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朝陽が美しいことを伝えられない

作者: ずかしよいつま

朝日が美しいと感じられる心を持っているけれども、忙しい毎日に忙殺されて、家族にすら伝えられなて、とりあえず現在の生活を文章で表現して見ました。

早朝5時、車のキーを回しエンジンをかける。狭い駐車場を出てすぐ左折、大通り・・・かなり東京のはずれであるはずなのに、結構混雑する悩ましい通りだ、混雑を回避するためには早めに移動するに限る・・・に出て、川の方へ向かう。

川沿いの道を港の方に向けて車を走らせる。荷物を集荷する倉庫は40キロほど離れている。1日のガソリン代の半分はこの移動で使ってしまう。経費は自分持ち。エンジンはいつもと同じように回っているが、3気筒のうち1気筒はイグニッションコイルがいかれてしまったまま直せていない。直すお金がない。お金を貯めると違うところが壊れてしまう。騙し騙し動かせるところは直さないまま、いつかダメになるまで使ってしまうのだろう。

すまないな。と車に謝りつつ、ハンドルを握る。早朝だけあって、メジャーな幹線道路でもスムーズに進み、一時間と30分くらいで倉庫付近に到着する。契約では8時から業務開始なはずだが、実際は集荷作業が混み合い、一時間前の7時から始めないと仕事が終わらない。7時から始めても終わらない時もあるくらいだ。残業代は出ない。

いわゆるブラック企業と言っていいが、運送業の8割で、当たり前の状態だ。あるいは正社員な残業代も支払われているのかもしれない。正社員ではないのでわからない。正社員はブラックではないのかもしれないが、僕らのでてくる早朝から帰宅する時間にまで椅子に座っている部長のような人間を見ていると正社員だろうとブラックな環境に見えてしまう。この人等もピッキング作業などの現場作業に混じっていることを見ているので、真面目な人間であることはわかるのだが、そもそも日当2万円以下で非正規雇用を利用している時点でおかしなことをしていると思うが、仕方のないことなのだろう、そうしなければ自身の立場がなくなってしまうのだ。

ちなみに僕の日当(日当と呼ぶのは雇用側であり、僕ら個人事業主からすると売り上げになるのだが)は1万8千円弱、ガソリン2千円強、昼飯代など経費を差し引くと、1万5千が粗利、実働11hと考えると時給は千円強、労災などないし、保険も自分もちということを考えるとバイトより部が悪いのではないかと思う。

なんでそんな仕事を続けるのか、いろいろな理由があると思うけれども一番の理由は面倒くさいから。多分。会社員として会社の行事や人付き合いがとてつもなく面倒になってしまった。鬱になったというのもあるし、僕の場合、別の原因もあるのだが、やはり人と関わるのを避けていきたい。それがこの仕事を続ける理由だと思う。


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ー爆発はロマンだ。いやそこじゃないー

クレバスを見つけ、足場を作りながら、あるいは壁を崩しながら、下へ下へと降りて行く、鉄のツルハシは準備済みだ。溶岩ではなく水場に向かって落下する。手っ取り早く底にたどり着く。ダイヤの光が見えた気がする。ゾンビを倒し、モンスターが寄らないように松明で周囲を明るくしながら、安全を確保して行く。

残念、ダイヤではなく、金だったけれど大切な資源だ。きちんと回収しなくては。作業台と仮のチェストを作り、採取を始める。単純に採掘したものが自分のものになるのは楽しい。楽しいので夢中で採掘する。コツコツコツコツとツルハシを振るう。ツルハシには耐久値があり、ある程度使用すると壊れてしまう。亡くなった時に再度作成するための作業台だ。鉄鉱石は精錬して鉄のインゴットにしておく、その段階を経ないと道具として使用することはできない。採取して作る。これがこのゲームの基本だし名前でもある。炭石であかり、木から棒、鉄鉱石から鉄のインゴット、棒と鉄のインゴットで鉄の剣や採掘に使えるツルハシが作れる。木でも作成できるが、採掘できないものがある。木で石を、石で鉄をという感じで順番に採掘するものが広がって行く。鉄が採取できるようになると道具の幅が広がるようだ。剣があるからには防具もあり、自分をモンスターなどの攻撃から守ってくれる。頭を守るヘルメット、体を守るチェストプレート、下半身を守るレギンスとブーツ。とりあえず遠出、冒険をするにあたって、一通りの装備を鉄で固めるとだいぶ生存率が上がる。


コツコツコツコツコツ。トスン。

後ろで何かが落ちた音が聞こえたような気がする。ジジジジと火薬の燃える音がする、

「あ」

振り向くと、クリーパーが爆発するところだった。リスポーン。

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同じドライバー達は概ね善人だが、運転すると性格が変わる、どうしようもない小悪党である。もちろん僕も含めて。

仲間が荷物を崩してしまった時などは助け合うことはあるけれど、車を停める位置など譲り合いをしていては仕事は終わらないし、路駐も平気で行わなければ、儲けはない。必要悪、とドライバーの誰かが言った。


ホームに車は止められないので、倉庫前に路駐して、台車を下ろし、前日の持戻り分を台車に乗せて、不在置き場まで運び、台車を置いて、2階の事務所で当日分の集荷リストと伝票を受け取る。集荷リストと伝票を付け合わせる。集荷リストと一緒に注意事項のようなプリントが配布される。

大抵ドライバーへの注意だ。ちなみに宅配ではドライバーですらなく、サポーターと呼ばれ、たいていのクレームはサポーターの責任にされる。

・タバコ臭いというクレームがありました。車内は禁煙です。

・集荷作業の際に仕分けをせずに、自分の荷物だけピックアップしていってしまうドライバーがいます。今後そのような行為が見受けられた際には事務所の出入りを禁止することがあります。

・トナーの回収指示があるのに回収しないケースがありました。もう一度トナー回収のマニュアルを参照し、回収の声かけをお願いします。


こんな指示は話になかったけどな、と思うようなプリントが紛れるが、はいはいわかりました、と心で頷き、伝票を確認、回るルートを考えつつ並び替える。伝票を組み終えたら、リストに従って集荷を始める。ちなみに宅配はすでに伝票のいらない措置が取られ始めている企業もある。企業間取引なら何とかシームレスにできないものかと考えてしまうが、ドライバーの意見を聞く体制はないし、そもそも労使交渉権はない。そのための非正規雇用であって、荷主とドライバーは取引相手でしかない。ドライバーの選択肢は続けるか、やめる、しかない。

そんなことを考えながら、近隣の地区を担当する他のドライバーに挨拶をしつつ、配達する荷物を集め始める。


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ー多勢に無勢、いや逃げるのが、あるいはいろいろなことが、下手なだけー


採取して作る。これこそこのゲームの極みだ。だって名前がそうじゃないか、基本的には先に書いた通り、採掘を行うが、動物からも色々得られる。肉はもとより食料として、皮はほんの材料になったり、羊の毛はベッドとして寝床を確保できる。鶏の羽から矢を作成して、遠距離攻撃を行える。

とはいえ、作ることについては、センスが必要になってくる。僕の場合はその辺が微妙で、

自宅は採取した石を積み上げただけの箱だったり、地下を掘って松明をつけただけの地下室だったり、どうにも動画投稿者のような綺麗な家は作れない。ベッドを作るためハサミを作って、羊を探し毛を刈る。鶏を増やし食料の焼き鳥と羽で武器となる弓を作る。基本的なことはできるが、建築センスは壊滅的だ。

さらにアクションの下手な僕は、相手も抵抗されると怯んでしまう。例えば、剣でゾンビと対峙するとすぐに囲まれ殺されてしまう。リスポーン。

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概ね行くところは決まっているが、新人さんのフォローや休暇を取ったドライバーの分が含まれたり、カサの問題で車に乗り切らなかったり。そもそも、オフィス用品というカテゴリの配達なのに、飲み物が含まれたりする。大手の宅配の場合は、1つの荷物が軽いので、一度の集荷でほぼ車いっぱいに荷物を載せるが、企業の配達では、コピー用紙やこの飲料のおかげで重さが先に超過状態になるため、カサは概ね荷台の8割といった具合が多い。稀に比較的軽い荷物が重なり、助手席に乗せないと間に合わない場合もあるが、月に1、2回というぐらいだ。宅配に比べれば件数は少なめになり、1日約50件を午前午後の2便で回る。

