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化学準備室の窓[2]

 殆どないに近い光源の中、少女は輝いていた。

一言で言うなら美しさという概念の塊のような美少女だ。

年齢は読みづらいが、確実に10歳よりだいぶ下回る。

太腿あたりまで届くアッシュブランドは高い位置で2つに括られている。

乱れ一つないそれは絹糸のように細く、自ら光を放っているのを疑うほどキラキラと煌めいている。

肌は陶器のように白い。

顔立ちは人間の思い浮かべる美しさを遥かに超えた美しさだ。

大きな空色の瞳は宝石のように輝き、髪と同じ色の影ができるほど長い睫毛で縁取られていた。

潤んだ唇は桃色で少女らしい可愛らしさが溢れる。

 服装は白に近いグレーのローブが初めに目につく。

白いふわふわのワンピースのスカート部分がローブの裾からチラチラと見える。

 華奢という言葉を表す細い脚は薄い水色のニーハイソックスで包まれ、真っ白なヒール付きの革ブーツを履いている。

容姿、服装どっからどう見ても天使だ。

おまけに服装の至る所に十字架のマークが飾られていれば尚の事。

 この美乃を見下ろす、ゴミを見る冷たい表情を除いては。

「いったいこれで何度目なのだ?貴様がそうやって芋虫の様に地を這いつくばるのを見るのは。」

『状況が酷似している回数は5回目です、タイガ様。ただ地を這っている数はその3倍程かと。』

「週の数を遥かに超えているではないか、クソが。」

口が悪い。

腕を組みながら(腰を抜かし低い位置にいる)美乃を見下ろす瞳には確かな嫌悪感と殺意が溢れている。

 タイガと呼ばれた少女の悪態に手助けしているのは当然美乃ではない。

少女の顔の高さにフヨフヨと飛んでいる闇のような色をした悪魔だ。

その悪魔の見た目に先ほどまでいた魚顔の悪魔に対する恐怖心も、タイガに対する圧倒的な美しさも感じない。

 ぶっちゃけゆるキャラだからだ。

猫耳と蝙蝠の羽、長い尻尾の先にトランプのスペードを逆さまにしたようなものがついている。イラストみたいなthe悪魔尻尾だ。

ソレらをくっつけたビーチボールのような体。

ボール部分は顔でもあるらしくまん丸の瞳が2つプリントしたようにくっついている。

言葉を話すが口はなく、耳触りはいいがどこか本質を感じさせないその声は頭に直接流れてくる。

 イラストで見るとただのチープなキャラクターだと思うだけだろう。

が、実際にこうして動いているとめちゃくちゃ気持ち悪いというか不気味というか。

 またその飛ぶ姿も異様だ。

羽があるのに全然動かしていないのだから。

いや、時折バサッと羽ばたかせるのだが、どちらかというと忘れていたからテキトーに動かしましたって感じで腹が立つ。

それに合わせたか同じタイミングで尻尾がクネクネと揺れるからあからさまにわざとやってますといった感じだ。


「あの、導師。デイジーも。なんでここにいるんですか?」

美乃はネチネチと文句を話している導師と呼んだ美少女に恐る恐るといった風に尋ねた。

 導師。

そう、この小さな少女といか幼女は美乃にとって魔法の師匠だ。

出会ったのは、4月頭。

そこでとある事件が起こり、またとある事情で泣く泣く美乃は導師に弟子入りした。

それ以外には生存の道がなく我が身可愛さに屈したのだ。

以来2人は師弟関係を続けている。

お互い本当に嫌々だか。

 導師の隣にいる悪魔の名はデイジー。

導師の使い魔だ。

デイジーは高度な魔法を使うことができる珍しい悪魔だという。

魔法を使う修行は主にデイジー主体で行われるため実は導師よりも交わした言葉は多い。

実際使う魔法はあり得ないほど万能性の高いものばかりなので優秀なのだろう。

そんなデイジーは基本的に導師のそばから離れず、下僕のように付き従っている。

 美乃が質問をすると導師はフンと鼻を鳴らした。

「知れたこと。僕らが小屋に戻ったらもぬけの殻だったので、貴様の気配を辿ってきたのだ。てっきり人生を悲観したお前が脱走でも計ったとわくわく期待してきたのだが…またつまらん奴に絡まれおって!」

