三匹の子豚 〜叶わないと思っていた恋心〜
…めちゃくちゃ長くなっちゃいました…(汗)
でも、涙無しでは読めない感動巨編になりました!
コメディのジャンルで良いのかな?
※ちょびっとだけ世紀末の救世主伝説風の隠し味を入れてます。
ある所に、三匹の子豚さんがいました。
長兄は力を求め、常に研鑽を欠かさない世紀末覇者の様な出で立ちである。
次兄は重い病に侵されるも、優しい心の持ち主で、医者の資格を持つ天才児である。
末弟は全てを許すことの出来る博愛主義者にしてパンセクシュアル(全性愛者)で、哀しみを知る者である。
彼等はそろそろ大人の仲間入り。
そんな訳でそれぞれ独り立ちをして暮らしていく事を両親から言い渡されます。
「お前達、みんな仲良く力を合わせて生きていくんだよ」
「あなた達はそれぞれが個性的で、力を合わせればきっとなんでも出来るわ」
両親はそんな三匹の子豚さん達を信頼していました。
そして出発の日。
次兄は一人で旅立とうとする長兄に言います。
「兄者、一人で往くのか…」
「この世に覇者は一人で十分よ。我は往く」
…何の覇者になるつもりでしょうか?
「ならば、私も往くとしよう。弟よ。元気でな」
長兄が一人で旅立ったのを見届けた後、次兄も一人で旅立ちました。
「兄者達は自由過ぎますね」
そう言い、末弟は静かにその場を後にしました。
長兄は力を求めます。
その為、鬱蒼と木々の生い茂る山奥の野生の獣がいる場所まで行き、滝の傍に近くから集めた藁で簡単な寝床を作ると日課の正拳突きを始めました。
訓練は裏切らない!
彼の座右の銘だ。
森の中、そんな子豚さんを熱く見つめるひとつの影があった…
次兄は身体が強くありません。
レンガを積み家を作るのは体力的に不可能に近いのです。
ですが、いつ体調を崩すかも分からないため、長兄の様な藁で寝床を作るという野宿の様な事も出来ません。
そこで、森の近くの木々を柱とし、板で壁と屋根を作り、簡単ながらも趣のある家を建てました。
彼は生計を立てるため、そこに診療所を作り医師として働き始めました。
彼の目標は質実剛健なのです。
そんな中、森の奥から降りて来て、その家と次兄を熱く見つめる影あったのを次兄は知らない…
末弟は見渡しの良い草原の中、近くに川がある場所に居を構えるつもりの様です。
彼は哀しみを知るがゆえ、争いを好みません。
その為、平穏な生活を送る為にも防犯のしっかりした家を建てようと決めました。
彼はまず、川から支流を引いて上水道を作り、家の隣には穴を掘り浄化槽を設置します。
土台や水道、下水を浄化槽に送る経路を作り、兄弟が泊まりに来ても良いように4LDKの間取りを考えます。
耐震強度と人の動線を意識した間取りが決まると図面におこし、地面に穴を深く掘り、そこに鉄筋を埋め、コンクリートで固めて柱を作り、地面を平に均して家の基礎となる土台作りを始めました。
鉄筋とコンクリートを使い、家を建てていきます。
しっかりとした家を建てるのには時間がかかるのです。
と、そこへ、たまたま強敵を求めて草原まで来ていた長兄と偶然出会います。
長兄の溢れる殺気に怯え、近くの野生動物は逃げ出したのでしょう。
彼は戦う相手がおらず、このままでは修行にならないと思い、草原の真ん中で座禅を組んでいました。
そんな長兄を見つけた末弟は問います。
「兄者!もう家は建てたのですか?」
末弟はまだ基礎工事を終わらして外装の作業をしているので、兄はどんな家を建てたのか気になったのでしょう。
「我にちゃんとした家など不要!雨風しのげれば良い。その分、修行に力を入れれると言うものだ」
そんな長兄に対して、
「兄者は相変わらずですね」
と、微笑みながら答える末弟でした。
末弟はふと疑問に思い、長兄に聞いてみました。
「兄者!そう言えば、次兄の兄者はどうしているかご存知ですか?」
「うむ、今日山奥から降りて来た時に、森の入口近くに家を建てておったわ。診療所も開いていたし、恐らく医者でもやっているのでは無かろうか?」
