小話いち。
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ある日の午後久しぶりに行った、とあるジャングルなお店で素敵な物を見つけた。
犬耳、尻尾。
珍しく黒くてたれた耳。
ふさふさの尻尾。
一目惚れだった。
旦那様に頼んでつけてもらおう!
私はそれを衝動買いした。
「って訳で買ってきちゃいました!」
「………若葉さん………それは、誰得なんですか?」
「私です!旦那様の可愛い姿にモエモエします。」
「………」
旦那様はしぶしぶ耳と尻尾をつけてくれた。
私はキュンキュンしながらそれを写メにおさめた。
「旦那様素敵!可愛い!」
「………何が楽しいのですか?」
「解りませんか?この撫で回したくなる様な旦那様の可愛さに。キュンキュンするんです!」
旦那様は首をかしげるとニコッと笑った。
「興味深い。」
旦那様は私に抱きつくと少し持ち上げるようにして私の唇をペロリとなめた。
「!ななななな!何で?」
「犬ですから。撫でて良いですよ。俺はご主人様にじゃれつきますから。」
「!ま、待って。」
旦那様は私の言葉を完全に無視して私の唇を何度も何度もなめてきた。
「だ、旦那様~も、っん、もう許して!」
「若葉さん…可愛いです。」
旦那様のじゃれつきに私は返り討ちにされたのだった。
後日、旦那様は黒猫の耳に尻尾にフリフリのエプロンドレスを買ってきた。
「若葉さんに似合うと思ったので………付けてくれますね?この間俺は、やりましたから。」
「…………やらなきゃ駄目?」
「はい。駄目です。」
旦那様の返り討ちに私は泣きそうになった。
「可愛いです若葉さん。」
私は黒猫メイド姿に流石に羞恥心で涙目になった。
旦那様はそんな私の目元にキスをして笑った。
「………若葉さんは何でも似合いますね。………無駄にエロい。」
「な、何言ってるんですか?」
「………何って、若葉さんにキスしたいって話ですけど?」
「!?」
私はその時はじめて気付いた。
旦那様に滅多なことをすると自分の首をしめる事になるのだと。
end