宅配の場合、1個あたりの金額で給金が決まり100から150円の戸建が多く、少なくとも80個は配らないと、日当1万円を超えない、回りやすいエリアや拠点の近くならともかく、月40万を稼ぐのは100人いたらせいぜいその3割の30人以下だ。不在も多い。

一方で僕の選んだ企業配では、戸建での契約はない。あくまでも覚えれば、だが、ルートはほぼ固定され、企業の活動する時間帯に配達するので、不在はない。はずなのだが、企業の範囲がなかなか微妙でビルの管理室や、個人商店も含まれ、実際は1日に何軒かは不在が存在する。

日本の運送業の特徴らしい。不在・配達不能については、某外資系企業が置き配を推奨している。というのもアメリカではこれは当たり前で、不在という概念・仕組みがないらしい。日本の大手宅配の頭をかかえる課題の一つだろう。倉庫に保管するにしても本来であれば保管料を取るべきでもあるが、もののコストに対していくらの保管料が適切か、ということもある。顧客からすれば、昼間は働きに出てしまっているということもある。

宅配ボックスはマンションであれば必須な備品となっているが、そもそも宅配ボックスに入らない、ということもあった。実際に宅配をすると本当に日本人は働き者だな、と思ってしまうほど、在宅率が低い。ドライバーも稼げない職業ではあるけれど、ほとんど他の業種でも同じ状態になっているようだ。

話が逸れてしまったが、宅配よりは件数は少なく、ルートもほぼ固定されるので、少しだけ悩む量が少ない、、、気がしている。

とりあえず個人宅の場合夜の9時くらいまでは配達が大丈夫ということで、労働時間が朝の6時7時から夜の9時までというおかしな時間設定に対して、企業の配達の場合は、名目上、朝8時から夕方6時30までという設定になっている。この点も宅配より少しはらくかもしれない。実際は週初めや月初は朝の7時から夜の8時くらいまで動かないと、荷物が増えるばかりである。時間制限があるのが逆に悩ましい。そして重い。実はコピー用紙だけの配送というものもあるが、1度これをやってみたが一発でぎっくり腰になった。


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ー大切なもの、それさえ失ってー


エンダーにまだ到達していない、そのため便利な器具を手に入れられていない。そして僕の整理能力はゴミだ。昔はうまく整理できていたと思うが、家族が増え、家族のぶんだけ所有物が増えた現在、家族に対して言えるほどの整理能力はだんだんきえていった。おいつかなくなった、ということもあると思う。そんなわけで、チェストの中は、カオスになっている。せめて鉱物や植物、動物やモンスターなど採取もとに分類しようとして見たけれど、作りたい道具や器具、冒険に行くことを前提とすると、どうしても必要と思われるものをまとめてしまう。そもそもレベルをうまく上げられていないため、防具のエンチャントが不十分だ。

苦労してようやく手に入れたシルクタッチのツルハシも水中呼吸のヘルメットも溶岩ダイブで全ロスしてしまった。リスポーン。

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基本的に車両トラブルのフォローはない。

一度バッテリー関係のトラブルで、残り5件というところで配達不能に陥ったが、近くのドライバーに引き継ぐことはしてもらえず、事務所の人間が引き取りにくる、という形になった。社員はそこまで配達しないのか、、、とも思ったが、ルールや形態にとらわれてしまっている業界では融通の効かない対応しかできないのが実際という感じだ。自分の業務外のことはしない、情けは無用、それが現代のセオリー。

顧客に詫びの電話を入れて、保険会社に連絡を入れ、レッカーを待ちながら、タバコをふかした。トラブルには前兆がつきものであるが、結構関係ないことをそのように捉えてしまう。当日朝から風邪気味だった。金曜日なので、1日頑張ってしまえば、休みだ、そう思って少し無理をした。その時点で判断ミスだたかもしれない、車のバッテリーの電圧が少し低いことに気づいてはいたが、休みに入ってから車屋に持っていけば、大丈夫だろうと思い、マスクをして、大きめのスポーツ飲料を買って水分補給を十分にすれば1日持たせる、そう考えて仕事をしてしまった。体がだるく、熱も上がってきたようだが、あと少しで休める、そう言い聞かせながら、最後のエリアまで運んだところで、車のエンジンがかからなくなってしまった。気がつくとバッテリーの電圧が10ヴォルトを下回っていた。

去年の秋に別のトラブルでバッテリーを交換したばかりなのに。。。腑に落ちないまま、事務所に電話をかけて、指示を仰ぐ、歩いて配達できるところは5件中3件で、台車を持って、最近の某宅配さんのように配達した。配達を終えて車に戻ったところで、緑のおじさんたちがきてしまい、車を離れられなくなってしまった。車両トラブルでこれ以上は配達できない事情を話したところ、事務所の人間が自分の車で引き取りに来る、ということになった、その車でジャンプしてエンジン始動できないか、とも思ったが、JAFを使うか保険を使うかしてくれと先に言われてしまったので、仕方なく、保険証を取り出して、内容を詳しく確認する。とりあえず道路脇でとまったことは少し運が良かったかもしれない。

昔バッテリー上がりで電話したところ、場所が高速だったためか、対応できない、と言われて、ひどい目にあったため、あまり期待せずに、調べたが、1回だけなら保険料の範囲でレッカー移動してくれるという記載を見つけて、早速電話した。30分くらいで到着するということで、暖房の切れてしまった車内でレッカーを待つ。

「バッテリーじゃなさそうですね。」

携帯用のバッテリーでエンジンを始動しながら、レッカーのドライバーは話す。発電していない、つまり、このまま走ってもどこかで止まってしまう、ということだった。仕方ないので、地元の工場に運んでもらうことにする。幸いなことに、交通費が保険でまかなえるらしい、ただし1000を超える分という条件がつき、実際に1000円を超えなかったため、交通費は出なかった。そういう小さな不幸にはほぼ必ず見舞われるのは、体質なのではないかと思えて来る。なんというかよく計算されているな、と思ってしまった。

熱もかなり上がっていて、正直自宅までレッカー車で車と共に運んで欲しかった、動きたくなかったが、仕方なく電車を使って帰宅する。夜7時、電車が込み合う時間だ。そして、担当するエリアは品川の駅周辺なので、否応なく混んでいた。ぼーっとしながら、乗り継ぎを調べ、新宿を経由して、地元への電車に乗った。痴漢に間違われないように、端っこに窓に向かって寄りかかる、座りたかったが、残念ながら譲ってももらえず、熱が上がりホテル顔を窓につけて人を見ないようにした。ガラスの無機質さと冷たさが心地よかった。

翌日、レッカー移動した車の修理を依頼し、見積もりをお願いして、自身は医者へ行く、インフルエンザだった。

「1日仕事しちゃったじゃないか、、、」

マスクはしていたが顧客先でウィルスをばら撒きながら仕事をして、さらに前日、バスの運転手が40度近い熱を持った状態で人身事故を起こしたニュースを耳にしていたので、危うく2の舞を踊るところであったことを悔やみつつ、さらに悪いことが重なる現実に打ちひしがれながら、とにかく体を休めることにする。事務所へ動けない旨の連絡を入れる。

最悪の場合、契約を解除されることが考えられたが、そこまで酷くはならなかった、しかし、代行車両の手配により、自分の金額との差額は、こちらに請求が来るということだった。容赦のないことだ。


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ー自動化という夢を追いかけてー


けんけんちが足りない。そんなわけで経験値トラップというものを作った。ゾンビの湧くスポーンブロックというものが地下のどこかにあるらしい。クレバスの底の方に見つけた炭鉱の中にそれは存在していた。スポーンブロックの周りでモンスターが発生する。一旦。モンスターの発生するのを松明で防ぎ、周りの環境を整備し始める。水流でゾンビを誘導する。バケツで水を汲む、状況がわかるようにガラスで構造物を作り上げて行く、かまどはフル回転で砂を焼き、ガラスを作る、融通の利かない僕はかまどを複数作ればすぐに準備が整うことに気づかず、トラップの空間を作ったり、リスポーン地点とのつなぎの線路を作成したりして、材料の準備を整えた。ガラスを積み上げ、水源を重ねる。ガラスを積み上げる。足場を作る。ゾンビの死なない程度の落下のダメージが与えられる高さまで。

