妖精
「やっぱり妖精だ」
所々光が差し込む森の中で見つけた赤い光の正体は妖精だった。幸いにも、まだこちらには気づいていないようだ。妖精にばれないように少しづつ、少しづつ近づく。
近づいてみると、石の上に横たわっているように見えた。どうやら、けがをして飛べなくなっているようだ。
(出血状態の妖精?何かのイベントでも発生したのか?)
妖精は分類上魔物で、ゴブリンの仲間分類になる。
野良のゴブリンが、妖精と一緒に行動していることを見たことがある。
(ワンチャン友好的に行けるか…?)
妖精の後ろの茂みから姿を現す。
「大丈夫ですか…?」
できるだけ圧迫感を与えないように話しかける。
「ヒッ…」
妖精は怯えた表情でこちらを見た。
スッと抑えた手にはあふれた黄色い血が見える。
「大丈夫。危害を加えるつもりはないよ。」
目線を合わせ、子供に接するように接したのだが逃げるように後ずさる。
「あ、あなたたちは、私たちをどうするつもりですか…?!」
逃げられないと悟ったのか、怯えながらも据わった眼でそう叫ぶ。
(???なんか勘違いしてないか?もしかして…俺以外のゴブリンに何かされた?)