意外と弟の事をちゃんと見ているお兄さんです。
「ありがとうございます!また、家が完成しましたら兄者と共に遊びに来て下さいね」
そう言って、再び家造りを始める末弟でした。
それから1ヶ月が過ぎ、長兄が滝に向かって回し蹴りを放ち、滝を両断する修行をしていた時、森の中から強風が吹き、長兄の藁の寝床が吹き飛ばされました。
「む?風か?……いや、これは強者の気配!」
長兄はその風が自然に発生したものではなく、力を持った者の仕業である事を見抜きました。
ガサガサ…
「よく分かったな…」
長兄の睨んだ通り、森の中から屈強な狼が出てきました。
「ほう…狼か。かなり出来るな」
長兄は現れた狼に対して、嬉しそうに笑みを浮かべます。
※念の為に言いますが、彼は子豚ちゃんです。
「…お前も中々やるな…」
狼はポツリと言いました。
「ぬ…汝の気配は初めて感じたものでは無いな。ここ1ヶ月で何度も感じた事がある。初めに感じたのは、我がここに来た時か…」
「…!!」
なんと!長兄が藁の寝床を作っていた時に森の中にいた影は狼で、彼はその事に気付いていたのです!
狼はまさか気付かれているとは思っておらず、驚いているようです。
※何度も言いますが、長兄は子豚ちゃんです。
「気付いていないとでも思ったのか?汝はこの山の中で一番の強者であろう?この山の麓にいても汝の強者の気配を感じたわ!」
「…バレていたなら仕方がない…」
狼が意を決した様に呟きました。
「やるのか?良いだろう…かかってこい!」
長兄は狼を挑発します。
※大事な事ですが、彼は子豚ちゃんです。
「…!!」
狼は狼狽えているのか、長兄に向かって行きません。
そりゃそうでしょう。
子豚が狼に「かかってこい」と言われるなんて夢にも思わないでしょうからね。
「ふん、来ないならコチラから行くぞっ!」
そう言うやいなや、目にも止まらぬ速さで狼の懐に飛び込み、狼のみぞおちに掌底を叩き込みます!
狼は長兄が懐に来た時、驚いた顔をしましたが、さすが強者。
掌底を左の腕で防ぎます。
「ぐぅ…!」
ですが、長兄の掌底は岩をも砕く威力を秘めています。
たまらず、狼は長兄から距離を取ります。
「…!腕が上がらない…だと…!?」
狼の腕の骨が折れてしまった様です。
「我を狙ったのが汝の運の尽きよ。この技で最後だ。もっと強くなって出直して来るが良い!」
そう言い放ち、気を練り始める長兄。
※何度も…略
長兄は腰を深く落とし、左足で踏み込みながら右手を捻りこむ様に拳を突き出します。
「子豚捻身正拳突き!!」
全身のバネを使い放たれた拳から、練り上げた気が解き放たれます!
距離を取っていたハズの狼まで気が届き、防御する間もなく狼は森の奥まで吹き飛ばされました。
「ふぅ…まだ威力が足らんな…」
長兄はその威力にまだ満足していない様です。
…彼は一体、どこに向かっているのでしょうか?
「ぐ…うぐ…っ!」
狼は無事でしたが、暫くは動けそうにありません。
「…強い…」
ポツリと呟き、意識を手放しました。
数ヶ月後、長兄は次兄の家にやって来ました。
「兄者、久しぶりですね。どうしたのですか?」
次兄は珍しい訪問者に驚いていました。
「うむ、新たな修行の地を求めて旅立とうと思ってな。汝がここに居ることを思い出し、一言言っておこうと思ったまでのこと」
どうやら出発の挨拶に来ていた様です。
「そうですか。では、せめてお茶でも飲んで行かれては?この前、患者さんに良い茶葉をいただきましてな」
次兄はそう言ってお茶の準備を始めました。
ゴウッ!!ガタガタッ!
突然、強風が吹きます。
「またですか…」
次兄は落ち着いています。
「この風は…!次兄よ。この風は良くあるのか?」
長兄は何かに気付いた様な顔で次兄に質問します。
「ええ、ここ2、3日はよく吹きますね。どうしたんです…」
ドンッ!!バンッ!!
