猶予
(人間と手を組んでいるだろうゴブリンたちと組むか…だな。)
「もしよければ…私と一緒にあの村のゴブリンたちを説得していただけませんか?人間との関係をなくすように、と」
妖精は治ってきた体を動かし、上目遣いで話しかける。
(どちらにせよ妖精についていったほうがいいか)
「わかったよ。もしかしたら人間たちに唆されてるだけかもしれないしね。でも君のけががもう少し治っ手からにしようか。」
「いえ、大丈夫です。あなたのおかげでもう飛べそうですし」
妖精がパタパタと翼を動かす。
「行きます。ついてきてください。」
「うん」
妖精についていく。
(さて、まず妖精側につくメリットは、大妖精に会える可能性が上がることかな。妖精は専門外だけど生命魔法との相性はいいしね。あとは…アレが手に入ることだよな)
「そういえばまだ名前を聞いていなかったですね。私はエルって言います。あなたは?」
「ん?あぁ僕は、スタークステンっていうよ。ステークって呼んでほしいかな」
「わかりました。スタークさん」
「うん。ありがとう」
妖精は先ほどと同じように少しふらふらとしながら前を行く。
(んで、ゴブリン側につくメリットは、メイトブーストがもらえることと、統率スキルを成長させれること。人間と交友ができるかもしれないことかな。)
そんなことを考えているうちに、妖精が立ち止まった。
「ちょっと止まってください。…あの村のゴブリンです。」
妖精が指さした先には、斧を背負い、鎧を着たゴブリンが4匹ほどいた。
すぐに妖精とゴブリンたちから離れるように大きな茂みに隠れる。
「おい、なんか変なにおいしがしネエェカ?」
…ちょっとやばいかもしれない。