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不確定性原理
かつて僕は信じていた
神はきっとサイコロを振らない
その箱を開ける前から
猫はきっと元気に鳴いている
未来は初めから決まっていて
君と僕との出会いだってさ
運命が導いてくれた結果だって
そう信じていたかった
かつて物理学者達は論争を起こした
あらゆるものは確率的にしか
存在することができないのか?
アインシュタインは否定した
しかしハイゼンベルクが論破した
"その不確定性は原理である"
"なぜなら物質は波のように朧げで"
"厳密に測定することは不可能だから"
あらゆるものは本質的に曖昧で
現在の時間、場所の存在証明さえ
厳密には不可能だと証明された
ましてや未来など全くの不確定だ
僕はその残酷さに気づいてしまった
完璧さも真実の在り処も奪われた僕は
物理的な存在証明という
唯一の拠り所さえ喪ってしまった
君と僕の実在さえも朧げで
その出会いさえ否定されたようで
君と語り合った夢の答えさえ
辿り着けない事実を突き付けられる
"いつか2人で世界の真実を明らかにしよう"
"迷信や陰謀に苦しむ人がいなくなるように"
"未来を予測できるAIを作ろう"
"不安や後悔に苛まれる人を減らせるように"