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プロローグ
ねえ、君は覚えているかな。
君が突然いなくなったあの日。
オレのココロが壊れたあの日。
君はあの日何もかもを捨てて、
きっと、セカイまでを捨てた。
あの日もこんな大雨だった。
君がどこかで泣いているのかと思った。
全てを捨てた自分に絶望して
これからの未来に不安を覚えて
泣いていればいいと思った。
そんなのは、自業自得だと思った。
いや、ちがう。
ホントは、オレのことを
オレのために泣いいてほしいと思っていた。
君が何もかもを捨てたあの日
オレは君のいない日々を捨てた。
泣き疲れて
自分すら捨てようとしたときに
出逢ったんだ。
オレと同じ目をして俯くそいつを。