???視点 1
ストーリー構成、またキャラクター設定を見直していて更新が遅くなりました
「あーあ、雨宮春樹を殺すところまでは良かったんだけどな〜。まさか転生途中に邪魔してくるなんてなぁ。やっぱりあいつの理を終わらせる能力は厄介だよ。でもま、これで雨宮春樹とシャファルが混ざってひとつになったし、僕の器としては申し分ないかなぁ」
何も無い、真っ暗な空間の中でひとつの意思がこれからのことについて独り言をこぼしている。
「でも、あの場にはなかなか上質な闇に心覆われた人間がいたし、しばらくの間、僕の仮の器にはいいかもねぇ。幸い、あと2人は権力に凝り固まったジジイ共の対応でいないし、あいつはひとつになったシャファルを警戒してる。今なら邪魔されず転移出来るね」
今は邪魔されないチャンスだと思い、これ幸いと着々と転移の門を作り上げていく。
転移する際、扱いやすいように【増悪】【残虐】【悪逆非道】【無慈悲】などなど思いつく限りの悪心を門に書き込んでいく。
「んー、でもすぐに僕が入って外に出たらすぐにあいつは来るだろうし、しばらくは1人で行動できるようにスキルでも与えておくかな。でももうあいつのときみたいな事にならないよう僕に従ってもらうようにしなきゃね」
そこからさらに門に【絶対服従】【魔物創造】【魔物操作】【魔族化】を足していく。
さらに書き出そうとしたところで文字が書けなくなった。
「あ、もう魔力が無くなったのか。たった千年ぽっちじゃこれが限界かぁ。まああらかた欲しい能力は書けたからいいや」
転移門を起動させるためには魔力が必要なため、自身の崩れかけた身体の一部を切り取り、魔力へと変換し、門に流し込んでいく。
「今度こそ、このアルカディアを絶望に染め、僕の理想郷に。君も絶望に染めてあげるよ、ユウキ」
そう言い放った時、転移門から闇のような光が放たれ開門する。
門からは17歳程の男が出てくる。その男の目は絶望に染まり復讐を願う、犯罪者の様な瞳だった。
「やあ、よく来たね。いきなりだけど一緒に絶望を与えない?君だけが不幸に、絶望に染められるこの世界に」