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最強2人のダイナミック国救い!  作者: オリオン
第1章、ドジッ娘神様の失敗
2/21

意外な事実

魔物の襲撃、その襲撃から馬車を護って、そのまま一緒に街までいった。


「ほぉ、ここが街か」

「うん、でも、これでもまだ小さい方なんだよ、大きい所はもっと大きいからね」

「この規模で小さいのか・・・」


そこはまさに西洋の街! と言うような感じだ、家は全部レンガ作りで煙突もある。

こんな家が色んな場所にびっしりと密集している。

道はその2つの建物に挟まれ、狭く、馬車が通れそうな場所は今通っている大きな道くらいだ。

この道は、どうやらこの先にある大きめの城のような場所に繋がっているようだ。


「なんだ? この馬車は城に行くのか?」

「あはは、まさか! この街の中心で商売をするだけだよ!」

{商売用の馬車だったんだ}

「その割には品揃えが少ないようだけど?」


この馬車に積まれている積み荷はそこまで多くなかった。


「何を摘んでいたんだ?」

「えっと、塩とかの調味料かな、私達の国は小さいし、これ位しかお金になりそうな物が無いんだ」

「ふぅん、そうなのか」

「うん、だから万年金欠なんだよね」

「だから今回の旅も私しか護衛がいなかったのよ」


はぁ、大変なんだろうな、やっぱり何か大きなきっかけが無いと駄目だろう・・・ん?

