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もしもシンデレラがビアンだったら〜

とりあえず、勢いで書いちゃいました。

一応シリーズにしてますが、どうしよう…(汗)

昔、昔、ある所にとても可愛らしい女の子が幸せそうに暮らしていました。


ある時、お母さんが病に倒れ、ついに亡くなってしまいました。


女の子はとても悲しみました。


そんな女の子を見かねたお父さんは思い切って決断します。


「もう二度と娘を悲しませないために、病気になりそうにないほど元気で、メンタルが弱らないくらいに図太い人と再婚しよう!」


お父さんはちょっと思考回路がアレのようでした。


とは言え、資産家のお父さんに群がる有象無象の女達は当然ハガネのメンタルです。


「むー、候補が多すぎるな。そうだ!娘に兄弟がいればもっと家庭が明るくなるぞ!」


と言う訳で、有象無象の中から子持ちバツイチ女性にターゲットを絞ります。


「うん。うん。かなり絞り込めたぞ!この中から一番活きのいい女性にしよう!」


新鮮な魚でも選ぶつもりなのでしょうか?


「お!コイツは見た目がすごくキレイなのに、核戦争が勃発して世界が核の炎に包まれたとしても自分だけはしぶとく生き残るタイプだな。コイツの娘達もいい具合に母親似だし、コイツで決まりだな!」


お父さんは頭がちょっとアレですが、人を見る目はありました。


それを証明するかのように、選んだ女性と再婚して数年で不慮の事故死に見舞われます。


さて、そんな事情を知らない女の子というと…


「貴女が私の新しいお義母さんと、お義姉さんですか?」


「そうよ。私の娘達と仲良くしてね?」


「はい!お義母さんもお義姉さんもキレイで好きよ!仲良くしてね!」


何も気付かないままでした。


お父さんが亡くなり、失意のどん底に落ちた女の子に継母達は本性を表します。


「あの人が死んだ今、私がこの家で一番偉いのよ!分かったわね?分かったなら、あなたはこの家の掃除を一人でしなさい!」


失意のどん底に落ちていた女の子はその言葉を聞いて思います。


『あぁ、お義母さんは私にお父さんの悲しみを忘れさせようと、考えるヒマが無いようにこんな風に悪役をかって出てくれてるのね!』


超ポジティブシンキングです。


「分かったわお義母さん!私、頑張るね!」


「え?…えぇ…頑張ってちょうだい?」


継母も想定外の返事に混乱です。


女の子は頑張って家中をピカピカにしました。


暖炉の中までキレイに掃除をしたので、灰だらけになってしまいました。


「あなた、灰だらけじゃないの!そうだわ(笑)あなたは今日から灰かぶり(シンデレラ)ね!」


継母はまたも女の子に意地悪をします。


そんな女の子は『うふふっ♪お義母さんが私にアダ名を付けてくれたわ!きっと頑張ってお掃除したから、私との距離が縮んだのね!だから、シンデレラって言うアダ名を付けてくれたんだわ!』