「ちょっと待ってください!さっきも思いましたが今までの事件が全て私のせいみたいに言うのはやめて下さい!!半分は確実に導師のせいなんすよ!」

 少なくとも半分は、だけど。

心の中で最後の言葉に付け足した。

「なんだとっ!ゴミの分際で僕に責任転嫁するか!死なすぞ貴様!!」

 酷すぎる言い方だ。

チンピラっぽいし。

ストレスで頭が痛くなる。


 導師と出会ってからの約3週間。

本当にキツく、温室育ちの美乃にはまさに地獄だった。

正直思い出したくもないが忘れたくても忘れられない。

 昨日までにあった事件のうち(導師に出会った日を除いて)2回は美乃の幼馴染み、奏がきっかけになり巻き込まれたものだ。

 だがそれ以外は違う。

 ひとえにこの導師の[暴走した好奇心]のせいだ。


 それは出会って3日たったあの日。

きっかけは毎度お馴染み奏に言われて行った小さな池の祠。

半魚人が出るとかなんとか噂が広まったらしい。

通学路から少しだけ外れた場所だったので一応の様子見をしに行った。

 結論から言うと半魚人はいた。

正確に言うと昔話にでてくる妖怪とかの半魚人ではなくイプピアーラという種族の獰猛な悪魔だった。

だがその時点では問題はなかったのだ。

導師曰く野蛮な個体が多い種族らしいがその子は大人しく、住まいである祠に来た美乃にも何もせず立ち去るように言ってきた。

家に帰った美乃は導師にそれを報告した。それが間違いだった。

あろう事か導師はヘタレのイプピアーラなんて珍しい。ヘイト系魔法かけたらどうなんの?と言ってきた。

そして本当にデイジーにやらせた。

ヘイト系というのはゲームとかでよくあるあれに近い。

対象の悪意や憎悪を煽り、且つ興奮状態にする精神操作系魔法だ。

案の定イプピアーラは暴走した。

導師は一通り笑った後、いきなり落ち着いたかと思ったら「思ったより普通でつまらん」と言って祓った。

美乃は自分の師匠が最低過ぎて、終始絶句していた。

つっこんだらこっちに火の粉が飛んできそうだから黙っていたのもある。


 次がまたひどい。

つい5日前の事。

導師が突然「貴様の師匠やるの飽きたのだ」と作品の根本を揺るがすことを言ってきたのだ。

さすがに美乃とデイジーにつっこまれた導師は拗ねて暇つぶしを探しに行ってしまった。

数時間後。

旭ノ学園付近にあった墓地跡で封印されていたケルベロスという魔獣を放ってしまった。

曰くなんか面白そうだから特別な理由はなく解放したそうだ。

明らかこれまで見てきたことのない巨大な魔獣。

この時点で腰を抜かした美乃を含む一行にケルベロスは言ってきた。

封印を解いてもらった礼に一夜で人類を滅ぼしてやる、と。

そんなに待ってらんないし、やる事にセンスがなくてつまらんと言った導師が祓った。

悪質クレーマーも真っ青な鬼畜っぷりにドン引きもいいところだった。


 見た目は完璧すら超える天使。

だが性格は傲慢で横暴。自分以外の全てが玩具。

精神年齢が低く暴力で全てが片付くとか考えている乱暴者。

その上飽きっぽいわりに理性よりも好奇心や欲望のままにで突っ込んでいく。

過去それのせいで盛大に酷い目にあったにも関わらず一切反省しないのだから死んでも治らないのだろう。

要するに色々頭が残念な美少女こそが美乃の師匠なのである。

 美乃の至極真っ当な抗議に癇癪を起こした導師だったが、少しすると暗闇での不自由さが嫌になったようで美乃とデイジーに帰還命令を出した。

導師のわがままに辟易とするが、美乃としても一刻も早く帰りたかったのでこの命令はありがたい。

先程の悪魔がいなくなったとはいえ夜は異形の存在と頻繁に会いやすい時間だ。

性格がフォローしようがない程最悪でも戦闘能力だけは高い導師と帰れるのは安全ともいえる。

 途中電子辞書を取りに来たことを思い出して美乃が引き返し(教室の鍵はデイジーに魔法であけてもらった)、導師が怒るなど細かいアレコレはあれど3人はそのまま美乃の家へと帰路についた。