と言う事はだ、もしもあの時に俺達が助けなかったら、その村は全滅してた危険性があるのか。

危ないな、本当に。


「それじゃあ、今日は私はここで商売をするよ、その間、何処かで休んでて」

「えぇ、分かったわ」


そして、俺達は自由時間になった、俺はとりあえず一緒に戦った女の子と行動することにした。

お金も無いし、土地勘も無い、1人で歩き回るのは不安だからな。


「ねぇ、あなた、名前を教えてくれないかしら」

「そうだな、自己紹介をしてなかったっけ、俺は安達 浩助だ」

{私は大谷 麻依、と言っても聞えないだろうけどね・・・悲しいよ}


麻依はしょんぼりしているようだ、表情は見えないが、何となくそんな気がする。


「安達 浩助? 変わった名前ね」


こっちでは変わった名前なのか、元の世界だとありきたりだねって言われるのにな。


「それじゃあ、私も自己紹介をするわ、私はアルデ・リンドーナ、一応騎士よ」


彼女はバラの紋章が入っている鎧を着ている、髪の毛は茶色で後ろで止めているようだ。

目の色は緑色で不思議な感じだ、そして、身長は俺と同じくらいかな。


「騎士? そうなのか?」

「えぇ、騎士よ、さっき一緒に居たリリーナ・H・シューリン様の騎士」

「はぁ!? 何、その子の騎士って事はあの子は姫様か何かか!?」

「えぇ、そうなるわね、お姫様よ」

{お姫様直々に商売に来るって・・・どうなってるの?}


普通、お姫様が商売に来るか? 襲撃される危険を冒してまで・・・

それだけやばい状態なんだろうな・・・


「シューリン国は今はかなりの財政危機なの、お姫様だからってのんびりは出来ない」

「はぁ、大変なんだな」

「えぇ、本当はリリーナは来る予定は無かったのよ、でも、彼女がどうしてもって言うからね」

「はぁ・・・? おい、じゃあ、あのまま置いていて良いのか!?」

「それは大丈夫、リリーナが見える範囲で私は行動するから」

「何でだ? 近くは駄目なのか?」

「えぇ、私みたいに剣を持った人物が近くにいたら中々買って貰えないでしょ?」


言われてみればそうだよな、普通に考えて隣に剣を携えている奴が居たら近寄りにくい。


{考えているんですね}

{みたいだな}

「それで、あなたはどうするんだ? 私としても、リリーナとしても、共に来てくれたらありがたい

 でも、あまり報酬は渡せられないから、無理にとは言わない」

{どうする?}

{勿論付いて行った方が良いと思う、私達は誰かと一緒に行動した方が良いからね}

{分かった}


こういうとき、2人いるって言うのは良いよな、話し合いをしながら進めれるし。

とにかく、2人の意見はどうやら同じ様で、ついていくって事らしい。


「どうした?」

「あぁ、付いていくよ、これも何かの縁だろうしな」

「そうか! それはありがたい!」


俺達は共に行くと言うことを約束した、そして、リリーナが商売をしているところを

遠くで見て、いつでも動ける様に待機している。

しかし、何も起きることは無かった、塩もそこそこ売れたようでリリーナは嬉しそうな表情をしている。


「えへへ、これだけ売れたら国ももう少しは大丈夫だね」

「おい、姉ちゃん、結構持ってるじゃ無いか」


そして、商売が終わり、リリーナがお金を入れようとしたとき、柄の悪い連中がリリーナを囲んだ。


「な、何ですか!」

「それをよこしな」

「駄目です! このお金は国の為に!」

「うるせぇ! 渡せって言ってるだろうが!」

「おい! 待て!」


待機していた俺とアルデは立ち上がり、その柄の悪い連中の所まで走った。


「何だ、邪魔しようってのか? 良い度胸じゃねーか」

「その人は私の主だ、大人しく引いて貰おう」

「ここで引くなら別に追撃はしない、大人しく引け」

「はん! 粋がるなよ! この人数差で何が出来る! やれ!」


柄の悪い男達はどうやら引くつもりは無い様だ、面倒だな、特に手加減が。


「おら!」

「おっと、正直手加減が難しいし、攻撃は控えてやるよ、でも、骨は折れるかもな」

「く、この!」

「少しは後悔しろ」


俺は殴りかかってきた男の腕を掴み、指の骨を折った。


「ぐがぁ! ゆ、指がぁ!」

「な、この!」


それで全員が俺の方を向き、一斉に攻撃を仕掛けてきた。

俺はその攻撃を回避し、軽く足を払ったりしながら戦った。


「こ、このガキ! 強ーぞ!」

「さて、そろそろ下がった方が良いんじゃないか?」

「お前ら、何手こずってやがる!」

「兄貴!」


男達が向いた方向を見ると、そこにはこいつらよりもがたいが良い男の人がいた。

どうやらこいつがこの男達のリーダーみたいだな。


「兄貴! このガキ! 強ーです!」

「ふん、これだけ数がいても駄目とはな、無能共が」

「へい、すみやせん」

「そこのあんちゃん、こっちにもメンツがある、ガキ相手だろうがようじゃはしねぇぞ」

「・・・そうかい」


どうやらこの男と戦わないと行けないようだ、やれやれ、面倒な。


「行くぞ!」


男は確かにあの連中よりも動きが良い、俺に一気に近寄ってきた。


「な!」

「おら!」


男の一撃は俺の腹に思いっきりあった・・・しかしだ、俺は全くいたくない。


「ぐ! 手が!」

「やっぱりそっちの方がダメージを食らったか」


やはり俺は結構頑丈な様で、殴りかかってきた男の方がダメージを食らっている。


「くそ! おら!」

「さて、リーダーを引っ捕らえたら少しは治安もよくなるかな!」


俺はその男の拳を回避し、背負い投げをした、完全に力によるゴリ押しだ。

柔道の経験なんて中学の時しか無いからな。


「がぁ!」

「兄貴!」


そして、俺に投げられた男は意識を失った、それだけ威力があったのか。


「さて、これでいいな」

「く、クソ! 覚えてろよ!」


男達はそう言い残し、兄貴と言っていた男を置いて、逃げていった。


「流石に強いな」

「アルデ、姫様は?」

「あぁ、姫様は無事だ、お前があいつらの注意を逸らしてくれている間に救えた」

「ありがとう、2人のお陰で国のお金を守れたよ!」


自分の事よりも国の為のお金の方を心配しているのか。

やっぱり変わったお姫様だな。


「リリーナ、伝えたいことがあるんだ」

「なに?」

「この男の人も一緒に行動してくれるそうだ」

「本当!? 嬉しいよ!」


リリーナは俺の手を握り、嬉しそうにぴょんぴょん跳ねた。

何だか恥ずかしいな、こう言うのって。


{喜んでるね、よかったよ}

{あぁ、そうだな}

「それじゃあ、今日すぐに帰るんだ、宿代は無いからね」

「忙しい行商だな」

「仕方ないよ、シューリン国はお金に余裕が無いからね」


そして、俺達はすぐにこの街を出た、そういえば、リリーナって姫様っぽく無いよな服が。

お姫様のイメージは豪勢なドレスに宝石が入っていて、王冠も同じ様な感じだと思っていたが

リリーナは茶色い地味なドレスで王冠は無く、髪の毛は白くて目は青だ。

これじゃあ、ぱっと見でお姫様だって分からないよな。

下手したらアルデの鎧の方が金がかかっていそうだ。

でも、2人とも鎧や服は結構ボロボロだ、苦労しているのがよく分かるぜ。

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