さすが、あの父親の血を引く娘です。


超ポジティブシンキングに(かげ)りはありません。


「ありがとう!お義母さん!私は今日からシンデレラね!」


「あるぇー?」


そんな日常が続きますが、シンデレラは持ち前の超ポジティブシンキングで、むしろ進んで家事をしてしまいます。


そんな嫌な顔をせずに進んで家事をするシンデレラを見ていると、継母達もだんだんとシンデレラに心を開いていきます。


「ねぇシンデレラ!今度お洋服を買いに行くけど、あなたも一緒に行かない?」


「あら、姉様達と一緒に?素敵ね!」


もう原作からどんどんと離れていきます。


そんな風にシンデレラは継母達と楽しく暮らしているとある事に気付きます。


『私、男の子と遊ぶよりもお姉様達と遊ぶ方が何倍も楽しいわ!』


そう、自身のセクシュアリティがレズビアンだと気付くのです。


シンデレラもだんだんとお年頃。


エッチな事にも興味津々(きょうみしんしん)です。


ある日の事。


「ねぇ、お姉様!私がお姉様の着替えを手伝ってあげる!」


「あら、ありがとうシンデレラ。」


またある日。


「ねぇ、お姉様!今日は雪も降って寒いから、一緒に寝ましょう?」


「え?えぇ、そうね。今日は寒いから一緒に寝ましょうか。」


またまたある日。


「ねぇ、お姉様!今日は私がお姉様の背中を流してあげるわ!」


「え?…えぇ…そうね…?ありがとうシンデレラ…」


日を追うごとにシンデレラのスキンシップが過激になっていきます。


何だかおかしいと思った姉達は、母親に相談します。


そんなある日。


「ねぇシンデレラ?すごく姉達と仲が良いわね?どうしたのかしら?」


継母は思い切ってシンデレラに聞いてみました。


「お義母様!お姉様達ったらとっても可愛くて素敵なのよ!一緒に寝るととても良い香りがするし、お肌もスベスベでキレイなのよ!おっぱいもちょうど良いサイズで柔らかくて…うへへ…」


継母もどうやら予想以上にシンデレラがヤバい事に気付きます。


「そう言えばお義母様もおっぱい大きいてすよね!今度背中を流しますわ!」


むしろ狙われています。


継母達は自らの身に危険が迫っていることを自覚しました。


その日の夜にシンデレラを除いて対策会議です。


「ねぇママ、今日あの子(シンデレラ)からおっぱいをものすごく丁寧に洗われたんだけど…」


「あ!お姉ちゃん、私もよ!それと、お姉ちゃんの下着をあの子(シンデレラ)が嬉しそうに洗濯しているのを見たんだけど、「スーハースーハー…あぁ、良い香り♪」ってアブナイ目で匂いをかいでたの…」


「「「ヒィィィー…」」」


「お姉ちゃん達もそうなんだね…私、最近あの子(シンデレラ)の目が怖いのよね…」


3姉妹もシンデレラのご奉仕(セクハラ)の被害を受けているようです。


「ママ、この前私、あの子(シンデレラ)に「暑苦しいから近づかないで!あなたの汗臭い臭いが移っちゃうわ!」ってワザと嫌な事言ったの。そしたらね…」


「「「ゴクリ…!」」」


あの子(シンデレラ)、「蔑んだ目いただきましたー!もっと!もっとゴミを見る目をちょうだい!!ハァハァ!」ってめちゃくちゃ興奮してたの…」


そう言ってさめざめと泣き出した長女。


「昔はあんなに「おねーちゃーん!だーい好き♪」って言って懐いて来て可愛かったのに…」


次女もそう言って目から涙がこぼれ落ちます。


「私、あの子(シンデレラ)のお姉ちゃんでいられる自信が無いよぅ…」


3女もそう言って泣き出しました。


「あなた達!しっかりなさい!今度、お城で王子様のお妃様を選ぶ舞踏会があるでしょ?そこには貴族の子息も来るみたいだし、何としても結婚相手を見つけてこの家を出るのよ!私も誰かの後妻になれるように頑張るから!」


