表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/5

2話 シャファルの過去

 地上を歩くランバードと言われる野鳥を見つけ静かに弓を引き、ランバードが動きを止めた瞬間──射る!

 射った矢はズレることなくランバードの頭へ真っ直ぐ飛んでいき、ザシュッと音を立てて刺さる。


「ゴゲッ」

「やった!今日の晩御飯ゲット♪」


 転生から数日後、いつものように食べられるものを狩りながら今日の夜を過ごせる場所を探していく。

 そんな中、つい考えてしまう事はどうしても前世の記憶を思い出したあの日の事だった。



 つい口から一言を零してから数分後、このまま行動しなければ餓死するだけだと思い、現状把握のため異世界に来たら言うべき最初の一言──もう二言目だが──を口に出す。


「ステータス」


 すると目の前に半透明なボードが現れる


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

名前 シャファル 年齢 16 性別 女

種族 ハイエルフ LV 16

体力 3800/3800

魔力 266000/266000

スキル

弓術 短剣術 精密狙撃 気配察知 精霊魔法 料理

ユニークスキル

神眼 精霊化(封) 精霊憑依

称号

??? 転生者 悪魔の子 始祖精霊の落とし子

装備

大鬼角の短刀 精霊樹の長弓

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 うん、何からツッコもうかな?

 名前や年齢、レベルは普通だけどなんなの種族ハイエルフって。

 エルフって耳が長かったり尖ってたりするもんだろ。俺の耳は普通に丸いぞ。

 それになんなのこの魔力量。体力の約70倍っておかしいだろ!比較対象がないから多いのか少ないのか分からんが絶対多いだろこれ。

 ユニークスキルも効果はだいたい想像できるが念の為、とりあえずタップしてみる

【神眼】

 あらゆるものを見通す眼。見るものによっては魔力を消費する。ただし未来を見ることは出来ない。

【精霊化(封)】

 ハイエルフの中に流れる精霊の血を目覚めさせ精霊になるスキル。

 今は使用できないよう封印されている。

【精霊憑依】

 契約した精霊を憑依させ、能力をあげることが出来る。

 憑依させる精霊によって身体の一部が変化する。


 うん、チートスキルだな。

 神眼は未来が見れないでバランスをとっているんだろうがそれでも便利なスキルだろう。

 精霊化は封印されてて使えないみたいだが使えるようになればかなり強力そうなスキルだ。

 精霊憑依の身体の一部が変化するって部分が怖いな。下手したら憑依させる精霊によっては即死するとかありそうで積極的に使おうとは思えないな。

 それよりも称号だ。転生者は分かるがあとの2つ──???は最初に調べたが結局?しか出なかった──はよく分からないためタップしてみた。

【悪魔の子】

 同族と特徴が違い、自分たち種族に災いをもたらすとみなされた者に付けられた蔑称。

【始祖精霊の落とし子】

 フォレストエルフと始祖精霊との間に生まれ落ちた子。


 フォレストエルフ?それに災いをもたらすだのなんだのとは何だ?と思い、記憶を探れば雨宮秋斗とは違う記憶がある事に気づいた。



 母である始祖精霊の血が強く出たのか分からないがフォレストエルフが森で生きやすくなるために長くなった耳ではなく、普通の人のような耳を持ち、全てとはいかずともあらゆるものを見れる眼を持っていて、初めは集落の皆は「神童」や「祝福された子」と喜んでいてくれたらしい。だが、母は私が生まれて3年後にどこかへ行き、それから10年後に父が流行病(はやりやまい)で亡くなった。

 それからというものは父という守り手が無くなった私に村のみんなは私を利用しようと迫ってきた。

 私が使う精霊魔法は村の人達より何倍も強かったし、精霊に好かれていたから初めは私にお願いすると精霊が叶えてくれるというジンクスがあったから同年代の友人やその弟妹が「好きな人と付き合えますように」とか「おなかいっぱいごはんたべたい」などなど、特に問題になるようなことはなかった。

 ただ長老を含む大人達は私の力を侵略のために使おうとした。

 私は父と交わした「力があるからといって、傲慢になったり人を傷つけてはいけない。これはお父さんと約束だよ。」という約束を守るために何度も拒絶したがしつこく付きまとってきたあげく、果てには痺れを切らして私を襲ってきて、傷つけられ隷属魔法をかけられそうになった時に当時仲の良かった精霊が怒り、集落で暴れてしまった。

 私は何とか精霊達をなだめたが時すでに遅く、何人かは死んでしまった。

 その頃から私は【悪魔の子】と言われるようになった。

 信頼していた人達にも悪魔の子と呼ばれるようになり、そう信頼していた人達に呼ばれるのが辛く苦しくて、それが嫌で私は逃げるように集落を飛び出した。



 なるほど、自分達が利用しようとしたあげく手を出したくせに、自分達に被害が出れば私を非難すると。とんだクソ野郎達だな。

 などと考えているとある事に気づく。シャファルという少女が死んだという記憶はない。ならその意識はどこに行ったのだろうか。

 二重人格···ではなさそう、なら俺の意識、俗に言う魂がこの体に入ったためはじき出されたのか?

いや、だいたいの異世界転生の話ではステータスは魂と結びついてるもの。それに地球には精霊どころか魔法さえないからこんなスキルを持っているはずもない。だからこの説もない。

 そこまで考えてから突拍子もない、しかし胸にストンと落ちる仮説を口に出す。


「もしかして······融合···してるの?」


 その時、雨宮春樹としての意識は消えた。

後の展開を考えた結果、主人公の名前を秋斗から春樹に変更しました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