きみに あいたい
薄紅色に、あかねいろ、金色の雲が 流れたなびく秋の夕暮れ。
透明な色をまとった 木枯らしが 地面で軽くうずまき空へと、昇る、
澄んだ想いを拾って 空へ、宇宙へと、上がって行く。
きみに、君に、会いたい
それは 時に、岩にぶつかり 川底の小石を動かし 共に合わさり弾け、透明な飛沫を空に放つ 清水の様な 強く 清らな想い。
それを宵闇に、凛と輝く 一番星に さわと届ける夕の風。
薄墨色の 空の中で輝く一番星、彼はその想いを 千に 万に 夜空に散り輝く 友の星達へと伝える。
きみに、君に、会いたい。
それは、遥か彼方から訪れて 己の命を燃やしつつ、まばゆき光を 放しつつ 流れ消え行く よふばい星の いさぎよさ はかなさ 合わせた様な せつない想い。
そのせつなき ものに触れた星達は 哀れに想い 綺羅に輝くその姿 夜の帳に ひそかに隠す。
きみに、君に、会いたい。
闇夜に ぽつりと 真白い丸いお月様 白い光のお月様 想いに気づいたお月様。
それは、草葉に宿る 夜の露 それは小さく ころころと 丸い水晶 散らした様
月の雫がおりし夜 それらは 真白い光に照らされて 綺羅に瞬く 地上の夜空。
朝日が昇れば さらと消え行く 地上の夜空。
わずか 一夜の瞬き それと重なる ただよう想い どこまでも 透き通った 氷で作られた 彫刻の様に 何時かは溶け行く はかない想い。
それに触れた月もまた 放つ光を銀に変え 優しく やさしく地上を、照らす。
きみに、君に、会いたい。
月の光に包まれて、両の手を合わせて、夜空に願いの言葉を 放つ者。
ざわわと、木の葉を散らし、巻き上げながら 空に再び昇る 夜半の風。
夜半の風は、その者の想いを 拾って 空へ宇宙へと、上がって行く。
銀の光を放ってる、月が輝く 夜空に ざあと、音立て 上がって行く。
空を見上げ 想いを それに 託す者。
きみに、君に、ただ 一目 ただ ひとめだけ
君に会いたい。