完成したトラップの下で、瀕死のゾンビがたまるのを待つ。溜まったら、剣で一振りすれば、大量の経験値が転がり込んでくる、そんなカラクリだ。

ゾンビがたまるまでには時間がかかるので、液晶を消して、パソコンだけ起動したまま、ホットケーキを焼いたりして待つ。動画投稿者たちは一晩そのままにしたりするらしい、しかし翌日仕事が待ち構えている身分では、そんな暇はないし、一日中放置して置けるほどパソコンの性能も高くない。ジャンク部品をかき集めて作ったオンボロだ。CPUは業務用とされるXEONというものを調達したものの10年も昔のものだ。その他パーツ全て合算して3万円に届いていない。マザーボードはもちろん、グラフィックカードも全てジャンク品を漁った。新品なのはストレージであるSSDだけだ。これさえ最近はM.2なるさらに速度の上がった製品が主流となってる。こんなパソコンだが、ゲームをしながら動画を見たりすると落ちてしまうため、とても放置する余裕はない。多分電源をケチらなければそれなりに持ちこたえられるのかもしれないが、お金がなくなってしまった。余裕ができたら信頼できる電源に変更しようと思っているが、結局今まで変えられていない。

ニュースを見ながらホットケーキ食べて、コーヒーを飲み、さてそろそろかな、とパソコンの前に戻って画面を開くとこんな文字が表示されていた。リスポーン。

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幸いにも発電機の手配はスムーズに進み、車の方が先に戻ってきた。働けなかった分の日当は7万を超えた。月の売り上げは34万なので、今月は27万ということになる。あくまでも売り上げだ。ガソリン代などの経費を引くと20万を少し超える程度、バイトより低い。そして、これでもドライバーとしてはましな方・・・現実はなかなかに厳しい。

これでも生活して、それなりに文化的に過ごせるなら文句はないが、障害者をかかえる人間にとっては、そして自分自身も足を突っ込んでしまっている状態では、結局借金を重ねて行くしか生きる方法がない。個人破産して、生活保護を受けた方が楽かもしれないが、家族がなかなか首を縦に振らない。見栄。


熱でだるい体で寝返りを打ちながら、考えても仕方のないことを考えてしまう。車も修理できない。妻の障害も治せない、自分が悔しくて仕方ない。


とりあえず時間が少しできた。夜の9時過ぎには家に帰れる、そこから深夜まで何かできる副業をする。

あるいは休日も土曜日には走れるので緊急便を受けてもいい、と考えたが、実際にはそんな上手い具合に緊急の仕事は舞い込んでは来なかった。



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ー慎重に進めたのに、欲を出したばかりにー


ログを確認してみるとゾンビに殺された、と出ている、そしてガラスが割れて水がジャボジャボ流れている。状況からするとクリーパーが湧いて施設を破壊し、溢れたゾンビが僕のアバターを殺したらしい。理不尽。まぁそういう設定なのだから、仕方がない。施設を修復し、クリーパーが湧く可能性のある部分をしらみつぶしに消して行く。動画投稿者たちが1時間足らずの動画でいとも簡単に作っていた施設を2週間もかかってようやく完成させた。途中、ゾンビに殺され、エンダーマンに殺され、欲を出して材料を用意する時間を待つ間に、採掘をしていたら、溶岩を浴びた。リスポーン。

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話は変わって、建築現場も企業に分類されるようだ、彼らもドライバーと同じようなガテン系よろしく、そもそも事務所にいない。

3度目の配達でようやく、渡せるなんてことはざらだった。

まぁ現場事務所なので、現場にいて、事務所には不在なのが当たり前なのかもしれないが。

ちなみに意外かもしれないがマンションの管理室も不在率が高い。あるいは上手い具合にいない時間に配達に来ている、ということもできるが、これで警備になっているのか、という疑問を抱いてしまう。警備員からすれば、警備以外の仕事が多い、ということであるようだ。掃除や備品の調達で忙しくて警備室に常駐できない

大きなマンションやビルの警備室なら複数の人員がいるためそういう問題はないかもしれないが。


コピー用紙にしろ、飲み物にしろ、数本のボールペンにしろ、荷物が顧客の手に渡って行くことには、少し喜びを感じる。普通に感謝されるからだ。当たり前の話だが、業務を遂行する上で必要なものを注文し、それをわざわざ持ってきてくれるのだ。当たり前の人間であれば、「ありがとうございました」という言葉が出てくる。

こちらも笑顔で「またよろしくお願いします」と答える。周りきれないほどの荷物は一つ一つと減っていき、空き箱を残して配達を終わると、「仕事を一つやり遂げた」という実感がある。


細かい荷物はオリコンに積んで整理する。折りたたみコンテナの略だと思うが、これは貸与品だ。倉庫のものを借りているわけだが、これも嫌がらせなのか、最初気前よく貸してくれたものに、慣れた頃に、これは倉庫作業でのものなので、空きダンボールを使ってくれということで取り上げられてしまった。

畳もうと思えばダンボールでもたためるが、そのように設計されたものと違い、強度も低い。積みづらい。

そんな嫌がらせを厚顔無恥で行うのが運送業界の掟、ただの善人では生き残れない。単純に数に限りがあるから、ということでもあるかもしれないが、そんなことはいちいち説明しない。下請けの業務効率など二の次なのだ。

こういう小さなマイナス感情が積もって仕事を辞める原因になるとも思われるのだが、なんというか改善されない事象だ。

整理能力がないドライバーが悪い。ということにしておくのだ。

さらに、当初の募集では代引きはない、ということだったが、1週間目を過ぎた頃に、1日に1件ずつ代引きを忍ばせてくるようになった。

見ない伝票が混じっていたので、問い合わせると、それは代引きの伝票で、伝票と現金が引き換えになるということだった。

ここでそんな話は聞いていないと断ることもできたかもしれないが、やめてもらって構わない、と言われるかもしれない、ということで、そうですか、と返事する。これはイケナイ対応かもしれないけれど。

・・・労働のいい点を記そうと思って少しいい点を書いてみるのだが、悪い点が多すぎて、すぐに頭から離れていってしまう。人間というのは悪い点の方がよく見えてしまうものらしい。

先人はいう、これでもよくなったのだ、我々の時代はもっと大変だったのだ。これも少しはあっていることかもしれないが、自分がした苦労を他人にも、ということになり、実際はデメリットの多い理屈だと思う。実際は、未来の世代に負債を背をわせているにすぎないことが多い。


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ー宝さがしと浪漫譚ー


他人のいないゲームの世界は自由だ。広すぎて隅々まで冒険に行くとすると一体どれだけの時間をかけられるだろう、時々最低限の装備で海を渡ってみる。海の中には沈没船があり、たまに宝の地図がある。最初に見つけた地図では、宝箱が発見できず、ひたすら掘り進めた結果炭鉱を見つけて、これが宝ということかな、と考えたがググってみると違っていた。地図のばってん付近を2、3ブロック掘り進めたところにチェストがあるらしい。ようやく見つけたチェストの中には、馬の鞍と海洋の心という正体不明の物体が入っていた。

さらに海を進むと、最近実装されたキツネに出会った。はてキツネというのは海を渡る動物だったか、と思った。そしてイルカが飛んで勢いで地面でジタバタしていた。浮遊する島のようなブロックを見つけたので、砂を積み上げ登ってみたけれど、木が生えている以外に何もなかった。日が落ちるのを眺めて、コンピュータのゲームの世界も悪くないな、などと思っていたら、スケルトンが現れて、矢でいかけられ、ノックバックで落ちてしまった。リスポーン。

