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3話 初めての魔物

 ランバードを仕留め、ちょうど近くにあった洞窟を今日の寝床にし、ランバードの血抜きを始めようとして、洞窟の近くでやると血なまぐさくなる事に気づき離れにあるいつも体を洗うために使っている湖まで移動する。

 ランバードの首を切り、逆さに吊るしてついでに体を洗うために湖に魔法を使う。


加熱(ヒート)


 湖のいつも体を洗っている端で魔法を唱える。

 ちょうどいい温度になったら魔法を止め、浸かるために服を脱ぎ、サラシも外し、平均サイズであろう胸が顕になるが特に気にせず入る。


「ふぅ···気持ちいい〜♪」


 日本の知識を手に入れてから毎日お風呂──お風呂と言えるかは微妙だけど──に入るようにした。

 魂が混ざってから毎日お湯に浸からないと気になるし、自身が臭わないか心配だからここ最近は毎日お風呂に入っている。

 たっぷりと擬似お風呂を堪能し、そろそろ血抜きが終わる頃だろうと思い、湖から出て魔法で水気を飛ばしサラシを巻いてから服を着る。その頃には日が暮れ始めたため急ぎめで洞窟へともどる。

 洞窟の近くまで戻ってきたら事前に集めておいた枯れ木を精霊魔法「着火(ファイア)」で焚き火をする。

 火の勢いが落ち着くまでランバードを食べやすい大きさに切り分けて木で作った串に刺し、火が落ち着いた時を見計らい、切り身を焼き始める。

 森の中に肉の焼けるいい匂いが充満する。

 本来なら匂いを嗅いだ魔物達が集まってくるから匂いを飛ばしながら焼かないといけないが、この森には魔物がほとんどいないため気にする必要はなかった。

 焼けたと思われる串を手に取り、1口齧る。


「はぐっ···!美味しい。でもやっぱり塩や胡椒見たいなスパイスは欲しいなぁ」


 わがままを言いつつも、生肉は保存出来ないので全て焼いて食べていく。

 仕留めたランバードは小さめのサイズで、1羽では成人男性の腹は膨れないだろうがシャファルは少食なため、腹を満たすには十分な量だった。

 全て平らげ満腹になり、眠くなって洞窟へ入ろうとした時に草むらからガサガサと音がなり、慌てて弓を構える。

 数秒後、音を出していた正体が姿を現す。


「赤い···スライム?」


 姿を現した赤いスライムからは敵意のようなものは感じない。それどころか私を見つけると嬉しいような、ようやく見つけて安堵したかのような気配がしたので構えを解く。

 念の為【神眼】を使い、見たい情報だけ見る。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

種族 加熱(ヒート)スライム LV 1

説明

 ティア湖の中で汚れや微生物を捕食しながら生きていたスライム。

 毎日加熱魔法をかけられたことで魔法体制を取得し、加熱だけだが魔法を使えるようになったことで加熱スライムに進化した。

 シャファルの汚れが美味しかったため、シャファルを主人とし、従魔になった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 自身の汚れが美味しかったため、主人とされていることを知り、orz状態でショックを受けるシャファル。


「ボクの汚れが美味しかったって、そんなにボク、汚れてたのかなぁ···グス」


 そうやって涙目で落ち込んでいると、落ち込む原因のスライムが心配したのか慰めるようにシャファルの手に頬(?)を擦り付ける。

 そんな愛らしいスライムの行動に胸をキュンとさせられ思わず抱きしめてしまう。


「勝手に落ち込んだりしてごめんね、それに慰めてくれてありがとう」


 そう謝罪とお礼を言い、地面へと下ろす。


「それじゃあ、ボクについて来るの?」


 そう聞くと肯定するかのように擦り寄ってくる。その愛らしい行動に思わず撫でてしまうのは人の性なのだろう。


「分かった、それじゃあこれからよろしくね。それじゃあ今日はもうお休みするからこっちおいで」


 そう言って共に洞窟の中へ入り、眠るためのハンモックを準備する。

 準備し終えるとスライムを抱き、ハンモックで横になる。


「それじゃあおやすみ、ええっと···スイちゃん」


 おやすみと言ってからまだ名前をつけてなかった事に気づきスイと名ずけてから眠る。

 こうして初めての魔物との邂逅はシャファルの従魔になったことで終わりを迎えた。

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