよ夢野くんとあかりの恋が、少しだけ動き出す予感!?
感想・ブクマ・評価、ほんとうに励みになってます♡
“夢あか”の恋、これからも見守ってください!
それではまた、次回お会いしましょう!
──坂下あかりより!