鶴の恩返し 〜だから覗かないで下さいっ!〜
今回はちょっと誰がセクマイなのかは後書きに記載します!誰がどんなセクシュアリティか想像してみて下さいませw
むかし、むかし、ある所にお爺さんとお婆さんが住んでいました。
ある日の出来事。
お爺さんはいつもの様に畑仕事を終え、心の洗濯をするために行きつけの『おとこの娘カフェ』に向かっている途中でした。
……ん?おとこの娘カフェ?書き間違えたかな?
「合っとるよ?」
あ、そうなんですね。すみませんでした。
じゃあそのおとこの娘カフェに行って下さいな。
「うむ!儂はチェイサーじゃからな!本当はおとこの娘風俗が良いのじゃが、さすがに婆さんに悪いしのぅ…。なので、カフェでガマンしとるんじゃ」
はぁ…。おとこの娘風俗ってあるんですね。でもおとこの娘って男性ですよね?
「だからこそ良いんじゃよ!」
そうなんですね…。
そんな感じでお爺さんがおとこの娘カフェに向かっている途中の道で、一羽の鶴が羽から血を流して蹲っていました。
恐らく、狼か何かに襲われて命からがら逃げてきたのに、飛べないせいで力尽きてしまっているようです。
周辺に狼や他の肉食系の獣がいないので上手く逃げられたようですが、このままではいずれ見つかって殺されてしまうでしょう。
自然の摂理で仕方がない事とは言え、見つけてしまったのであれば情も湧くというものです。
案の定、心の優しいお爺さんは『可哀想に…』と思い、推しの娘(ミズホちゃん:黒髪ロングの似合うシャイなおとこの娘)にプレゼントするために持っていた紺と白のシマシマニーソを包帯代わりにして、鶴の傷付いた羽に巻いてあげました。
「おぉ、可哀想に。どれ、包帯代わりにはなるじゃろう。ミズホちゃんには申し訳ないが、代わりにガーターベルトとストッキングのセットをプレゼントしようかのぅ…」
欲望にまみれたお爺さんですが、心の優しいお爺さんなんです。ちょっと欲望に素直なだけで。
「このまま放置していてはまた狼に襲われてしまうのぅ…。よしっ!しばらく家で傷を癒すと良い!」
そう言って怪我をした鶴を家に連れて帰り、お爺さんとお婆さんで鶴の面倒を見てあげました。
しばらく経って傷が癒えたのでしょう、いつの間にか鶴は居なくなり、鶴の居なくなったその日の夜にお礼代わりとしてヤマメが2匹玄関に置かれていました。
「お爺さん、鶴は行ってしまった様ですね。私には子供が出来ませんし、本当の子供の様でした」
お婆さんは寂しそうな顔でお爺さんに言いました。
お爺さんも寂しそうな顔です。
「そうだな、婆さん。あの鶴……ミズホちゃんのニーソを付けたまま行ってしまった…」
…お爺さんも鶴がいなくなって寂しいハズです!……多分。
***
そんな出来事があったのも忘れるくらいに時が経ったある冬の夜。
「お爺さん、今年は不作で年を越せるだけの貯えが無いんです」
お婆さんが深刻な顔でお爺さんに相談しています。
昔話の定番の展開ですが、切ないものがありますね…。
「なんと…!しかし、もうすぐミズホちゃんの誕生日イベントがあるし、そのお金は使えないしのぅ…」
…ん?
「…お爺さんもですか…。私も定期的な注射とかジョニーズの年末年越しライブの費用は削れませんし…」
…んん?
「「はぁ…。いったいどうすれば…!」」
…コイツら意外と余裕がありそうですね……。
「なに、推しへの愛があれば1週間や2週間は水だけで生きて行けるハズじゃ!のぅ婆さんや?」
「そうですね!『将軍アンド若君』への愛だけでお腹がいっぱいになるってもんですね!」
…いや、その分のお金でご飯食べて下さいよ……。
「「だが、断る!」」
はぁ…。
と、そこに『トントン…トントン…』と玄関の戸を叩く音が聞こえます。
「お爺さん。こんな夜に来客の予定はありましたか?」
「いや、儂は知らんのぅ。婆さんも知らんとなると……強盗か?」
…いや……まぁそうとは限らないのでは?
