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成長種

 (こ、ここは?)

 目が覚めると森の中にいた。寝る前の記憶は…ある。

 確か「Unlimited adventure end」をプレイしていて…そうかこれが異世界!!


 「ウッギャー!!ギ、ギ、ギギーギ!(よっしゃー!!これだ!俺の待ち望んだ世界!)」


 え?何今の声。気持ち悪っ。

 もしかして……


 「ヴァギャ、ギギググ(俺の声、なのか?)」


 はぁぁぁぁぁあああああ!?






 (よし、落ち着いた。ところで俺は何の種族なんだ?それによってチャートは変わってくるんだが…)

 自分の体をよく観察してみると、全身が緑で腰ミノをつけており、しわしわな手には木のステッキがあった。

 (緑色亜人かトロール…いやステッキを持ってるし、手がしわしわだから魔法型の雄ゴブリンか)

 「Unlimited adventure end」におけるゴブリンは多少の知性を持ち、他種族の雄や雌を森の巣に持ち帰ってきて、繁殖をする魔物だ。そのため、他種族からはヘドロのように忌み嫌われており、人間種族で遊んでいた頃はよく冒険者ギルドで討伐依頼を見かけた。

 また、ゴブリンはその特性上繁殖力が強く、「ゴブリンは一匹いたら百匹いると思え」と言い伝えられている。

 プレイヤーとして操作する際には生活があまり安定せず、種族柄頭もよくないので、生産系ビルドは向かない種族だ。

 公式では初心者向けと言われていたが、「Unlimited adventure」の仕様をよく理解していないとゴブリンで生きていくのは難しい。だが、使用を理解している人間がプレイすれば……面白いことができそうだ。

 


 さて、一通りの確認は終わったし、現状の確認をしようか。

 森の中で一匹、持ち物はステッキだけ。目視できる範囲に人工物はなし。周囲は薄暗い森に囲まれていて、探知ができない以上とても危険な状態だ。


 狩りの途中に群れからはぐれた個体なんだろうか?にしては荷物がなさすぎる。持っているものがステッキだけって。森なめすぎだろ。

 うーん…悩んでても仕方ないか。最低限魔法の確認でもしよう。打てるのかな?

 まずは、


 「火の粉!」


 …何も起きない。

 こんな感じで全属性試していこうと思う。



 覚えている属性を唱え続けて約二分。俺もしかして魔法使えない?神殿が近くにあればすぐステータス見れるのになぁ。とか思っていたら、一つだけ使えた。


 「…暗黒!光線!二重![腐れ]!…っつ!」


 目の前の木が少しだけ黒みがかった。

 どうやら俺は、混合属性の生命属性にしか適性がないようだ。

 それに魔法を使った瞬間に強い倦怠感があった。今のゴブリンの状態だとMPが足りていないのかもしれない。


 生命属性は樹、水、光、混沌の属性が合わさったもので、最上位というカテゴリではあるが魔力消費量が半端じゃなく、言葉の説得力を増す[言霊]という魔法ぐらいしか使えなかった。

 「生命単体か。[合成]が使えるまではメインで使わないとな」

 魔法の確認もできたしこの体の持ち主の集落に挨拶でもしに行こうか。



 木に登って人工物を探す。背の高い気が生い茂る樹海は、想像していたよりも遥かに広く、得も言われぬリアリティがあり、ここが現実ではないということを暗に伝えていた。

 空には赤い太陽が煌々と浮かんでおり、樹海全体に影ができていた。何かあっても気づくのは難しそうだなと思った。


 「ん?あれって…」

 なだらかな丘に苔の生え茂る直径五メートルぐらいの岩穴を見つけた。

 「俺の集落…じゃないよな。ゴブリンの集落っぽくない。てことは…」

 俺は岩穴に向かって走り出す。雑多に生え落ちるツタをステッキで掻き分け、大きな岩を登って進む。

 不幸中の幸いか、持っているのがステッキ一本なのでスムーズに岩穴まで行くことができた。

 自分の体の5倍くらいの岩穴の中を覗き込むと……いた。


 「ジャイアントミルワームだ。食料、ゲットだぜ!!」




 《進化条件:ゴブリンシャーマン(成長種)を達成》

 27体のジャイアントミルワームを倒し、レベル15に到達したとき頭に声が響いた。

 「よっし!ゴブリンシャーマン!…なんだ?この成長種って」

 初めて聞く種族区分に疑問を抱く。

 (普通なら亜種、とか真種とか出てくるところだよな成長種っていうのは聞いたことも見たこともない。もしかしてゲームの時との変化があるのか?)


 「考えても仕方ないことか。進化!<ゴブリンシャーマン(成長種)>」

 体中からポリゴン状の光があふれ、進化が始まる。


 ボゴッ、ゴギッボキッ

 てーてーてーてれててれててー

 

《ゴブリン→ゴブリンシャーマン(成長種)に進化》


 進化はすぐに終わり、確認のため身体を見下ろす。

 「痛みは特になかったな…身長とかはちょっと伸びたぐらいか」


 能力面はどうなんだろうと思い、ちょうど近くを通りかかったジャイアントミルワームに向かって右手を差し出す。


 「えーっと、とりあえず言霊からためすか。[止まれ]」

 ジャイアントミルワームの動きがぴくっとし動かなくなる。 

 「[言霊]でMP切れしない程度にはなったか」

 動けないジャイアントミルワームにとどめを刺し、洞窟の外に出る。


 「結構時間経ってたな」

 木々の間から見える光は少しずつ赤みがかっていることが分かった。

 とりあえず森の中を少し探索しよう。今求めているのはこのゴブリンの群れor強敵対策の特殊異常持ちの植物だ。

 そもそも生命魔法特化の俺はソロ戦闘向きではないため、同レベルのモブですら逃げることぐらいしかできない。

 状態異常持ちの植物があれば気休めぐらいにはなるだろう。

 

 歩きながらそんなことを考えていると、水の流れる音が聞こえた。

 水の確保か。そこらにある川だと病原菌を持ってる可能性もあるんだよなぁ。ゴブリン病原菌体制どのくらいあったかな?

 水の流れる音がするほうに歩いていくと、不自然に光る赤い何かを見つけた。

 「これって、もしかして…」

感想をいただけると幸いです。

*・言霊は使ってる間ずっとMPを消費します*

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