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日本人のほとんどは、訴える、ということに対してかなりのコンプレックスを抱える。単純にわからない、知らない、面倒くさいからだと思う。そして「裁判沙汰」というニュースでの言われ方によるものではないか、あるいは親が子供の教育の際に、裁判沙汰に、警察沙汰に、ということを嫌うためだろうかとも考える。

怠惰とも言えるかもしれないが、実際、仕事が忙しくてそんな暇はない、思い至らない、団体交渉権もない。

要するにブラック企業がのさばってしかるべき状態が、きちんと整い過ぎている。企業が悪い企業が悪い、というけれど、その企業で働くのは同じ人間であることに変わりはない。不平等、差別を行なっているのは、その普通の人間だ。要するに人間が悪い。


などと社会的なことを考えつつ、愚痴をこぼしつつ、動いていると、顧客への対応がおろそかになる。。。悪循環にはまってしまう。きりがない。


からになった荷台を少し眺め、一服してから午後便の荷物を取りに行く。昼飯を食べる暇は、あるといえばあるが、大抵の場合ご飯だけ食べてすぐに走り始めないと終わりが見えなくなってしまうか、後にしわ寄せさせるしかなくなってしまう。

午前便が午前にきちんと終わったことは3ヶ月やって1度だけだった。

まぁそれでも午後便の準備が整っていない場合もあるので、午後2時に戻れば十分御の字なのではある。倉庫は倉庫で荷物の準備、仕分けが忙しいのだ。


午後も基本的には同じコースを走る。大抵の会社は17時に終わってしまうため、午前よりも少ない荷物になることが多い。午後に代引きが来ることはない。配達完了したら、直帰OKとしているため、精算が翌日になってしまうのが理由だと考えられるが、正確なところは不明だ。代引きは店舗か個人商店がほとんどだ。大きな企業は口座引き落としが当たり前であり、金額が個人が持ち歩くには大きいこともある。であれば代引きなど、サービスとしてはやめてしまえばいいのに、とドライバーとしては思ってしまう。ただドライバーと顧客のやりとり、ドライバーと事務所とのやりとりが手間なだけではないか、コスト削減も見込めるし、昨今のキャッスレス化の波に乗ればいい話である。問題は、対象の個人商店が狭すぎる道に存在するので、駐車に時間を必要としてしまう、というところだ。道を塞ぐ。この必要悪は精神的にかなり疲弊するものがあるが、個人でどうこうできることではない。日本の道路事情ではどの運送屋も思っているところだろう。

ちなみに後日、ないと思っていた午後の代引きをやらされた。後日精算でも問題なかったらしい。


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ー閑話休題、ゆっくりしようとしたけれどー


ゲームシステムを勘違いする、ということは説明書をよく読む習慣のない僕はしょっちゅうで、ロールプレイングゲームという種類のゲームが世間で流行り始めた頃、とあるゲームでストーリーが進まない事象に出会ってしまった。実際はストーリー上、逃げるためのアイテムを手に入れて、そこから逃げる、というあくまで設定されたイベントだったのだが、そこに存在する中ボスっぽいモンスターを先に倒さなければならないと勘違いをしてレベルを上げまくり、実際に倒せるようになって(本来倒してはいけない)中ボスを倒し、マップを進めてしまうと人々は口々に「・・・・」を連呼した。喋れないという何かクエストみたいなものかと勘違いしたが、なんだか辻褄が合わない、そう感じて、本屋で攻略本を立ち読みした。

中ボスは船を手に入れて回避し、戦わないらしいことを突き止めた。スライムを倒し続けて最強になりました、というようなラノベがあったみたいだが、実にそんな具合に、その後出てくる出てくる中ボスたちを一撃で倒してしまい、ロールプレイングゲームというのはなんとも言えない可笑しさがあるな、とここでも勘違いした。そんなわけで、この手のゲームでは慎重にレベルアップをする気質なのだけれども、アクションが下手くそすぎて、レベルは常に20を下回り、やっと見つけた水中呼吸も溶岩ダイブでロストしてしまった。以降、未だに水中呼吸を入手できていない。そのため海の中の探索は、まだできていない。何か別の手段で手に入れられないか、と考えて釣りをして見たが、近づいていたクリーパーに気づかずに、見事爆死した。リスポーン。

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狭い。道が狭い。とにかく狭い。異様に狭い。あまつさえ通れない道もある。Googleマップはよくできているが、時折、これ車は通れないな、という道をナビゲーションされることがある。歩行者が迷惑そうな顔をしている。実際迷惑だ。

すいませんオーラを発しつつ、車を後退させる。駐車できそうなスペースを探し、台車で荷物を届ける。当然だが時間を必要とする。

配達の仕事は、ガテン系で、体も使うが、頭も使う。ルートの作成だ。

最初のうちはどの住所も初めてばかりで大まかなエリアでしかルートを組むことができないが、覚えてくれば、かなり時間の短縮ができる。それができてようやく一人前とも言えるかもしれないが、狭い道、一方通行、駐車禁止、顧客の都合のい時間帯などを考慮してルートを組んでようやく仕事がスムーズに進められる。

僕はすごいうまくはないがそこそこできるぐらいで、2週間ほどかかってようやく夜の7時台に仕事を終えるようになり、1ヶ月経って、やっと夕方6時台に終われるようになった。ただし、月初や週の初めは荷物の量が多くてやはり夜の7時を超える。

車の調子が普通ならもっと早く運べるか、、、少しだけ早くなるかもしれない、実際に坂道で速度が伸びなくなる、というか置いていかれる程度しか速度が出ない、ギヤが下がってもそもそも力がない。治れば少し改善するかもしれない。

そのほか、自分自身、結構間違える、カバーする行為というのは大抵、戻ることになるので、ロスになる。そもそも鬱になった時点で、こういう業界に向いてないのかもしれない、なんというか後遺症のように1日に1度は何かを忘れる。

大抵自分の財布だったり、ボールペンだったり、カバーのできるものが多いが、伝票だったり荷物だったりすると大きなロスになる。

自分の責任ではあるけれど、テンションは下がり、精神的に辛くなる。こういうのが続くと、また鬱になってしまう気がする。


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ー初心に戻ってー


ブランチマイニング、僕はものを数えるのが苦手なので、風車型ではなく普通のブランチマイニングをしている。リスポーン地点からすぐ近くに縦穴を掘り、梯子をかけて、11ブロックのところにちょっとした倉庫を作り、そこからひたすら掘りすすめる。最初はダイヤを見つけたらすぐに掘ってしまっていたのだが、動画の中で「幸運」という自分には無縁のエンチャントで採取すると多めにもらえるらしいことがわかると、シルクタッチのエンチャントのついたツルハシでダイヤモンド鉱石を集めることに切り替えた。しかし前述の溶岩ダイブでツルハシをなくしてから、採取できていない。そして「幸運」のエンチャントもレベルが低すぎて付与できていない。まぁそれでもいつか、と思いつつ、ダイヤモンド鉱石を1スタック(チェストの中でのヒトマスで保持できる量、ダイヤモンドは1マスで64こ、鉱石を保持できる、ダイヤモンドは1つの鉱石から複数取得できるので、鉱石のままの方が効率が良い、あくまでも幸運エンチャントありきの話であるが)集めてしまった。もう1スタックくらい集めたいな、と思っていた頃にシルクタッチを失った。

そんなわけでダイヤを見つけても採取せずにここにダイヤがあるという印(印といっても、松明を設定する位置を反対にしておくだけだけれど。)をつけておくにとどめている。レベルアップをしなくては。

とはいえ、掘って掘って掘りまくり、鉄やラピスラズリを集めていくのは、なかなか楽しい。現実も同じようにお金を集められたらな、などと考えていると、溶岩を掘り当ててしまい、勢い余ってマグマダイブをしてしまう。リスポーン。

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人はどうして鬱になるのか、当たり前のように毎日考える。僕の理屈では、鬱になった友人や僕の状態を省みると、一番の原因は人との摩擦である。僕はそう考える。間違っているかもしれないけれど。

