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初陣 2

 黒江達の初陣相手はユー連。


通称、北ユーラシア連邦条約機構。ソビエト連合が主体となり、真っ青な国旗の真ん中にはソビエト国旗の国章――印象的なハンマーと鎌――に。


 左斜め下には中国の国章――大きな星から分派する五芒星――が。


 右斜め下にはイスラム圏八ヶ国を連ねたイスラム共和国の――四つの三日月と中央に黒いサーベル――国章。


 それぞれ混在した国旗を元に、実質的な連邦国家に近い形として成立している。


 ルディナと呼ばれる通貨を、このユー連の経済圏で共通使用されているのが、その証左である。


 資金から資本財産、不動産、通帳といったあらゆるものをユー連共産党員が監視している。いわゆる中央集権的な政治体制である。


 そんな訳で、今回の作戦は台湾島や対馬といったNAC側の防衛基地付近に哨戒部隊が集結中という情報が入ったので、その視察、兼迎撃戦という所になる。


 とは言え、目標となるのは戦闘機の類ではなく、潜水艦掃討用の巡洋艦である。


 これが対潜水艦の場合なら、比較的死地に送られるようなレベルだが、今回の巡洋艦には、最近開発が進んでいるというユー連が極秘裏に開発を行っているらしいイージス・システムはおろか、対空攻撃能力は皆無。


 対戦闘適性だけを考えれば、巫女付きの敵としては取るに足らない相手だ。


 安全面を考慮した際、こういった視察系任務が比較的安全度が高いので、新人御用達の任務となっている。


 しかし、当然ながらそれを敵側も黙って見ているはずもなく、新人パイロットが来るかどうかを予め見極めて熟練の対空迎撃艦を大量に送り込んで来る事もあるらしい。


 さらにそれを狙った対艦戦の迎撃航空部隊を送り、さらに、さらに。と延々と続いていく、まぁその辺りは戦術、あるいは戦闘ではなく戦略レベルの話だから、佐官どころか尉官未満の僕には、どう足掻いたところで後二十年は関係ないだろう。


 だが、一つだけ。


 確実に言えることがある。


 こうした騙し合いの中にあっては、どのような条件状況下にせよ。


 完全な保障はなど存在しないということだ。

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