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100組の結婚式  作者: 化ノ猫
2/2

1組目:幸せの花嫁

今日わたしは結婚する。


誰よりも、すてきだと言ってくれた彼と今日から新しい一歩を踏み出す。


お父さん、お母さん これまでありがとう。

行ってきます。


お義父さん、お義母さん これからよろしくお願いします。


そして、愛する私の彼…夫へ

どんな苦難もともに歩むことを誓いましょう。

あなたは、早起きも苦手だし、不器用だし、臆病だし…

でも、誰よりも優しくて喧嘩なんてしたことないね。

どれだけ私が起こってもあなたは朗らかに笑ってくれた。

きっといつか…それも遠くない未来で私はしわしわの決して美人とは言えないおばちゃんに

なっていくと思うわ。

それでも、あなたは私を愛してくれますか?

未来はわからないけど、きっと大丈夫だと思うわ。


教会の重みを感じながら言った誓いの言葉は、

自分の言葉のようで、言っているのは自分ではないような、

緊張と喜びに包まれた言葉。




わたしにとっての結婚式は何を意味するのか


-新婦の物語-


わたしはごく普通の女性。

仕事をしながら同居する彼とただ何となく過ごした9年。


仕事もあって、結婚や新婚旅行といったものとは縁もゆかりもないと思っていた。


大学の時に出会って、就職前に付き合い始めて、

お互い仕事の折り合いがついたタイミングで同居。

よくあるカップルだった。


特別、ふたりだけでべったり仲良くというよりは

程よい距離感で何となくカップルの時間を過ごしていた。


周りからは、いつ結婚するのかと催促され続けていたが、

気づけば催促していた友人のほうが先に結婚していた。


かと言って焦ったりすることもなく、

休日は二人だらだらと家で映画を見たり旅行に行ったり。


それなりに幸せだった。


ある日、仕事帰りに新作の小説を買いに本屋に立ち寄った。

たまたま、本当にまぐれだったのだと思う。

雑誌コーナーの特集には「結婚」の」2文字。


雑誌の中には、結婚式についてのほかにも、参列ゲストについて、親族マナー、

マリッジリングなど様々なことが書かれていた。


そんな記事の一角に、結婚式を挙げた新婦のコメント。

「結婚式は私だけではなく、ゲストみんなの幸せでした。

これから二人で歩き出す背中を押してもらえたような気がします。」

正直、理解できなかった。


-結婚式って、なんでみんな求めるのだろう?憧れって何に対して?-


しいて言うならば、そろそろ指輪は欲しい。

おしゃれなものを求めているわけではない。

ただ、彼とパートナーとしての証が欲しいのだ。


今更気恥ずかしいようなするが、そろそろ10年…私たちも立派なアラサーなのだ。


そう思い、雑誌の指輪特集を見る。

パラパラとページをめくる。想像以上にページは続く。

おしゃれに興味があるわけではないので正直違いまでは判らない。

そして高い…


いい加減、腕も疲れてきた。

あきらめて帰ろうか。読み切ろうか…

悩んだ結果、購入することにした。


雑誌の割にはリーズナブルで買いやすい価格。

そして、何となく私のもやもやを晴らしてくれるような気がした。


これが、私の結婚式への入り口。

結婚式までのこり180日


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