結果的に人が恐ろしくなり、家を出なくなってしまう。太陽を浴びないとさらに症状が悪化する。言葉がうまく話せなくなってしまう。言葉をうまく話せなくなるのには、多分いくつかの原因があると思うが、一番の原因は情報の食い違い、ごかいだと思う。

人と人との会話において、100%意思が通じる、ということは多分ない、実際に問題のないやりとりで80%というところだろう。根拠はない。半分くらいしか意思通じてなければ摩擦が生じる、Aという情報において、ある人はA’といいある人はA-といい、僕はA+だと認識してしまうと、正しさの伝達は8割ぐらいではなかろうか、あるいは僕が認識できない事柄に対して、ある人は認識できていて、そこを指摘しているのに、僕がわからない、と答えるのは、ある人にとってマイナスである。逆にプラスに受け止めてくれれば問題のないことではあるが、問題が起こる時には、マイナスな事象が働く。こんなことがあった、僕はかなり多めの荷物を持って顧客に納品しようとしたところ、「この荷物はここじゃない」と言われたので、車に戻ろうとしたところ、「いやいや検品は必要でしょ?」と言われる。「は?」となる。

僕は少し混乱した。要するに、この荷物はうちで検品するけれども、納品は別のところです、というところを、そもそも納品先を間違えたと勘違いしてしまったと思って車に戻ろうとしたのを、さらになに戻ってんだ、と行き違う、それだけで、僕も相手も怪訝な雰囲気になってしまった。人間の会話の問題は結構根が深い。ちょっとした会話の不備、コミュニケーションエラーで互いに悪い印象に陥ってしまうのだ。説明の仕方が悪い。その一言で済ませたい気もするが、知った顧客ほど、陥ってしまう状況でもある。そういう時は何も言わないで済ませようとすることが多いが、これもストレスになる。

基本的に人間同士の問題は正直に話し合えば大抵の問題は解決することが多いものではあるが、その話し合いができなくなるのが鬱に代表される精神疾患であると思われるので、困ってしまう。特効薬はない。僕は薬をやめて体を動かすようにして、家を出るようにして、ようやく抜け出せた。あるいはまだ抜け出せていないかもしれない。そして妻は抜け出せていない。


まぁそんな風に解釈している。もう一つ言えば、一目見る、という行為でも人の個体差が出てくる。なんの個体差かというと、取得する、認識する情報の量の差だ。料理や掃除をすることについて妻はほとんどの場合において僕より下手くそだった。勉強ができない、というのもこれに比例するかもしれない。要するに提供される教材に対して、そこから学ぶ能力に欠けるため、うまくトレースできずに失敗する。今現在動画サイトを見れば大抵の料理の動画が存在する、もちろんプロでないとうまくできない料理もあるけれども、大抵の料理は真似をすれば同じではないかもしれないが、それらしいものは作れる。僕は動画を見てなるべく同じようにトレースしているだけ、ということでも、彼女は実践できない。動画なので止めたり再生したりすればいいのだが、それでも失敗する。

必要な情報を得られていない、もしくは何かしらの情報を必要な量得られていない。学ぶ能力が低い、とも言える。目が悪いというのも一因ではあるが、同じ映像を見ても、取得量は人によって異なる。これはテレビのクイズ番組などを見ればわかることだが、現実でこれを目の当たりにすると、人はすぐに下手くそ、と罵ってしまう。フライパンの捌き方とか、目分量とか、少々とか言っているものの実際の量、細かい違いが認識できない人には認識できない。情報量の違いによって味に差が出てくる。大抵は見た目だけの差、あるいは少しの味の違いで済んでいるかもしれないが、それでも学び方の下手な人間にとっては大きな差となって出てきてしまう。それを「可愛い」で済ますか、「勉強をしよう」で済ますか、「んだよっ」と罵るか、接し方でも摩擦は起きてくる。真面目な人間は、自分はダメなやつだ、と考え、前向きな人間は、努力すればいい、と改めるかもしれないし、めんどくさがりは、興味ない分野なので、と言い訳するのかもしれない。

コミュニケーションエラーと相手を下すと結果的に悪くなっていくし、今度は直そう、協力するというとゆっくり教育していくのが賢明だ。とはいうものの、料理の下手な妻のフォローとしては、週末家に帰って、残り物の整理、ダメになった食材の片付け、掃除のやり直しなどなどと、大きな負担としてのしかかってくる。実際に無駄なコストが積もりに積もって僕の家族は借金にまみれてしまった。僕が職につけなかった期間もある、そして、障害認定されている妻の給料は時給300円だった。父のしていた月給3000円の民生委員といい、日本の福祉とは一体、、、と考えさせられてしまう数字だ。


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ー現実にはないゴールドラッシュー


黄金狂時代なんてチャップリンの映画にあったけれども、ダイヤモンドよりも金ばかり取れる。なんの話かって、もちろんブランチマイニングの話だ。まっすぐに鉄のツルハシが壊れるまで掘る、2マスおきに枝に当たる部分を掘っていく、実際は逆に、満遍なく、あるいは効率的に掘っていく過程で枝のようになているので、ブランチ何だろうけれど、ブランチマイニングがいい、と先に教えてもらってから実行しているので、そのようになる。そこから数えて10ブロックか11ブロックあたりにダイヤモンドが生成されている確率が高いらしい。数えて9、10、11ブロックの3ブロック分の高さを掘りすすめる、右利きのせいか左側の松明をつけていく、モンスターが出現しなくなる。脇潰しというやつだ。字が違う。湧き潰しだ。動画によっては、クレバス、洞窟を散策した方が、効率がいい、というものもあったが、クリーパーやスケルトンに殺されまくったので、地道に掘り進めてダイヤを探す。金や鉄ばかりでダイヤはなかなか見つからない。それでも資源と思って掘って掘って掘っていく。

しかし、掘りすすめると溶岩の音が聞こえ始め、洞窟にぶつかる。地道な作業に飽きてきているので、洞窟を探索してしまう。ゾンビに囲まれ、善戦するもスケルトンに射抜かれてしまう。リスポーン。

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当たり前に考えれば、働いたぶんが給与、それで正しい。しかし、働いても食べていけない給料というのは、やはり矛盾する。福祉厚生が整っているとは言えない。日本は福祉が充実しているというが、本音、実際が隠れているだけである。障害者雇用の実際は、普障害者は、障害のぶん、あるいはまともに働けないぶん、少ない給与が設定されている。どの求人を見ても同じだ。まして役所の紹介した職場がこの通りなのだ。障害がある、障害を抱えるということが生きていくのにどう影響していくか、ということを障害者のみになって考えた人間は役所にいない。

まして一般家庭ならなおさらだ。これは旦那が育児休暇を取ることについての不理解と同じようなものだ。一番のぞましいのは、片方の収入だけで家族を賄える状態が作れることだ、実際に家族手当、というのはその見地からの手当てだろう、実際はそんな額で一人の人間のコストは賄えない金額てはあっても。共働きをしてようやく子供を育て上げることが可能になる、そのような政策を民間企業も政治も判断しているというのが実際だ。実際働かない人間に支払う金はない。大抵の経営者や管理者層は、そのように判断している。

こういうところにベーシックインカムなどを導入すればいいかもしれないけどな、などと僕は考えてしまうが、多分財源が確保できなくて実行不可能、それが実際のところではないだろうか。その結果、実際に働きたくなくて働かない人間と働きたくても働けない人間を同じ扱いとしてしまう社会が出来上がっている。


昔弟と一緒に仕事をしていた時に、役所の人間が障害者と一緒に働いているのを見たときの僕と弟の会話である。

「あの人突っ立ってるだけ、何もしない。」

「鬱なら当たり前だね。」

「何もしないで給料もらってる。」

弟は僕よりも社会的に、きちんとした人間である、PTAや地元の消防団など対外的な交流を欠かさず、それなりに社会的に認知されている、そんな人間の認識が、この程度だ。鬱やその他精神疾患の人間に対する認識を変えるということは難しいと思わざるを得ない。

