第2狩.生きるか、死ぬか
いよいよ自分が降りる駅に近づいた。さっきの男の姿は人混みによりもう見えない。何か嫌な予感がするが気のせいだろう、そう思い秋葉原駅で降りた。
すると降りて階段を上ろうとした瞬間に右肩に手が掛かった。驚いて振り返るとそこにはさっきの大柄の男がいた。
思わず驚いて肩に置かれた手を振り払ったが大柄の男はまた一歩近づいた。すると胸に痛みが走った。見ると男は袖口から小さな注射器を刺していた。すると意識は朦朧となり気を失う。
***
次に目が覚めた時、ベットにいた。
「あ、お兄ちゃん起きた!良かったぁ…」
妹はそう言って安心した様子で言った。
「素花…」
体を起きらせようとしたが素花に止められた。
「お兄ちゃんまだ起きちゃダメだよ!」
するとドアの方から女の医者と2人の男性看護士がいた。
「悪い知らせが有ります。刈田洸哉さん、あなたには死んで貰います。」
一瞬何言ってるか分からなかった。ポカンと口を開けながら「は?」っと返してしまった。
「貴方の遺伝子の中には今まで見た事の無いある異変が起こっています。」
医者はそのまま続けた。
「人間狩りっていう名の細菌を知ってますか?リアル都市伝説の中で結構有名な都市伝説ですが、残念ながらそれは全て真実です。」
医者は眼鏡を指で直すとこう言った。
「そこで国は密かにこういう伝達を各病院にしました。《患者を全員調べろ。もし保菌者だったら殺せ。》と…ですが我々はあえてもう一つの選択肢を作った。保菌者の同意の元、対策を作る為に研究材料…いや、戦闘員とさして貰う。」
そして両手に紙を持ちこう言った。
「右手に有るのは死亡診断書、左手に有るのは同意書。さぁ、どちらを選びますか?」
俺は暫く考えた。そして妹にもこれに感染させたく無いから同意書を貰い、簽名をした。
その時、女の医者の口角が妖しく歪んだ事には気づいていなかった。