 帰宅した自宅は近隣の家々とは違い、暗く静まり返っていた。

母はまだ帰宅してないのがわかった。

仕事が忙しい母が事前の予定がない帰宅は稀だから驚きはしないのだが。

 玄関の鍵と戸を開けた美乃は中には入らず、導師にどうぞと声をかけ道を譲る。

なぜなら。

そうしないと怒るからだ。

 衣服の質の良さや用意する教材から導師はとても裕福のようだった。

そのせいか人に仕えられる事を当然としているところがある。

 その一つで導師は自分で扉を開けない。閉めない。

普段は使い魔のデイジーが開け閉めしている。

 前にデイジーが導師のおつかいに出かけて美乃と2人きりの時があった。

美乃の部屋に入る横幅1人分の廊下を導師、美乃の順で進んでいた。

扉の前に立ち止まりドアノブをじっと見つめる導師に対して、美乃は「入らないんですか?」と聞いた。

振り返った導師はまるで何を言われたのかわからないと言うふうに目を見開いた後、思いっきり舌打ちをした。

そして細い足を上げ、爆弾が目の前で爆発したような音を立てて扉を蹴り飛ばした。

導師はそれが当然というように扉を蹴破る方法を用いて、部屋に入っていったのだ。

部屋の奥の窓まで吹っ飛び、くの字になった扉だったものを見て美乃は多少癇にさわろうがドアは開けてあげるのが正解だと悟った。

 導師は戸を開けた美乃を一瞥することなく家に入っていく。その様は凛としていて絵画のようだった。

真っ白なブーツのヒールがフローリングと高い音を奏でる。

靴を脱がないのはこの家が海外仕様のライフスタイルを採用しているわけではない。

導師の身につけているワンピースやブーツ、ローブ等の小物に至るまでそれぞれに高度な魔法がかかった最高品質なものという。

これは着るものによってサイズが変わる、破損しても時間が経てば直る、そしてたとえ泥水にダイブしようとも外的要因で汚れや匂いが一切つかないなどという機能がついているそうだ。

よって導師のブーツはその純白の白さにして汚れの一つもない。

汚くないのでそのまま家を歩いていても問題はない、というのが導師の考えだ。

それでも美乃の気持ち的にはヒール靴で家を縦横無尽に闊歩されるのは微妙なところで脱いで欲しいと頼みたい気持ちである。

もしこれがまともな思考回路の相手なら。

 導師が進んでいくのを確認しながら美乃は自宅に入る。

こういった時デイジーに先を譲る事はしない。

 美乃の密かな悩みなのだがこの使い魔との距離が掴めない。

デイジーはとても強力な魔法を数多く使えるし、普段からプライドの塊のタイガが連れ歩いている以上美乃なぞ比べ物にならない実力なのがわかる。

実際美乃を見下す態度をチョイチョイとってくる。

性格は導師よりずっと常識的だし会話も通じるが、導師の暴力的な行動や高圧的な態度には一切注意することはない。

暴力に関しては手伝うことすらある。

こう考えると美乃にとって導師同様、下手に出るべき相手に感じる。

だがそうしないのはこの一団はあくまで導師基準であるためだ。

自分本位の導師にとって役に立とうが好感度や付き合いの長さ、それらは大した問題ではない。2人?は同じ下僕なのだ。

実際美乃はデイジーを呼び捨てで呼び、時折ツッコミを入れているが導師がそれによって機嫌を悪くしたことはなかった。

導師が気にしなければデイジーも気にしない。

コミュ障の美乃としては、この対応方法に答えがない感じが落ち着かないがわざわざ謙る必要もない。

 美乃が靴を脱いでいるとデイジーも尻尾で扉を施錠しながら家に入ってきた。

当然脱ぐ靴なんてないのでそのまま導師の近くに飛んでいく。(そもそも足がない)

特別広いわけではない家の中では大きな羽を持つデイジーには手狭だ。

 脱いだシンプルなローファーを玄関の隅に置くと美乃も2人の後を追った。

既に部屋についている、自室に入るまで追いつくことはなかった。

 部屋に入ると夕方帰った時とは違い、普段通りの光景があった。

 先程まで精々4、50㎝のビーチボール程度の大きさであったデイジーが1mは超える大きさに膨らんでいる。

羽や尻尾の大きさは先程のままで対比して小さく見えた。

導師はそんなデイジーの顔部分に優雅に足を組み腰掛けていた。

デイジーの顔はまるでとても柔らかいクッションのように導師の身体を包む形で沈んでいる。

それは人間にも大人気の【人をダメにするクッション】に似てた。

その導師をのせた物体はプカプカと浮いている。

 遅れて入室してきた美乃に視線だけを向けた導師は、丸みの残る幼児特有の顎をくいっと動かす。

これは【座れ】だ。

生まれて14年。人の下僕になった経験がない美乃にはこういった指示に馴れるには時間がまだ足りていない。

ただあまりに自然に行われるそれに抵抗感がなくなってきている今日この頃であった。

 導師が指定した場所に正座する。

浮かぶ導師の少し前、つまりバリバリ床だ。

別にいいが。


床に腰を下ろす美乃に向けて導師は冷たい目線を向けてくる。

捕食される前の草食動物の気分だ。

「それでは言い訳を聞かせてもらおうか?」

先に口を開いたのは導師だった。

どこか興味なさげな声で仕方がないから聞いてやると言ったふうな書き方である。

主語がないその質問に対し、美乃は首を傾げた。

「言い訳とは?」

「惚けるでない。さっきのシュルガットの雑魚だ。なぜあんなに興奮状態になるまで苛めたのだ?酷い奴め。」

「苛めてません!ていうかシュルガットってさっきの悪魔ですか?私はいきなり襲われたんですが」

 大体虐め云々を導師に言われたくない。

その一言はグッと堪えて口に出さない。

 そこから美乃は深夜の学校に行った経緯、悪魔に出会った事を説明した。

導師は終始つまらなそうであったが、なんだかんだ黙って聞いていたのでそれなりに興味はあるらしい。

「部室で奏から聞いた話だと夜になると生徒を驚かしてるだけの感じでしたが、あんな風に襲ってくるとなると今まで怪我人が出なかったことが不思議です。正直あんな見た目が現れたらもっと騒ぎになると思うんですが…奏の話とは別件というわけでしょうか?」