障害施設を襲撃する事件が起こっても僕は、ただ悲しい事実が起きてしまった、そう思ほかなかったった。

要するに普通の、当たり前の人間にとっては障害者は足枷でしかないのだ。怠け者で、不心得者なのである。突っ立っていただけの鬱の役所の人間も相当勇気がいったと思うが、世間の認識では、普通の人間の認識では、こんな感じである。自分が鬱などの精神的な病気にかかって、きっとようやく理解する、人間は経験でしか本当のことは学べないのかもしれない。

「甘えだよね」という人もいるが、鬱の人間は、そんなことはとうに考えている、感じているのだ、前向きに生きたいと思っているし、変えなければとも考えるけれど、体も心も思うようには動かない。一旦休むしかない。

そして周りが理解できなければ、結果的に人が死に至るのかもしれない。

とりあえず僕はまだ妻を死なせてはいない。しかし、僕自身は何度か死んでいる。それが現実だ。これからもっと増えるだろうと予測する。


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ー知っているのに引っかかるー


自由と冒険。海を渡り、砂漠を越えて、雪山に臨む。海で見つけた氷山に白くまの親子を見つけたので、近づいていくと、攻撃してきたので、驚いて殺してしまった。雪山でシルクタッチがあれば、雪を取得することができたらしい。残念ながらシルクタッチは失われていた。意外と多彩な自然が表現されていて、冒険している、そんな感覚を覚える。素直に楽しい。

砂漠で見つけたピラミッドの中で宝箱を開けていたら、足元に罠が仕掛けられているのに気づかず、爆死した。リスポーン。

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鬱の話が長くなってしまったが、要するに僕の貧困は結局人との摩擦によるものだ。人との摩擦を避けた結果、職を転々としてしまい、人との関わり合いを最低限にしてきた結果、信用力という実際には金銭の力がそのままなくなってしまった。金の切れ目が縁の切れ目というのは本当で、金が切れれば、人と関わりは減っていくし、人との関わりが減っていけば、金をやりくりする必要がなくなる、ただの当たり前の現象なのだが、それを回避することができなかった。

僕はなるべく、家族だけを相手にするようにして、なるようにして貧困に直面しているのだ。今の所これを解決する手立てを見つけられていない。

ほとんど毎日考えているが、まだまだ不明だ。


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ー深海ー


ゲームの世界で貧困に陥ることは、なかなかない、このマインクラフトでも金は結構多く見つかるし、昔やったシミュレーションゲームでもお金は天文学的に増えていった。マインクラフトでは、金は取引にはあまり、使えないようだが、トロッコを走行させる機能を持った線路を作ることができる。いちいち歩いて移動していた拠点間を線路で結び、移動時間を短縮する。馬を手に入れることもできるが、なぜかなかなか懐いてくれなかったので、鉄と金が有り余ってきたので、線路で経験値トラップと拠点となる村、洞窟への入り口などを結んでみた。トロッコでの移動はなかなか楽しい。子供と遊んだプラレールの感覚だ。というか子供と遊ぶために作ったPCなのだが、受験なので僕が遊んでいる。何かすごい建築でもやってみたいけれど、精神的におかしくなっている現在、なかなか作りきることができずに、中途半端な作りかけの建物が増えてしまった。ゴーレムから鉄を集めるトラップやガラスで水槽を作ろうと思ったけれど、ガラスの生成に我慢できなくなってしまったものなどなど。そして海で溺れたゾンビからオーム貝を集めるべく水中にガラスで沖縄の水族館のような施設を作ろうとして、ゾンビの投げるトライデントのダメージが大きくて、逃げ回り、一向に進められない。

海には未だキツネが浮いている。キューとか泣いているのだが、どうすればいいかわからないので放っておく。施設を作るのに飽きると、海を気ままに進めていくと珊瑚礁を見つけた。なかなか綺麗だったが、近くに海底神殿があるみたいでガーディアンに攻撃を仕掛けられて、死んでしまった。リスポーン。

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ドライバーの話に戻って、警備員さんとのやりとりが発生するのもこの仕事ならではかもしれないが、ガテン系の職業よろしく、警備員というのもかなり頭が悪い、最も彼らからすればドライバーも頭が悪い、ということかもしれない。そもそも受付用のリストだけ用意して、相手をしない、という警備もいれば、しつこいくらいに駐車場所を説明してくる警備もいたり、何をいっているのか終始わからない警備もいる。宅配と違うところをいくつか挙げるとすれば、この点も違う点かもしれない。オフィスビルに入るにはとても手間がかかる場合がある。実際に一つのオフィスビルで配達時間の3割近くを要することもあったりする。大抵の受付は色々と工夫をしているが、それでも時間はかかってしまう。中には入る前に待ち行列のできてしまう納入先もある。お昼時間にこういう待たされる納入先を設定して、待ち時間に昼飯を食べる、ということでうまくやりくりする。これも仕事のうちなのだけれど。やさぐれたドライバーなら、休憩時間と割り切ってタバコでも蒸すのかもしれない。僕はタバコも酒も嗜まないので、どうにか別の仕事ができるように考えてしまう。どうしようもない。

警備員との出来事を書こうと思ったけれど、忘れてしまったので書けない。結構やなことやいいことがあったのだけれども。

というか、宛先と宛名を「A社のB様宛てです。」ときちんと言ったのに、伝票をみて「A社B様宛てじゃないですか。」と怒られることがある、結構意味不明だが、本当にあるのだ。どう理解していたのだろうか。


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ー燃えるように赤くー


レッドストーン。いまいち謎物質で、なんだダイヤじゃないのかレッドストーンかよ、ぐらいによく見つかるアイテムだけれども、これをうまく利用すると先の線路などいろいろ便利アイテムを作ることができる、というか動画ではいろいろな回路を作っている。スイッチの役割を果たすので、要するに電気のオンオフと考えればいいのだけれど、電気に詳しくない僕は、簡単な使い方しかできない。

ほとんど線路の運用しか利用できていない。そのほかは、採掘時に経験値が入るので、経験値稼ぎが主だ。実は時計や方位磁針を作成できるのだけれども、ものぐさな僕は作っていない。方位磁針は後日海の底で沈没船の中にあったのをいただいた。そして水中呼吸や暗視というものは、動画ではポーションというものを使っていることが多かった。ポーションなんてどうやって作るのか、、そしてポーションを作るにはネザーという場所に行き、そこにいるモンスターを倒さなければならない。ダイヤで作成するアイテムであるダイヤのツルハシはネザーへ行くためのゲートを作成するために必要な黒曜石を採取するのに必要だとのことだった。マグマの近くにあった黒くて硬い石は、なるほどダイヤモンドのつるはしで取得できるのだ。唐突だけど、ネザーへ行った。そして火に包まれた変なモンスターに燃やされてしまった。リスポーン。

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結局マイナスな思い出ばかりになってしまっているので、よかったことを書こう、あるいはこれも悪い話で終わるかもしれないけれど。

運送業というのは多種多様であって、僕の経験したものはほんのごく一部だ。大手宅配、スポット・チャーター便など。基本的に皆運転が楽しくてこの職種を選んでいるのかもしれないが、一番楽しかったのは、緊急便の仕事だ。

医療機器などの精密機器の修理部品を運ぶ仕事で、港湾部にある倉庫、修理部品のストックがあるところに待機して、全国の病院でMRIなどの故障があった場合に、修理に必要な部品を運ぶ、エンジニアが手に持てるようなものなら手に持っていけばいいが、MRIなどの精密機械は大きく、重い部品が多く、エンジニアとは別に運送業者がこのような部品うぃ運ぶ、航空便を扱う企業で発生する仕事だが、運送業を始めた頃、この仕事が結構稼げるような情報を得ていたので、やってみた。

実際、仕事があれば、ある程度稼げるが、時期的なものもあり、稼ぐ金額には波が大きかった。一度だけ売り上げで70万近くいった月もあるが、大抵は40万程度だった。高速代は建て替えだが、ガソリン代は自分もちだったので、手取りの収入分は宅配と大して変わらない。スタッドレスタイヤが必要であったり、ETCが必要であったり、基本的に距離を走ってナンボということもあり、車の消耗も激しいぶん、宅配より稼ぎは悪いかもしれない。