「そんな事はない。ここには儂と婆さんしか住んでおらんし、儂らに子は居らん。それにココは山に近くて近隣の家は近くにない。つまり、強盗しか考えられんのじゃ!」
あ、そうなんですね…。
「婆さん戸を開けてくれ。開けたと同時に儂が鍬で強盗の脳天をカチ割ってくれるわ!」
物騒なセリフを吐きながら、戸の前で鍬を上段に構えるお爺さん。
お婆さんも心得た物で、音を立てずに戸の近くに移動し、戸を開けるタイミングを伺います。
その時「すみません…以前お世話になった者です。お爺さんとお婆さんはいらっしゃいますか?」と可愛らしい男の子の声がします。
お爺さんとお婆さんは『ますます怪しい!恐らく儂らを油断させるための罠じゃな!』等と警戒を強めます。
お爺さんとお婆さんがアイコンタクトを取り、お婆さんが一気に戸を引きます!
と、同時に「チェストォォォッ!!!」と大声をあげ、お爺さんが鍬を訪問者の頭目掛けて振り下ろします!
「えっ?ヒィィッ!」
訪問者は驚いて泣きながら尻もちを着いてしまいました。
が、それが幸をそうしたのでしょう。
脳天をカチ割るルートから逸れた事で、運良く脳ミソをブチ撒ける運命から逃れる事ができました!
「チィッ!」
お爺さんは舌打ちをした後、追撃のために訪問者を見て動きを止めました。
「お爺さんっ!?」
お婆さんはお爺さんの追撃が止まった事に驚き、そしてお婆さんも訪問者を見て更に驚きました。
そこにいる訪問者は、透き通る様な白い肌に長い黒髪ストレート、長いまつ毛に大きな目、スっと通った小さな鼻と柔らかそうなピンクの艶っぽいくちびる。
華奢で抱きしめると壊れてしまいそうな儚さの雰囲気を持ちながらも、よく見ると程よく肉が付きガリガリでは無い事が分かる。
白色の上の着物と、淡い青のショートパンツに紺色と白のシマシマのニーソ。
絶対領域からチラチラと見える白い太ももが暴力的な魅力を出している15歳くらいの女の子?が尻もちを着いていました。
「女の…子…?」
お爺さんとお婆さんは確かに『可愛らしい男の子の声』を聞いているのです。
困惑するのも仕方ありません。
「あ…あの……?僕は男の子ですよ…?」
おずおずと可愛らしい訪問者はお爺さんに声をかけます。
殺されかけたのに怒らないのは底抜けに優しい子なのかアホなのか、もしくは気が動転しているだけなのか?
「お……お………おとこの娘じゃとォォォっ!?」
お爺さんは急に激しく叫びました。
……鼻から血を流しながら。
「って!ちょっと!急に鍬を振り降ろして来るなんて酷いじゃないですか!」
どうやら訪問者は気が動転していただけの様ですね。
先程の命の危機を思い出し、涙目になりながらお爺さんに抗議します。
「は…はははっ!いや、すまんかった。つい強盗が来たのかと思っておってな。申し訳ない!」
あまり悪びれた風もなく、たはは…と笑うお爺さんと、『何の事かしら?』と言うスタンスのお婆さん。
「強盗……?…なら仕方ない…のかな?」
訪問者はその様子と言葉を聞いて、少し不思議そうな顔をしながらも納得していました。
……やっぱりただのアホの子かもしれません。
「所で君はどうしてこんな夜に家に来たんじゃ?」
お爺さんは訪問者に問いかけました。
「僕は、お爺さんとお婆さんのお二人に恩返しをするためこちらに伺わせていただきました」
と言われても、お爺さんとお婆さんには心当たりがありません。
「そう言われても、君に心当たりがないのじゃが…。なぁ?婆さんや」
「えぇ。こんな可愛らしい子は初めて会いましたよ」
訪問者と会ったことも無い様です。
「怪我をして、泊めてもらって……。あ!……。…あー……いえ、その……お爺さんの従兄弟の奥さんの弟の娘の旦那さんの友人の人が昔助けて貰った事があるそうで、その人の息子である僕がその人の代わりに来たんです!えぇ!そうなんです!」
訪問者は話の途中で突然何かに気付いた様に固まり、しばらく目をさまよわせた後に一気に捲し立てる様に説明を始めました。
お爺さんとお婆さんはもう何が何だか分かりませんが、とりあえず悪い子では無い事と、鶴に巻いていた(ミズホちゃんにプレゼントする予定だった)ニーソを履いている事から鶴の関係者かな?と思い家の中に入れてあげる事にします。