継母は必死で娘達を元気付けます。


「そうよ!あの子(シンデレラ)も連れて行って、誰かに惚れて貰えば良いのよ!」


長女も気合いを入れます。


「「「「あの子(シンデレラ)から離れる為にも、お互い頑張るわよ!!」」」」


4人は強い結束で結ばれました。


次の日。


「ねぇシンデレラ?」


「なぁに?お姉ちゃん?」


「今度、お城で舞踏会があるじゃない?私達、それに出るからあなたも出なさいな。」


長女がそれとなくシンデレラを誘います。


「いえ、行かないわ。むさ苦しい男達がいやらしい目で見てくるんでしょう?気持ち悪いもの。」


シンデレラはすげなく断ります。


「そ…そう…じゃあちゃんと留守番していてね?」


「えぇ!任せてちょうだい!(皆がいない内に皆の下着を…うへへw)」


ぶるり…と、長女が悪寒を感じましたがその理由に思い至ることも無く、シンデレラを結婚させるプランを諦めました。


『何としても私達は結婚相手を見つけないと!』


そんな風に長女は決意しました。


そして、舞踏会当日。


「じゃあ、私達はお城に行くからね?」


「えぇ、行ってらっしゃーい♪」


シンデレラは上機嫌です。


継母達がお城に行ったのを確認したシンデレラ。


「ふふふーん♪お姉ちゃんの下着♪お姉ちゃんの下着♪」


ウキウキしながら姉の部屋に侵入を試みます。


その時、シンデレラの目の前に光が集まり、光が消え去った時に魔女が現れたのです。


「ちょっと!あなた誰?不法侵入ね!おまわりさーん!」


シンデレラは慌てて警察に通報しようとします。


「ちょ!ちょっと待って!私はあなたの願いを叶えにやってきた魔女なの!」


魔女は通報されまいと必死にシンデレラを説得します。


「願い?」


欲望に忠実なシンデレラは魔女の言葉に興味を持ちます。


「えぇ、そうよ。あなたの願いを叶えるために来たのよ。」


魔女も必死です。


「ふむ、続けて。」


シンデレラも魔女に興味を持ちました。


「私の魔法で、あなたをお城の舞踏会に連れて行ってあげるわ!」


「いえ、お断りします。おまわりさーん!!」


シンデレラはブレません。


魔女は慌ててしまいます。


「え?あなたの姉達はあなたを置いて舞踏会に行ったのよ?悲しくないの?」


魔女には意味が分かりません。


「はぁ?なんであんなキモ男がいっぱいいる所に行かなきゃいけないの?コチラからお断りなんですけど。」


シンデレラにとって舞踏会等は、ただの拷問のようです。


「そもそも、お姉ちゃんみたいな可愛い女の子にしか興味ないし。」


その発言でピンと来た魔女はこう言います。


「王子様を射止めようとして、女の子達は着飾って来るんだけどなぁ…」


「よし!乗った!」


シンデレラは一撃でした。


「じゃあ、ネズミとかぼちゃを用意してちょうだい?」


魔女はシンデレラに問いかけます。


「はぁ?家中ピカピカにしてるのにネズミなんている訳ないでしょ?かぼちゃも昨日煮付けにして食べたわよ。」


シンデレラがそう答えます。


魔女は想定外の自体に戸惑いつつも、ココでシンデレラがゴネると舞踏会に行かなくなっちゃうので、自前で用意したネズミを魔法で馬に。自前で用意したかぼちゃを魔法で馬車に変えました。


