メガネと僕
メガネ。
二つのレンズが連なった視界矯正用具。度の強さもそれぞれ。
以外に頑丈。だが簡単に壊れる時もある。
価格もピンキリ。おしゃれフレームが流行り。
伊達メガネと、レンズなしのファッション用、このふたつは断じてメガネではない。
そんなメガネ。
メガネとは。メガネとは。メガネとは。
僕がいくらか説明すれば説明できる代物。
それがメガネ。
僕。
二組の手足がある二足歩行の哺乳類。平均的な身長のやせ形の日本人。
よく地味とか量産型とか言われる。十九歳の大学生。
選挙とエッチなコーナーには行ける。お酒とたばこは禁止。
どんな髪型、服装、趣味、嗜好、行動であろうが、そのすべてが僕である。
そんな僕。
僕とは。僕とは。僕とは。
僕がいくら説明しようが説明できない代物。
それが僕。
メガネと僕の出会いは三年前。
油断していた僕は、裸眼の特権をなくしてしまった。
晴れてメガネ族の仲間入りだ。
気付かぬうちに歪んでいた僕の世界は、メガネによって修正された。
晴れ渡る青空。照り付ける太陽。青く光る海。悠久の自然。
どんな美しい景色も僕の目には正しく届かない。
メガネが見た世界だ。今の僕の世界は。
メガネなしでは生活もままならない。
そんなメガネと僕。
朝七時、目覚めるとメガネをかける。自動的に出かけるまでのルーティーンをこなす。
大学に行く。真面目に授業を受ける。時間になったらバイトに行く。決められた作業をこなす。夜七時、自動的に帰宅後のルーティーンをこなす。就寝前、メガネを外す。
以下繰り返し。
メガネが僕の指針となる。メガネのように僕は生きている。あーなんて楽な生き方だろうか。
メガネに五感のひとつを明け渡しているのだから当然だ。メガネ任せも悪くないものだ。
そんなメガネと僕。
それがメガネと僕。