「まぁよく分からんのじゃが、とりあえず家の中に入りなさい?」
「ありがとうございます!」
訪問者はお爺さんとお婆さんに促されて家の中に入っていきます。
「ところで、君の名前はなんと言うのかな?」
と、お爺さんは訪問者の名前を知らない事に気付き、名前をたずねました。
「名前は無いですよ……じゃなくて、えー…と………あ!『鶴吉』です!」
「ふむ。じゃあ『お鶴ちゃん』じゃな!」
「僕、『男の子』ですけどぉぉぉ!?」
「うんうん、大丈夫!分かっとるよ。お鶴ちゃんは『おとこの娘』じゃもんな!」
お爺さんは即『お鶴ちゃん』呼びです。と言うか、既におとこの娘扱いになってます。油断も隙もありません。
「お婆さん助けて!なんかお爺さんが混乱してると思う!若干息も荒いし!ハァハァ言ってる!!!」
「ハァハァ……大丈夫じゃよ、お鶴ちゃん!ハァハァ……」
「もう…お爺さんったら………楽しそうね?でも、お鶴ちゃんが驚いてるから程々にしときましょうね?」
「あるぇぇぇ?お婆さんまでお鶴ちゃんって呼んでる!?」
まぁお爺さんに理解のあるお婆さんなので全然動じないどころか、お婆さんまで『お鶴ちゃん』呼びになってます。
鶴吉くんは自分の方がおかしいのでは?等と考え始めました。
「ところでお鶴ちゃん?ここへは恩返しがしたいと言っていたのじゃが、元鶴のお鶴ちゃんが何をしてくれるんじゃ?」
「そうなんですよね…。人間のお金とか持って無いし、鶴鍋になったら僕死んじゃうし……。……………いやいやいや!僕は鶴じゃないですからね!何言っるんですか!ねぇ?鶴が人に化けたりしないですって!ほんと!やだなぁ!」
「「………。」」
ちょっとカマをかけただけで盛大に自爆して慌てている鶴吉をみながら、お爺さんとお婆さんは別の事を考えていました。
『『なにこの子…可愛い!!!』』
鶴吉が(目を泳がせながら)必死に取り繕っている中、お爺さんとお婆さんは鶴吉に聞こえない様に会話をしています。
「ちょっとお爺さん?お鶴ちゃん可愛いんですけどぉぉぉ!もう尊い!尊すぎ!なにあのすべすべで透き通る様なお肌!絶対すっぴんよね?反則級のキレイさなんですけどぉぉぉ!しかも、アワアワしてて可愛すぎ!ちょっと担降りして、役場に推し変の手続きして来ます!」
「分かる!てか、あの絶対領域とか狙ってんの?狙ってるよね?自分が可愛いの絶対自覚してるよね?あざと可愛いんですけど?でもすごくアホの子っぽいし、コレが本物の天然?実は狙ってなくて天然であの絶対領域作ってんのかな?しかも『俺は男だ!』タイプのおとこの娘なんですけど?尊いんですけど?好きすぎてシンドい!あ、儂も推し変しに役場行くわ」
…カオスな空間になってますね…。
しばらく落ち着くまでお待ちください
「……と言う訳なんです!だから、僕が鶴だなんて事は科学的に有り得ないのです!Q.E.D!」
鶴吉くんが何かよく分からない証明を終えた事で、お爺さんとお婆さんも落ち着いた様です。
「うんうん。そうじゃんね。お鶴ちゃんじゃもんね!」
「そうなのです!僕は鶴じゃないのです!」
「じゃあ何をしてくれるのかのぅ?」
「それは……実はあまり考えて無かったのです…。何をしたらお爺さんとお婆さんは嬉しいですか?」
鶴吉くんは素直に何をしたら良いのかを伝えました。……キレイなおめめで『お爺さんごめんね?』と言う表情をしながらお爺さんを見上げて…。
「「ぐはっ!」」
お爺さんとお婆さんは鼻血と吐血をしながらうずくまってしまいました。さもありなん。
「お爺さん!お婆さん!大丈夫!?」
慌てて鶴吉くんが二人に近寄ります。
「お鶴ちゃん……儂はもう死んでもええ……」
「私もですよ……お爺さん……。…あぁ……どうやらお迎えが来た様ですね……」
お爺さんとお婆さんが鶴吉くんの優しさに尊死しそうになっています。
「ダメぇぇぇっ!!!行っちゃダメぇぇぇっ!!!」
鶴吉くんは泣きながら慌ててお爺さんとお婆さんに近寄ります、死なないでと必死に引き止めてます。ええ子か!
