戦闘
「スンスン。妖精のにおいだなァ。おイ!いんだロ!出てコイ!」
一番豪華な鎧を着たゴブリンがあたりを見渡しながら叫ぶ。
妖精が僕の顔を心配そうに覗いている。
(もう、こうなったら妖精に加勢するしかないかもな…)
「(エルって今魔法使える?)」
「(ちょっとなら使えます。)」
「じゃあ…」
鎧を着たゴブリンたちに一匹のゴブリンシャーマンが近づいてきた。
「アア?てめぇ、ダレダ?」
「妖精を探しているようだったからな、捕まえてきたぞ。」
ゴブリンシャーマンは手に妖精をのせ鎧を着たゴブリンたちに見せた。
「オオ!よくやったなオマエ!これで俺が次期長ダ!」
豪華な鎧を着たゴブリンが妖精をゴブリンシャーマンから奪いとった。
「オマエ使えるナ。俺の側近にしてやってもいいゾ!」
「ははは。ありがとう。じゃあ、オヤスミ。」
豪華な鎧を着たゴブリンが急にバタッと倒れる。
「オマエオヤブンニナニシタ!?」
後ろにいたゴブリン達が倒れたゴブリンに駆け寄る。
「【止まれ】。なんか思ってた以上にうまくいったな…」
ドスンッ
「やっぱこいつ経験値多いな」
ドスンッ
「魔法系あんまやったことないけどこんな火力でないのか」
ドスンッ
「あと一体だな」
ドスンッ
「よしっ。これでラストっと」
ドスンッ
「ふぅ。こいつら硬いんだよ。まぁその分レベルも上がったしラッキーだったな」
「あのぉ、大丈夫でしたか?」
木陰に隠れていたエルがこちらへ飛んでくる。
「?うん。見ての通り。うまくいったよ」
「そっ、そうですか…」
エルが少し困惑しているような不思議な表情で視線をさまよわせている。
僕は豪華な鎧のゴブリンを解体しながら笑顔で話す。
「もう少しで準備できるから待っててね。」
「は、はい…」