相対性理論
それでも僕は信じていた
君は確かにそこに実在して
君のことを想う僕は確かに
君と同じ瞬間を生きていると
不完全で矛盾だらけの世界でも
朧げな存在だったとしても
思いを巡らす僕は確かに
この座標この瞬間を生きていると
けれどアインシュタインは言った
"光の速さという限界に縛られて"
"あらゆる物は相対的になる"
"絶対的な時間空間は存在しない"
感じ方とかそういう話じゃない
概念や哲学の問題でもない
科学的事実に裏付けされた
存在の確固たる不存在証明
ついに絶対的なものは何一つないと悟った
アイデンティティは崩壊し
生きるべき意味さえ散り散りになった
神様でさえ超えられない壁ができた
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それでも僕は諦めなかった
唯一の拠り所の在り処を信じた
光速に限界があると言うならば
その限界こそが確固たる存在だ
光の速さを超えられないならば
その壁に挑むことこそが生きる意味だ
例えそれが僕と君を阻む壁だったとしても
今ならその壁さえ愛することができるよ
そして僕は再び気づいたんだ
君は諦めてなどいなかったことを
君は初めから眼の前の研究に没頭していた
その意志の固さは不滅の宝石だった
君は次々と新しい研究成果を発見した
光という名の限界に挑んでいた
あらゆるものが移ろう世界の中で
その気高さは唯一の不変の法則だった