「「わかった!行かない!」」
「ふぇっ?(くすん…)」
くそぅ!全然話が進まない!
「とは言え、お鶴ちゃんにして欲しい事は特に無いかな?いや、儂らと一緒に暮らしてくれればそれで良いのじゃ」
「お爺さん天才か!?…お鶴ちゃん?私もそれが一番嬉しいわ!」
お爺さんの提案にお婆さんも大賛成します。
「でも、一緒に暮らすだけじゃあ何も恩返し出来てないし…。…あっ!いい事を考えました!」
鶴吉くんは何やら思いついた様です。
「お爺さん、お婆さん、今からあの機織り機のある部屋を使わせてください。でも、この部屋のふすまを閉めたら『絶対に開けて中をのぞかないで』下さいね!」
そう言って、今いる部屋の隣にあった機織り機がある部屋を指さしてドヤ顔で提案します。
「「えぇー!覗いちゃダメなの?」」
お爺さんとお婆さんはあまり快く思っていない様ですね。まぁ知らない人が家に急にやってきて、部屋を使わせてください・中は覗かないで下さいとか言われたら、普通は不審に思いますもんね。お爺さんもお婆さんも普通の人だったと言う訳ですね。
「お鶴ちゃんを視姦できないのは悲しいのぅ…」
……普通では無かったようです…。
「え…でも、そうしないと生地を織れないし…」
鶴吉くんはドヤ顔から一転、すごくしょんぼりとした顔になってしまいました。
それを見たお爺さんとお婆さんはとても慌てます。
「いや!全然大丈夫じゃよ?うん!お鶴ちゃんにその部屋使ってほしいなぁ!」
「私も、お爺さんと一緒で、お鶴ちゃんに使ってほしいって思ってたんですよ」
こんなあからさまに態度を変えても…。やれやれ、鶴吉くんもそんなにチョロくはないでしょう…。
「くすん…。お部屋、使ってもいいの…?」
「うんうん!使っても良いんじゃよ?」
しょんぼり顔だった鶴吉くんですが、パァァァッ!っと音が聞こえそうなくらいの笑顔に変わりました。
はい、チョロインさんでした!
「じゃあお部屋お借りしますね!絶対にのぞかないでくださいね!」
そう言ってウキウキしながら部屋に入り、ふすまを閉めた鶴吉くん。
しばらくすると中からご機嫌そうな鶴吉くんの鼻歌とガタゴトと機織り機の準備をする音が聞こえてきました。
そして機織り機の準備が整ったのでしょう、服を脱ぎだすような衣擦れの音が聞こえてきました。
するとお爺さんは鶴吉くんが入っている部屋におもむろに近づき、ばんっ!とふすまを勢いよく開きました!
「えっ?えっ?えっ?」
上半身がはだけて、鶴吉くんの白いすべすべの柔肌があらわになっている(※ただし大事なところは見えません!)状態で、鶴吉くんは何が起こったのか分からずに混乱しています。
ですが徐々(じょじょ)に状況を把握してきた様で、ふすまを開けたお爺さんに詰問します。
「なんで開けたんですか!?絶対に除かないで下さいって言いましたよね!?」
「うむ!だからコソコソとのぞかずに、堂々とふすまを開けた!そこに後悔も反省もないっ!」
そう言い放つお爺さんは、全く悪びれた様子すらありません。
むしろ堂々と誇らしげにしています。
「いや違うから!中をのぞくなってコソコソと覗くって意味じゃなくて、ふすまを開けて中を見るな!って意味だから!」
急いで服を着直して半泣きになりながら懇願する鶴吉くんに、お爺さんもタジタジです。
「次はのぞかないでくださいね!」
そう言ってピシャッとふすまを閉める鶴吉くんに、お爺さんも驚いて見ているだけでした。
そうしてしばらくするとまた部屋の中から服を脱ぐような衣擦れの音が聞こえてくると…ばんっ!っとまたもやふすまが勢いよく開けられました。
「えぇっ!?なんで!?」
「覗くなと言われたが、だが断る!なぜなら儂はお鶴ちゃんの生着替えが見たいんじゃぁぁぁ!!!」
ハッキリと言い切りましたね……お爺さん。
あまりにも堂々としたお爺さんに鶴吉くんも呆気にとられてます。
「あの、生着替えは…ちょっと…。出来ればやめて欲しいんですが…?」
「じゃあそのニーソ今すぐ脱いで渡すのじゃ!それで手を打とう!」
お爺さんが何やら不穏な取引を始めました。
鶴吉くんとしては『なんでニーソックス渡したらやめてくれるんだろう?』と不思議に思ってましたが、それでお爺さんが落ち着くなら…と素直にニーソックスを脱いでお爺さんに渡しました。
「ひゃっほぉぉぉう!婆さん!脱ぎたてホヤホヤのニーソを手に入れたぞ!」
「でかしました!お爺さん!」
お爺さんとお婆さんはお祭り騒ぎです。
鶴吉くんはフェチシズムがよく分かって無い様で、不思議そうな顔をしてます。
とは言え、今がチャンスとばかりに鶴吉くんは部屋に入ってふすまを閉めました。
「はっ!お爺さん!もしかしたら、この前買ってたメイド服も来てもらえば良いんじゃないですか!?」
「婆さん天才か!?」
そしてお爺さんはタンスに大切にしまっていたメイド服を取り出して鶴吉くんのいる部屋のふすまを勢いよく開け放ちました!