次兄が最後まで言い終わる前に、家に何かがぶつかり、家が激しく揺れました。
ミシ…ッ!ミシミシッ!
家から嫌な音が鳴り出します。
「!家が崩れる!」
そう言って、二人は家から出ました。
と、同時に家が崩れました。
「なんと言う事だ…」
次兄は呆然としています。
「やはり…汝か…!」
そう言って長兄は倒壊した家の森の入口側を見ます。
「…また…お前か…」
そこには、いつか見た狼が立っていました。
どうやら、狼が家に攻撃をしたせいで家が倒壊したようです。
「性懲りも無く、今度は我が弟でも襲うつもりだったのか?」
長兄はそう言って狼を睨み付けます。
「……」
狼は何も言わずに森の中に消えました。
「ゴホゴホッ!!」
どうやらストレスにより、次兄の病態が悪化したようです。
「このままには出来ぬか…。今回は見逃そう」
長兄は狼を追って行こうとしていましたが、次兄の病態が悪化したので、追撃を辞め次兄を担いで歩き出しました。
「ゴホッ!…すみません、兄者。…ゴホゴホッ!…一体、どちらへ?」
「汝をこのまま放っておく訳にはいかぬだろう?末弟の所へ行こう」
「すみませぬ、兄者」
長兄は、担いだ次兄に負担がかからないように注意して、末弟の家まで歩いて行きました。
森の中からそれを見ている狼がいました…
「どうしたんですか!?」
突然次兄を担いで長兄がやって来たので、末弟は驚いているようです。
「ゴホゴホッ!…すまんな。家が崩れてしまったのだが、ゴホッ!!…少し悪化したみたいなのだ。少しの間、泊めてくれぬか?」
次兄は末弟に出来事を説明しました。
末弟はそれを聞き、
「そう言う事なら我が家で暮らしませんか?部屋は空いてますし、鉄筋コンクリート製なので、耐震強度も万全ですよ?」
と、次兄達を快く迎え入れます。
「兄者(長兄)も一緒に住みませんか?」
末弟は長兄にも勧めます。
「ありがたいが、また修行の旅に出ようと思っている」
長兄はどうしても旅に出たい様です。
「そうですか。でも、たまには遊びに来て下さいね」
「ああ、そうさせてもらおう」
少し残念そうに答えた末弟に、長兄はまた来ることを約束しました。
ゴウッ!!
その時、例の強い風が吹きました。
「おや?風…ですかね?」
末弟が不思議そうな顔をして窓の外を見てみました。
「恐らく、アヤツだろう」
長兄はもう分かっているようです。
末弟が外を見た時、そこには狼が立っていました。
「ッ!!…彼は……」
末弟は息を飲みます。
狼は大きく息を吸い、この家に勢いよく息を吹きかけました。
ゴウッ!
ですが、その程度で家が崩れることも無く、ビクともしません。
埒が明かないと判断した狼が、勢いよく家に体当たりを仕掛けて来ました。
ドンッ!!
ですが、体当たり程度で壊れるほど鉄筋コンクリートはヤワではありません。
「我が始末してこよう…」
長兄が狼を仕留めるつもりなのでしょう、家の外に出ようとしています。
「いえ、大丈夫ですよ兄者。そのままお茶でもしていて下さい。」
そう言って、外に出ようとする長兄を末弟は止めます。
ドンッ!!ドンッ!!ドンッ!!………
何度も体当たりを受けますが、ビクともしない家に、狼も体当たりをやめました。
「さすがに体当たりでは、鉄筋コンクリートを崩す事は出来ません」
末弟は何事も無かった様に新しいお茶の準備を始めます。
「だが、アヤツは諦めておらぬようだな」
長兄の言う様に、狼は諦めていませんでした。
狼は末弟の家の裏に周り、屋根に登りました。
そのまま家の煙突から侵入しようとしている様です。
「気配が上に行ったか。恐らく煙突から侵入するつもりであろう」
そう言って長兄は火のついていない暖炉に向かいます。
ドサッ!
ついに狼が家の中に侵入したのです!!