さらに70万という数字の実際は、30日のうち家に帰ったのは1日か2日くらいで、働いた時間で言えば500時間を超えてようやく達成できた数値であって、まともな数字ではない。ひと月のうちに関東から近畿地方へ3度走り、東北地方へも走った。帰りの高速代は出ないことが多いし、ガソリン代も半端ない金額になり、ガソリン代と高速代を合わせて20万近く経費がかかっているため、粗利は40万強という結果だ。1km100円という業界の常識の計算は、多分1kmガソリン1リッターの金額、という計算にしないと、多分続けられない仕事であるが、そういう業者は見たことがない。

とは言え、仕事で遠出できる、高速道路を突っ走れる、というのはとても楽しかった。朝届けの時などは朝日が昇るのを眺めたり、サービスエリアに大型トラックに混じって宿泊してしまったり、家族にお土産を買ってしまったり、中には温泉に入ってから必ず帰る、というような人間もいたくらい、結構自由度の高い仕事だった。まぁたいていの場合、行きは時間に追われていかなくてはならないのだけれども緊急便の名の通り。


もっともその楽しい仕事の量が少なくなって別の仕事を探す羽目になってしまったというオチがついてしまった。やはり悪い話になった。


逆に宅配というのは、運送ということに対して矛盾するかもしれないが、いかに短い距離を走って、多くの荷物を届けるか、それが鍵になってくる。ルートの組み方、あるいは伝票の組み方が重要になってくるので、なんというか緊急便に対して、精密な作業だが、自分の担当するエリアを覚えていけば、それなりに稼げる仕事だ。緊急便の距離料金のように1本で数万円というおかしな仕事はないが手堅く稼ぐことは可能かもしれない。

緊急便でもあまり長い距離は売り上げは大きくなるが経費も比例して大きくなり、利益ベースで考えると中距離程度が望ましい、料金設定が1km100円から1km80円などに減らされてくることもあるし、帰りの経費が丸々自分もちということも多いからだ。帰りの便も受けられればいいが、大抵別便になる。

それでも長い距離走る、遠く見知らぬ土地に行くという行為は旅の好きな人間にとってはとても楽しい経験であり、旅費の半分は仕事で行けるわけであるので、これまた気分のいいものである。まぁ自分の好きなところへ、ということではないので、さすがに旅行気分とまではいかないけれど。朝届け、という類の仕事では、夜のうちに移動できていれば、朝指定の時間に、指定の場所へ届けられれば、どのようなペースでもOKということもあり、朝日の昇る時間に港で朝日を拝んでから、指定の場所へ行く、なんてことをやったりしたこともあった。おかげで車中泊グッズが増えた。


先にもあげたように70万の売り上げも利益は半分というところだ。そして車の大きさに比例して身体の疲れもたまる。時には500km近く、6時間から7時間も走りっぱなしになる。当然一回の給油では足りない。サービスエリアで食事したりするとご飯代もバカにならない。そんな形だ。


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ー異世界譚ー


ネザーというのは地下の世界らしく、下にはマグマ、上には黒曜石より硬い岩盤がある。そして当然のように暗い。豚のような顔をした継ぎ接ぎだらけのゾンビみたいなモンスターはネザーピッグマンといって攻撃しなければ、特に問題にならない存在らしい。問題は先ほど殺されたブレイズというモンスターだ。宙に浮いている。遠距離攻撃をしてくる。こちらも弓で対抗するのがいいようだけれども、こちらが一発矢を放つ間に、3連続で炎を放ってくる。手におえねー、と叫んでいる間に、後ろにいた緑色(に見える)のスケルトンに斬り殺されてしまった。リスポーン。

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昨年の夏に、やはり定期便で少し生活を安定させないとひたすら借金を重ねてきている現状を打開できるめどが立たなかったため、仕事の種類を変えることにした。そのような考えに至ったことが原因かわからないが、夏の終わりに胆石で入院した。


胸が急に痛み出し、食べるもの食べるものすべて吐き出してしまった。下痢もひどく熱も上がった。当初、夏風邪をひいたか、食中毒になったかと思い内科へ診察しに行ったのだが、薬を飲んでも熱は下がらず、吐き気はおさまらず、体がブルブル震えて止まらなかったので、別の医者へ行ったら、胆石の疑いがあります、とのことだったので、そのままタクシーで転送されて、大学病院で色々検査をすることになり、レントゲンやらなにやらの結果、胆石・胆嚢炎ということが判明した。

雷のなっていたことを覚えている、妻と息子は実家へ帰省させていた。とりあえず電話で状況を説明し、戻ってもらって手続きを色々してもらう。

そしてお金の工面だ。

妻が病院に着いた頃には、僕は炎症による熱と痛みのためにもはや身動きが取れなくなっていた。かろうじて必要なことを伝えると、帰ってもらった。痛みでもんどり打っている姿を見せつけていても仕方がない。

痛み止めを打ってもらうが、少し和らぐ程度だった。夜が更けて、眠たいのに痛みで眠れない。翌日、手術の説明があった。まずは炎症の原因となっている溜まった胆汁を体の外に出すための術を施して、炎症を抑え、その後胆石を取り除く手術を行う。早ければ3週間ぐらいで退院できるとのことだった。



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ーふと考えたことー


カレーが食べたい。昔中学に上がる前によく食べていた洋風カレーの味が忘れられない。その味を再現したいと思い30年以上経つけれども、料理人ではない凡人の僕には、味の識別なんてとても無理で、いろいろな場所のカレーを食べて、似たような味を探すしかできなかった。自分で作らないわけでもないが、レストランで食べるカレーに到底叶うわけもなく、ましてや昔食べたその一番美味しかったカレーには遠く及ばなかった。社会人になってある程度自由にお金が使えるようになっても、なかなか美味しかったカレーに近いものは巡り会うことはなかった。

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自分の腹から伸びた管を通って、コーヒーのようなカレーのような色をしたドロドロとした液体が流れているのを見ると随分自分も無理をしていたのか、あるいは不摂生だったのか、よくわからない感情が湧いてくる。そして時間、有り余る時間、時間を持て余すことは明白だったので、この時のことを記録しようと思って手記のようなものを書いていたりしたけれども、気分は紛れず、動けるようになると病院内を散歩した。

朝、病院の窓から見える遊歩道に同じ病院の患者の着る服を着た老人が立って通りを眺めているのが見えた。こんな朝早くに外に出ている人もいるんだな、ぐらいに思って、朝食後、いつものように散歩していると、病棟を行き来する渡り廊下で、昏睡に陥ったらしい老人が運ばれるのに遭遇した。老人の姿を一目見て、朝遊歩道にいた老人だとわかった。あるいは勘違いかもしれないけれど。



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ーないなら自分でー


動画でもカレーを作っているものを探しては、見て、ノウハウやヒントを見出そうとした。その中で、普通に市販のカレー道理に作っていたのと明らかに違う手順で参考になったのが、野菜のだし。

玉ねぎや人参を加えるために包丁で準備するが、その時普通に捨ててしまう部分から出汁をとる、というものである。料理の世界では普通に行われていることらしいが、僕にとっては目から鱗だった。料理の世界は奥深い。

この手順を自分のカレーの作成手順に加えてからは、少しだけカレーの味がレベルアップした気がした。すごい時代になったものだと思った。カレー。

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その日結果的に僕の胆石・胆嚢炎は悪い形であることが判明し、胆嚢炎のそちで入院2週間と胆石の手術で2週間の経過観察などを含めると合計2ヶ月仕事ができない計算になった。

それはそのまま医療費も含め、生活費が借金になることであり、実際にそのようになった。保険は半年以上前に、借金返済のために解約していた。


別の日、検査を受ける病棟とベッドのある病棟を行き来する渡り廊下に妙な場所を見つけた。窓から差し込む光の色が一部だけ赤く染まっているのだ、最初はなんか赤いセルのようなポスターが貼ってあって、それを通して赤い光が入っているのかと思ったが、そんなものは果てなかった。ガラスの周りに光源が赤くなる要素が見当たらなかった。渡り廊下となっているため下に道路が走っており、50mほど離れたところに信号があった。この信号の赤の時に写り込んでいるのかとも思えたが、青や黄色は差し込んでいない。