「たわけが。そうではない。…しかしまたあの文屋の小娘か。面倒くさい…。デイジー。」

『はい、タイガ様。来い(リマ・ヴレィニ)。』

導師の主語のない命令を受けたデイジーは呪文を唱えた。

同時に魔法が発動し、美乃の勉強机に置いてある黒い魔法書が深い紫色の光を放つ。

1度ゆっくり高く浮かび上がったそれは、あっという間にタイガの真横に飛んできた。

そこまできても紫の光は消えない。

縦に向きを変えた本は、パラパラと音を立て自らそのページを開いた。

沢山の英語と1つの挿絵が描かれている。

その絵は先程見た魚と山羊に似た悪魔に酷似している。

ただ先程の悪魔にはなかった長い髭と尾のトゲが生えている。

「シュルガットは帝国の森林に生息している第3階級悪魔だ。固有能力として結界や鍵の解除が得意なやつらで、夜の暗闇を好む。人を食う事はあるが戦闘力の低さから食っても死体くらいだ。攻撃性は極めて低い。聞いた話だと木の実の方が喜んで食うらしい。」

導師は横目で魔導書の挿絵を眺めながらシュルガットの説明をする。

落ち着いた口調は彼女にしては珍しく、師匠然としていた。

「貴様の前に姿を現したのは貴様の魔力に反応したからだろう。奴らはクソ雑魚だが固有能力が中々便利だから魔族との契約も多いのだ。仲間が来たと勘違いしたという可能性は高い。」

「…私話かけた途端襲われたんですが。」

「貴様のことだ。無礼な態度をとっては怒らせたんではあるまいな?」

「とってませんよ!!」

(導師じゃあるまいし)

「煩い喚くな。だとすると仲間と思ってでてきたはいいが魔力の高さにびっくりしたとかだろう。」

言い掛かりともとれない言葉につい興奮してしまった美乃は、導師に冷静に諭され恥ずかしくなる。

普段振り回される立場だけあってそれが反転すると精神的ダメージがある。

「それにお前の顔を見て驚いたのかもな。気分を悪くするレベルの醜さだから無理もない。うえってなる。」

こんな悪口にも突っ込めないほどだ。

いや、導師としては悪口を言っているつもりはないのだろう。

先程まで同様ただ事実を言っているようだ。

うんうんと1人いいこと言った感を出す導師にジトっとした視線を飛ばすがどこ吹く風だ。

こういうメンタルの強さは素直に尊敬できる。

実際は無神経なだけだが。

「…じゃあ、なんか悪い事しちゃいましたね。」

「あん?」

「だってこっちが驚かしたのに殺しちゃったわけですし。」

美乃が話の途中から湧いていた感情。

罪悪感ともいえるもの。

確かにあのシュルガットには襲われはした。

だがそれで確実に美乃の命が失われていたかはわからない。

罪で問うなら過剰防衛だが、心境的にはさらに重い。

導師を責めるつもりは毛頭ない。お礼を言い忘れてしまったが助けてもらったことに感謝してる。

だからこそ自分自身に責任を感じてしまう。

が。

「阿呆が。たわけが。殺しとらんわ。」

「はい?」

「雑魚が僕のシマでオイタしてたからちょいとこずいただけだ。魔力の含まない掌底打ち如きでは魔力の塊である悪魔にダメージを与えることはできん。何度も言っただろう鳥頭。」

「え?え?じゃぁあの悪魔生きてるんですか?」

「何度も言わせるな。死ぬどころかピンピンしてるわ。それこそびっくりして転移魔法で逃げただけだ。」

耳を疑う。まさかの予想外であった。

この数分潰れそうだった心の重みが行き場を失った気分だ。

確かに前にエネルギー集合体の悪魔は物理攻撃は効かないことは聞いていた。

つまりははやとちり、だ。

美乃は安堵感を感じながら、開いた感情を誤魔化すようにため息をついた。

「ま、まぁでも、大丈夫ならいいです。それに普段は大人しい悪魔なんですよね?不便だけど私と導師が夜学校いかなきゃいいわけですし。」

導師は誤魔化しきれない笑みを漏らす美乃の顔をつまらなそうに眺めていた。

次の瞬間彼女が見せた微笑みは本当に天使のように優しかった。


「さぁ、どうだかな?」




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