すると鶴吉くんはそこには居らず、なんとそこに居たのは1羽の鶴だったのです!!!(バーン!※効果音)
鶴は機織り機の椅子に座り…座り?
…いえ、座ろうと必死になってますが、生憎人間の椅子に座るとバランスがね、その…鶴の足の位置って結構お尻側に近いので、座ろうとしては前にポテリと転がってしまって、必死なのに可愛いというか哀愁を誘うというか…。
そんな鶴でしたが、お爺さんが開けて入って来たことに気が付いて大慌てです。
お爺さんも鶴吉くんが居なくなって大変驚いている……
「お鶴ちゃん!今度はこのメイド服を着てくれんか!?」
ん?お爺さんは鶴に向かって言ってますね?
お爺さん?そこに居るのは鶴ですよ?
「じゃから、儂は鶴の姿のお鶴ちゃんに言っとるんじゃろ?」
鶴からぼふんっ!と音と煙がすると、そこには鶴吉くんが居るではありませんか!?ええっ!?どう言う事なのでしょう!?
「お爺さん……どうして僕が鶴だと分かったんですか……?」
なんと!鶴吉くんは助けた鶴だったのです!(ババーン!※効果音)
「いや、ほぼほぼバレバレじゃったし……。のう?婆さんや」
「そうですね…。なんでバレてないと思ってたのか知りたいくらいでした……」
な、なんだってぇーーー!!!
鶴吉くんも驚いています!
「そうだったんですか……!バレたのならいつまでもここに居るわけにはいけませんね……。…でも、まだ恩返ししてないのに……」
鶴吉くんは恩返し出来なかった事で、悲しそうな顔をしています。
そう言えば、機織りしようとして出来てなかったんですよね。
「えっ?なんで帰るんじゃ?」
お爺さんも帰ると聞いて悲しそうな顔をしています。
「だって、鶴が人間に化けるなんて恐ろしいですよね?だから、これ以上迷惑をかける訳には…」
そうですよね…。化けて出るなんて妖怪みたいなものですもんね。
悲しいですけど、いくらお爺さんやお婆さんでも……
「?いや、全然恐くないけど……?」
「そうですね、全然恐くありませんね…」
お爺さんとお婆さんは『なんで?』と言う様なキョトンとした顔をしています。全く恐いと思っていないようでした。
「え…?そうなの……?」
目をうるうるさせて上目遣いになって恐る恐る顔をあげる鶴吉くん。あざといです。
お爺さんもお婆さんも(鼻血を垂らしながら)ニッコリと微笑みます。
「もちろんじゃよ」
「そうですよ。私もお爺さんもお鶴ちゃんが大好きなんですから。何時までも一緒に居てくれませんか?」
「お…お゛じい゛ざん゛!お゛ばあ゛ざん゛!ありがとうございます…!」
こうして、3人(または2人と1羽)は末永く、仲良く暮らしましたとさ。
めでたしめでたし
ご拝読ありがとうございました。
今回のセクシュアリティですが、お爺さんはトラニーチェイサーと言うトランス系の人が好きな人で、おとこの娘もその範囲に入っている人です。
で、お鶴ちゃんは心も体も男の子です。見た目が可愛いだけなのですw
ではお婆さんですが、実はお婆さんはトランス女性でした。
正直、埋没してるトランス女性はもう普通の女性と変わらないのですよ。
そんな意味もあって、今回はこんな感じのセクシュアリティの発表でしたw
いかがだったでしょうか?