原因がわからないのが腑に落ちなかったが、僕にはどうしようもないのでそのまま立ち去った。

病院というところは人の生き死に関わるところであって、日常と少し異なるため、こういうおかしな現象に遭遇しやすいのだと言い聞かせる。少し異なるということは脳に異常をきたす原因になる。連想ゲームだ。なので、実際には何らかの説明できる原因は存在するはずだが、僕は頭がよろしくないためかわからないが、原因がわからない不思議なこと、怖い経験に結構遭遇した。

赤い光の件もその一つだが、もう一つより怖い経験として、夜黒い何かと遭遇した。6人部屋にいたのだが、夜中尿意を催して目が覚めたところ、入り口に何かがいることに気がついた。医師や看護師ではなかった。患者でもない。すると一体何だったのか、よくわからない。

僕は入り口から2列目にいたのだが、カーテン越しで正確なところはわからないので全ては僕の夢かもしれない。好奇心に負けて様子を見てみればよかったのだけれども、そんな勇気は湧かなかった。その何かは、入り口の両側の熟睡した患者の様子を見ているようだったが、しばらくするとコソコソと動き始め、患者のそばに近づくと、ひょいと飛び乗り、ぶつくさと何か呪文のようなものを唱え始めた。意味のある言語のようには聞き取れなかった。寝ている患者の上にのしかかっているようでもあったが、患者が起きる気配はなかった。何か物が自分に乗っかれば気が付きそうなものだったが、全く起きるそぶりはなかった。何かはいよいよ僕の番に差し掛かったところで、見回りの看護師のライトが廊下を照らし、その何かはいなくなってしまった。



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ー失敗と再出発ー


マイクラはゲームなのでやはりバグというものは存在する。水をせき止めたり溶岩をせき止めたりできる看板や、フェンスを利用して僕も経験値トラップを作ったわけだけれども、動画投稿者たちはさらにすごいことをしていた。自動で農作を行ったり、資源を増やしたり、食料を確保したり。正直仕事なんかやめてこれに時間を費やさなければ、僕なんかには無理なことばかりだった。というかその前に下手くそすぎて。

バグではないのだけれども幽霊みたいなものを召喚するモンスターもいた。全然敵わないので、そこから逃げてきて以来、行けていない。さらに、なんだか野盗のような村人みたな連中に襲われたので、反撃したところ、「襲撃」というイベントが発生した。村は全滅し、僕は一体何度死んだのか、というくらい殺された。リスポーン。リスポーンしてもまだいたので、ヤッテヤラレテというのひたすら繰り返して、4度目ぐらいの襲撃を終わってようやく解放された。野盗のような連中の相手をしたのが悪かったらしい、そして相手をしても牛乳を飲めば襲撃イベントは回避できるということを後で知って、なんてことだ、と嘆いた。その後、その村へは行っていない。最初に見つけ、拠点からとても近い便利なところだったのだけれども。傷心の僕は海へ出て、大陸を目指した。コロンブスのような気分ではあるが、お金や装備はほとんど初期と変わらない始末だった。なんせ初めて1週間くらいの時にそんな目にあったのだから。

大きな陸地を見つけて、さらに村を見つけ、面倒なので空いていた家と家を繋いで自分の拠点とした。リスポーン地点を設定しました。

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手術で胆嚢を取り除き、一見健康な体に戻ったようだったが、しばらくして僕は自分の体がいくら運動をしても鍛えることができていないことに気がついた。

あるいは気のせいかもしれないが、体を絞ることはできても筋肉が一向についてくれない。少しではあったが肥満気味な体は、痩せていくだけだった。年末には妻よりもダイエットに成功してしまったほどだけれども、昔少し鍛えた程度には鍛えることはできなかった。

膝から下の軟骨がもうない、1年前に建築業を諦めた時に医者にそう言われたけれど、それが原因で鍛え方をセーブしているのかもしれないが、それでもマラソンを走り終えたくらいの運動では、筋肉がつかない体になってしまっていた。鍛え方が悪いのかもしれない。


病気をした後で、少しリハビリのように某通販大手のネット企業の、いつでも好きな時に働ける、というような仕事を少しやってから、定期の仕事を受けることにした。緊急便は一つ一つの仕事だけを見た場合には、確かにコストパフォーマンスが高いように見えるが、そもそも案件自体の数が限られている、そして、コストカットの対象になりやすい、自分の能力の外での要素が多すぎてコントロールが効かない。体の調子がよくない以上、あまり想定外の要素を増やすような真似はできなかった。

定期の仕事を選んだ理由はその点が大きかった。

車への負担も距離を走るよりは、矛盾するようではあるが、なるべく走らない仕事の方がより少なくて済むだろう、実際に月間の走行距離は緊急便の時に比べて半分以下になった。少しは生活が安定するだろう、そのように考えた。

考えたはずなのに、車の故障率は上がってしまった。病院から戻ってすぐ、エンジンのガスケットが抜けた。最初はなんだか燃費が悪いな、と思う程度だった、それがそう感じて1しゅうかんもかからずに、ガソリン満タンを1日でなくなるようになり、気のせいか、と思っていたら、すぐにリッター2、3キロしか走らなくなり、これは完全におかしい、ということで、車屋さんに見てもらうと、ガスケットが劣化して、オイルが燃えてしまっていますね、とのことだった。

病院にかかって2、3年分の医療費を一気に消化してしまったばかりだったのに、ほぼ同じ金額を今度は車に費やす羽目になった。

同時にイグニッションコイルが一つ壊れてしまったが。こちらは前に書いた通りに直せていない。



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ーいつまでも続くー


そんなこんなで新しい村で村人を増やすことを覚え、ゾンビトラップて経験値を貯めること施設を作り、線路をそこら中に張り巡らした。エンダーマンになかなか勝てないので、エンドに行くのはかなり先になるだろう、何しろ3ヶ月もやってやっと4つのエンダーアイしか集まらないのだ。ネザーにはようやく弓矢の腕を上げて、エンチャントをしてブレイズに勝てるようになり、とりあえず3ヶ月分自分の経験値は上がっていたのだ。なんだか幽霊のようなモンスターも一度倒したが、そいつの落とすアイテムは手に入れていない。僕がこのゲームをクリアするのは一体いつになるか、わからない。

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定期の仕事に就いたことで土日という休日を手に入れたけれども今の所うまい副業に出会えていない。バイトするしかないか、と月曜の朝、日が昇ってくるのを見ながら、そんなことをいつも考えている。



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ーゲーム終了、音声をオンにするとー


ワールドをほぞんなか タイトルがめん


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「すいません、手術はうまく行ったのですが、体力がなかったところで肺炎にかかってしまい。今朝息を引き取りました。」

父が死んでから、僕はこのような生活をしていた。金持ちにはわからないかもしれないが、8割の人間にとって生活とはただの作業のようなものだ。文化的とは程遠い。朝日が美しいだなんて、とても家族に伝えることはできない。


終わり。





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ドライバーの年収は、要領のいい自営業さんなら1000万の人もいるかもしれない。(ただし運転だけで稼いでいない。)自分で営業して仕事をとり、上前を跳ねて行くことで可能。純粋にドライバーでうまく走れても、年収300万がいいところではないだろうか、営業というのはとても僕には難しく、一番儲けたのが話の中で出てきた、売り上げ70万だけれども、時給換算にすると1200円になってしまう、そしてそれは月500時間という人間をやめている時間を働いてようやく稼げる、さらにあくまで売り上げであり、給与のみでは時給1000円をきる金額である。年金は払えない、貯蓄はマイナス。とりあえず文化的にゲームを話に挟んでなんだか小説のようにしているが、PCは文章を書いた後売る予定。売れれば、だけれども。休みの日には、冷蔵庫の整理をしながら、家事を行うような生活をしている人間には、文化的な生活は難しいと言わざるを得ない。



家族には感謝している。それだけが僕の生きている実感であり、働く理由である。

そのた人生で出会った優しい方々、お世話していただいた方々が小さくても幸せに暮らせていける世界になってほしいと願う。

ミスった。

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