狼が暖炉から出た時に、目の前には長兄がいました。
長兄は無言で狼に正拳突きを放ちます。
「ッ!!…ぐはっ!!…ゴホッ!…!!」
狼は反応が出来ないまま、正拳突きをみぞおちに受けてしまいます。
狼はたまらず膝から崩れ落ち、悶え苦しんでいます。
「トドメだ…」
長兄は崩れ落ちた狼に向かって、更に正拳突きを放とうとしています。
「兄者!お待ちください!」
その時、末弟は兄者のトドメを制止させます。
「…何故だ?」
兄者は何故末弟が止めたのか分かりません。
「彼は…私たちを食べに来たのではありませんよ」
「なに…?」
末弟は何かを知っているかのように、無防備に狼に近づいて行きます。
「…お久しぶりですね…狼さん」
「…お前は……そうか、ココはお前の家だったのか…」
なんと!末弟と狼は知り合いのようです。
「貴方は相変わらずですね」
そう言って末弟は狼に苦笑を浮かべます。
「オレは…」
狼はバツが悪そうな様子で末弟を見上げます。
「貴方は相変わらず、口下手で、人見知りで、好意を示すのが下手な狼だ」
「すまない…」
末弟の苦笑しながら言われた言葉に、狼は尻尾と耳が垂れて、しょんぼりしています。
やり取りを見守っていた長兄と次兄は急な展開についていけません。
「弟よ…その、狼とは知り合いなのかい?私も兄者もちょっと状況が掴めなくてね…」
次兄は末弟に説明を求めます。
「はい、彼は…かつて好敵手だった狼なんです」
「だった…」
狼は更にしょんぼりしてしまいました。
「彼はよくいる『豚さんと良く遊ぶ狼』だったので、私ともすぐに仲良くなりました」
「ちょっと待って!よくいないから!」
すかさず次兄がツッコミを入れます。
「私も彼と遊ぶのが好きだったのですが、いつしか彼は変わってしまった……いえ、もしくは本当の彼の気持ちは何も変わってなどいなかったのかも知れません」
末弟はツッコミをスルーして話を続けています。
「え?無視?ねぇ、会話のキャッチボールしよう?ねぇ?」
次兄は涙目です。
「私にとって彼はただの好敵手でしたが、彼は私の事を…」
「……」
狼は俯いてしまいます。
「彼は私に『好き』だと告白したんです」
「「…っ!!!」」
狼は過去を話されて涙目ですが、兄達はそれ所ではありません。
「ごめん、え?聞き間違えたのかな…?」
次兄は末弟に問いかけますが、末弟は次兄の言葉等何も聞いてません。
「彼は…彼の性的指向は『オスの豚さん』だったのです!」
狼は顔が真っ赤になっています。
「私は驚いてしまい、彼を深く傷付けてしまいました…」
末弟は周りの反応など目に入っておらず、完全に自分の世界に入ってしまってます。
「ただの好敵手だと思っていたのですが、私を好きでいてくれていた…戸惑いました。その戸惑いを感じとった彼は、次の日からいなくなってしまいました」
「ねぇちょ…え?…でも…あれ?…」
兄達は完全に壊れていますが、末弟は気にしません。
「私は深く後悔しました。彼を傷付けてしまったこと、彼が本当に勇気を持って私に打ち明けてくれたのに、驚き戸惑う事しか出来なかった事を!」
末弟はだんだんと身振りが大きくなってきています。
「確かに、私は彼に恋愛感情は抱いていなかった!だけど、好敵手としては好きだった!彼の気持ちを受け止め、私は彼を恋愛対象として見ることが出来るのかをちゃんと考えれば良かった!」
両手を広げ、天を仰ぎ見る末弟。
…あれ?コレ、ミュージカルでしたっけ?