「あるなら聞かないでよ。」


シンデレラはキレ気味です。


「私も予想外なのよ!」


魔女もストレスが溜まって居るようです。


「シンデレラ!あなたにも魔法をかけて、キレイなドレスにしてあげるわ!」


と言い、問答無用でシンデレラに魔法をかけます。


「この魔法は真夜中の12時に解けるから、それまでに上手くやんなさい!」


魔女から注意事項を言われます。


「任せなさい!全ての令嬢は私が美味しくいただくわ!」


俄然ヤル気のシンデレラです。


そう言って馬に飛び乗り、馬を走らせるシンデレラ。


かぼちゃの馬車は置いてけぼりです。


魔女は疲れた顔をして消えました。


お城に到着したシンデレラ。


「もう!あのおばさん、靴をカラス製にするとか頭おかしいんじゃないの?全然曲がらないから歩きにくいじゃない!」


シンデレラの言うことももっともです。


「そもそも、ガラスが割れたら私の足は血だらけになるじゃない!こんなのはいてられないわ!」


そう言って、階段にガラスの靴を脱ぎ捨てます。


「さて、じゃあ女の子とお話しましょ♪」


そう言ってお城のダンスホールに入った時、それを偶然見ていた王子様はシンデレラのあまりの可憐さに一目惚れしてしまいました。


シンデレラに近づいて話しかける王子様。


「やぁ、君は誰だい?私はこの国の王子なんだ。」


「黙れ。お前に用はない。消えろ。」


王子に目もくれず、そう言い放ったシンデレラは、すぐさま近くの女の子に声をかけに行きます。


「さ…さ…最っ高ぉぉお!」


王子様は普段から周りに敬語で敬われているので、シンデレラの言動は初めての事でした。


彼のこれまで自分でも知らなかった不思議な感覚に戸惑いつつも、シンデレラから目が離せません。


完全にシンデレラにくびったけです。


シンデレラも女の子をナンパするのに必死で、王子様からの熱視線には全く気づいていません。


時が経ち、シンデレラはある事に気付きました。


『もうすぐ真夜中の12時がくる!』


いきなり元の服に戻るのも場違い感が凄いので、渋々家に戻る事にするシンデレラ。


「じゃあ後で連絡するからね。今度デートしよう!」


そう言っていい感じに仲良くなった令嬢と別れるシンデレラ。


王子様も急に帰ろうとしているシンデレラを引き止めるためにシンデレラに声をかけます。


「君の…君の名は?」


「………」


何も答えずにダンスホールから出て外に向かうシンデレラ。


それを慌てて追う王子様。


シンデレラは来る時に乗ってきた馬に飛び乗り、颯爽と掛けて行きます。


シンデレラは間一髪魔法が溶ける前に家に戻ることが出来ました。


王子様は階段に残されたガラスの靴見つけ、先程去って行ったシンデレラに想いを馳せます。


「きっと、見つけ出して僕のお妃になってもらうよ!」


コレだから権力者はタチが悪いのです。


後日、王子様はガラスの靴を使い、この靴に合う女性を国中から探します。


ガラスの靴の正確な複製を作り、その複製したガラスの靴を持って、配下の者達に各家庭を回らせて年頃の娘達に履かせています。


また、王子様や当時警備をしていた者からの証言を元に作られた、シンデレラの特徴が書かれた似顔絵をそれぞれに持たせて、条件に合う女性をピックアップし、お城に呼び出す事にしました。


シンデレラの暮らす家にもガラスの靴を持った調査隊が現れます。


「お城から各家庭の調査に来ました。これが令状です。この家の女性を集めてください。」


調査隊も慣れたものです。


継母達は直ぐに集まりました。


「これで全てですか?住民票によるともう一人いるハズですが?」


継母は疲れた顔をして答えます。


「はい、もう一人いるのですが今日はデートだそうで、朝早くから出かけています。」


どうやら、先日の令嬢と上手く仲良くなっているようです。


「むぅ…ではその者は後日改めて伺います。まずはここにいる皆さんの中にこの特徴を持つ娘はご存知ありませんか?」


そう言って王子と警備から聞取りを行ったシンデレラの特徴を見せます。


「ねぇママ?これシンデレラっぽくないかしら?」


「でも、あの子(シンデレラ)は舞踏会に行くのを拒否したんでしょ?」


「でも、ママ。もしシンデレラで、王子様がシンデレラと結婚してくれたら良くない?」


「それもそうね。」


着々とシンデレラを売り渡す準備をしています。


「調査隊の皆様、恐らく我が家のシンデレラかと思います。」


継母が調査隊に話をします。


あの子(シンデレラ)は今外に出かけていますが、この特徴に大変良く似ており、王子様み目もくれず他の令嬢に声を掛ける所などあの子(シンデレラ)としか思えません。」


「そうなんですね。情報ありがとうございます。後日改めてお城への召還状を届けさせますので、その娘に渡してください。では念の為、皆さんもこのガラスの靴をはいて貰えますか?」


調査隊もお仕事なので、継母達に念の為ガラスの靴をはいてもらい、誰もはけない事を確認してお城に戻ります。


「ママ!あの子(シンデレラ)が帰って来たら直ぐに教えましょう!」


「えぇ、そうね。きっと王子様があの子(シンデレラ)をお妃にしてくれるハズだわ!」


継母達もどこかホッとした表情になっています。


後日、正式な召還状が届いたので、シンデレラはお城に行き、王子様から愛の告白をされる事になります。


王子様の告白が成功するかどうかは皆さんのご想像にお任せします。


(たくま)しく育ったシンデレラはきっと、自分の幸せを掴み取る事が出来ると思います。


どんなにツラい境遇でも、諦めなければいつかきっと幸せになれる…そんな素敵なお話でした。


お・わ・り

如何だったでしょうか?


また描きたくなったら別の童話で考えてみますね。


では、ご拝読ありがとうございました。

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