戦闘
あれは…ハウンドドックの群れ?
ハウンドドックは三位一体となって行動するオオカミのような魔物だ。
高い連携力でプレイヤーを翻弄する。足が速いので全英を無視して光栄を襲ってくるため後衛の天敵となっている。
ゲームでは平原や洞窟などで上位種などと合わせて出てくる。
そのハウンドドックがなぜこんな森の中に?
三匹のハウンドドックは鼻を鳴らしている。
スンスン。スンスン。
だんだんこっちに近づいてきている。
…くるっ!
一番近くにいたハウンドドックは茂みに隠れた僕を見つけた途端、とびかかってきた。
僕は小手のついた左手をかませてハウンドドックの頭を地面にたたき落とした。
ドンッ!僕の体ごと持ってかれた。まずい…
「ガウッ!ゴウッ!」
一体が僕の首に、もう一体は僕の足にかみついてきた。
「【腐敗】!」
僕は三匹のハウンドドックに…ではなく僕の上にある僕ほどの大きさがある木の枝に腐敗を掛ける。
僕の体を噛んでいたハウンドドック達に当たるように全身を動かした。
ハウンドドック達は異変に気付いたのか、離れようとするが、足と手に噛みついていたハウンドドック達が、鎧から牙を抜くことができずに衝突する。
ズドンッ!
かなりの高さから落ちてきた木の枝は、僕とハウンドドック達を巻き込んで、落ちる。
「痛ってぇ!」
ハウンドドック越しにも伝わる衝撃に思わず声が漏れる。
ハウンドドックを振り払い、顔を上げるとうまく致命傷を逃れたハウンドドックがふらふらとしながらも僕に背を向けずに後退していた。
昏倒してるならテイムできるかもな。