チャンス
学校につく。
なぜか教室に行くことさえドキドキした。
教室に入る、彼女はまだいないようだ。緊張する。なんて話そう。
と考えていたら急にドアが開いた。
「おっはよーー」
彼女だ。僕もすかさず。
「おはよう!」
とあいさつしようとしたが
「お、お、お・・・・・・」
昨日と一緒だ、緊張して舌が回らない。
またチャンスを一つダメにした。しかし今日の俺は、一味違う。なぜなら一大決心したのだから。
「チャンスは自分から作るものだ」
そう考えた俺は、わざと消しゴムを落とした。
だが、彼女は何も言わずに消しゴムを俺の机の上に置く。作戦失敗だ。しかし今日の俺は違う。
「あっしまった。」
わざと声を出して消しゴムを落とした。
しかし今回も彼女は無言で、机の上に置く。何回同じことをやったことだろう。その時気付いた。
「作戦失敗だ」と。
しかし俺に思いがけないことが起こった。授業中に彼女が消しゴムを落としたのだ。消しゴムは僕の足元まで転がってきた。おれは思わず拾い上げ。彼女の机の上に置いた。
「ありがとう」
彼女は言った。かわいい。
俺は、ここで決めると心に決心して。
「ど、ど、どういたしまして・・・。」と
小声で言った。
記念すべき通算第一回目の会話成功の瞬間だった。
その日の俺の気分は最高だった。何回も会話のシーンを思い出し、一人でクスッと笑った。相当気持ち悪かったはずだ。女子の陰口が聞こえてきた。
しかしそんなこと関係ない素直にうれしかった、もう一度話そうと奮闘したが、今日これ以上の収穫は得られなかった。
その夜、また俺は、今日の会話のことを思い出しにやにやしていた。
「明日はどうしてやろう。」
なんて考えながら眠りに就いた。
夜中、急に目が覚める
「トイレに行こう」
そう思った俺は、トイレに向かった。しかしその途中階段から滑り落ちる。
「どおおん」
ものすごい音がした、親があわてて部屋から飛び出す。幸い擦り傷程度だったが。とにかく痛かった。しかしその最中、俺は思いついた。
「これしかない」
「これでいこう」と。
朝、目が覚める、俺は昨日思いついた作戦を練り直し完璧なものに仕上げた。
これが作戦ノートの内容だ↓
作戦ナンバー2
概要 昨日のことをネタに彼女を笑わせる。
詳細 給食の時間に何気なく近くの男子に話しかけ、昨日のことを話す。そこに彼女が食いつき俺の話を聞く。
備考 失敗時には臨機応変に対応
学校への足取りは、軽かった。なんだか彼女との距離が近づいたような気がした。
学校に着いた。俺は、覚悟を決めて教室のドアを開いた。