「……だが、その事に気が付いた時にはもう遅かったのです。もう彼には二度と会えないと…そう思っていました。でも、今日彼に会うことが出来た!!」
「…末弟…」
狼は顔を上げて末弟を見つめます。
「私にこんな事を言う資格はありません。ですが、虫がいい話なのは分かっていますが…もし…もし、私にやり直すチャンスを与えてくれるなら……いえ、虫が良すぎますよね。すみませんでした」
末弟が言い終わる時、狼がポツリ、ポツリと語り出しました。
「…俺は…俺は怖かったんだ。俺は昔から豚さんと仲良くなりたかった。…だが、いつも怖がられて誰とも仲良くなれなかった」
「「でしょうね!」」(by 兄ズ)
「そのせいなのかな?人と会話する事が怖くなってしまい、どう接したら良いのか分からなかった。でも、末弟と初めて会った時、お前は俺を怖がらないでいてくれた…受け入れてくれたんだ!」
「見た目で人を判断するのは愚かしいですからね」
末弟は『うん、うん』と頷きます。
「最初はそれだけで幸せだったんだ…受け入れて、友達になってくれただけで。でも、だんだんとお前が好きになって行った。恋人になりたいと思うようになってしまったんだ。…あの時、その気持ちをもう抑えきれなかった。だからお前に言ってしまったんだ…好きだと!付き合って欲しいと!」
「そうだったんですね…」
末弟は神妙な顔をして、狼の話を聞いています。
「お前が驚いた時、俺は自分の愚かさに気付いた。…お前の気持ちを何も考えていなかったんだと!…だが、もう言ってしまった。お前に拒絶されると思った。だが、そんな事を言われてしまえば、俺は耐えられなかったんだ。…だから、怖くなってすぐに逃げ出してしまったんだ」
狼は自然と涙を流していました…
「その後、ずっと心残りだった。豚さん達を見る度に、末弟を思い出した。だから山奥に隠れ住んだ。何年か経ち、山奥の森の中と森の入口近くに豚さんが来たのを感じて、お前が探しに来てくれたのかもと…都合の良い事を考えてしまい、ついいつも見てしまっていた。お前じゃ無かったが、寂しかったからだろうな…俺に気付いて欲しくて…話をしたくて、ついちょっかいを出してしまったんだ」
なんと!兄達の家を壊したのは、仲良くなりたい・かまって欲しい気持ちが勢い余って拗らせただけの様です。
好きな人にイタズラしちゃう感じでしょうか?
「末弟、お前は何も悪くない。俺がお前の気持ちを考えず、そして怖くなって逃げただけなんだ。俺から謝らせて欲しい。すまなかった!」
そう言って狼は末弟に頭を下げました。
「いえ、貴方は勇気を出して私に伝えてくれたんです。それを、怖がらせてしまった私の方が悪いんです。すみませんでした」
末弟も狼に頭を下げます。
末弟も狼も、お互いがお互いの事を思っていたんです。
「末弟、狼さん。あなた達はお互い少しだけズレていただけな様ですね。詳しくは…ちょっと、その…理解出来ませんでしたが…」
末弟と狼はお互い向かい合います。
「狼さん…まだ貴方の気持ちが変わっていなければ…もう一度チャンスを頂けませんか?」
「末弟…俺はお前をずっと忘れられなかった…今でもお前が大好きなんだ」
「では!また貴方とやり直したい!今度は好敵手としてではなく、貴方の恋人として!!」
「末弟!!本当に…本当に俺なんかで良いのか!?」
「もちろん!貴方意外にいません!!」
「末弟ー!!」
末弟と狼が、ガッシリと抱き合います!
長年のわだかまりが溶け、二人は恋人になれたのです!
「あの…はぁ、もういいや…」
次兄は何かを諦めた様です。
「よく分からぬが、めでたしで良いのか?」
長兄はかなり前から話について行けてない様です。
「そうだ!貴方もこの家で一緒に暮らしませんか?」
「だが…良いのか?」
「ええ、この家は兄者達とも一緒に暮らせるように、4LDKにしています。3兄弟と、貴方で1部屋ずつ使えば良い!」
「ふむ、我はたまに旅に出るが、汝がいれば防犯にもなる…か」
長兄もノリノリです。
「皆で仲良く暮らしましょう!!」
末弟の叫びに、いつまでも皆笑っていました。
これにて、今回の物語はおしまいです。
お互いがお互いを想い合う気持ちがあれば、種族の壁など、きっと何も問題はありません。
皆さんも素敵な相手に出会ったら、お互いを想い合う気持ちを忘れないで下さいね。
では、最後に…
こうして3兄弟と狼さん達は仲良く暮らしましたとさ…
めでたしめでたし
駄文すみませんでした。
あくまでもご参考までに。
では、また機会があったら何か書いてみます。
ご拝読ありがとうございました。