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「はやく、かえったほうが」



いつから雨に打たれいるかわからないそいつは

全身びしょ濡れで。



「かぜひくよ」



そう声をかけて背を向ける。


オレも今日からは何もない日々を

きっとあいつも。


きっと、あいつもそうなんだ。




きっと、あいつも何かを捨ててる。




「ねえ」




か細い声で呼び止められて、ふいに振り向く。





「俺と同じですよね」



色を映していない瞳



「うん、きっと」


「んふふ、やっぱり」


「おまえも、なんかすてたんだろ?」


「そうですね」



そいつは俯いて小さく呟いた。



「捨てられた、が正しいのかな」




ああ、あの瞳、オレと、一緒だ。






「いくとこ、あんの?」


「ないですよ、そんなとこ」




ほら、やっぱり。


ないっていうと思った。





オレと同じ

全てを諦めた瞳をしていたから。

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