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婚約破棄されたら反婚約倶楽部に強制加入された令嬢の件

作者: 山田 勝
掲載日:2026/04/12

「リヨン、婚約は破棄だ。真実の愛に目覚めてしまった」

「リヨン様、ごめんなさい」


「ジャスティン・・・やめて、せめて、解消にして」

「父上が許すわけないだろう」



 嘘、学食でそう言われた。前々からそうなると分かっている・・・

 いや、ジャスティンとの婚約解消は良い・・・が良くない。


 我国では貴族は幼少の頃から婚約者が決められる。


 ザワザワと喧噪が消え。皆の耳目が集まっている。



「じゃあ、リヨン、君の幸せを祈っているよ」

「リヨン様なら良い相手いるわよ」



 噂が広まるわ。早く帰ってほとぼりが冷めるまで休学をしよう。

 私は急いで帰ろうとしたら捕まった。



「ちょっと、ちょっと、リヨン様聞いたのだからねっ、婚約者いなくなったのだからね」


 男爵令嬢サリー様に捕まった。


「反婚約倶楽部にようこそだからねっ!」



 そう、この学園には婚約者がいない令嬢の倶楽部がある。

 反婚約倶楽部だ。

 サリー様の見た目は可愛いが、男爵家が貧乏なので婿に来たがらない。

 断ろう。



「オホホホホホ、今日はお祖母様が来られるから・・・・」

「とにかく来るのだからねっ!」


 問答無用で反婚約倶楽部に連れて行かれた。


 ここでは・・・



「新しい仲間だからねっ!」


「「「おめでとう!」」」


 婚約者から破棄された令嬢や事情があって婚約者がいない令嬢が集まっている。

 稀に婚約者がいない良い殿方の情報交換。アタックの練習などを行う。


 他には。


「さあ、活動だからねっ!」


 皆で雁首を揃えて門に並ぶ。

 仲良く並んで帰るカップルに。


「ヒューヒュー!仲良くやってるのだからねっ」

「「「ヒュー!ヒュー!」」」


 とはやし立てたり。


「ロミティ!怖いわ。反婚約者倶楽部よ」

「ジュリエッタ、僕の背中に隠れて!」


「さあ、リヨン様も指を口に入れてはやし立てて!」

「はい・・・」


 盗んだ馬車を乗り回したり。



「お嬢様!勝手に乗っていかないで下さい!」

「後で返すのだからね!」

「「「「ヤッホー!」」」



 ロクなことにならないと薄々分かっておりますが、仲間になるしかなかったのです。


 この国では戦争の影響で殿方の人口が少ないのです。

 ですから、私は一生独身でしょう。



 仲間には、身長2メートルを超えるリョーショ様、国旗を旗竿ごと背負っている令嬢がいる。


「ウホ、ウホ、殿方をさらう・・・ぞ」

「それはお止め下さいませ!」


「リョーショ、それは最後の手段だからね!」

「ウホ?」


 ウホウホと言う、顔にまで筋肉が出ているわ。騎士爵の令嬢のようだわ。



 そして、婚約者のいない優良な殿方を見つけたら。



「皆、アピールだからねっ!投げキッスだからねっ!」

「「「「はい!」」」



「ヒィ、何だ、これは・・・」




 始めはイヤイヤだった。

 だけど、ジャスティン様から呼び出しを受けたわ。


「リヨン、それやめてくれないか?」

「ジャスティン様・・・」


 復縁の話かしら。


「君が奇行に走ると僕のせいみたいではないか?」

「そんな・・・」


 自分の事ばかりだわ。

 何か吹っ切れた。




「両手で投げキッスですわ!」

「ヒィ、やめてくれ!」



 投げキッスが開眼した。


 始めて教師にも反応したわ。


「皆様、女性に家無しですわ。父に従い。夫に従い。老いたら息子に従う。ここ試験に出ますわ」


「ちょっと、私、婚約者いないのですけども!どうしたら良いのですか?」


「ま、待ちなさい」




 すっかり不良になってしまい。

 反婚約者倶楽部の三大令嬢になったわ。男爵令嬢サリー様、リョーショ様、そして私、リヨンよ。


 三人で廊下を歩くと皆が道を空ける。

 婚前交渉をしていないかの見回りを自主的にする。


「ロミティ」

「ジュリエッタ」



「ちょっと、ちょっと、学園でキッスしているのだからねっ!」

「ウホ!」



「「ヒィ」」


 キスをしようとした二人を止める・・・・



「ねえ。サリー様、リョーシュ様、これは違うか・・も」

「リヨン、どうしたのだからねっ!」



 ある日、むなしくなってきた。

 時々。反婚約者倶楽部と衝突するようになった。



「・・・本を読もうかしら・・・あ、キャ」

「あ、失礼」


 図書室で本を取ろうとしたら殿方と手が触れあった。


「あの、歴史書がお好きで?」

「はい、この本お先にどうぞ」

「いえ・・では一緒に読みましょうか?」


「婚約者様に悪いわ」

「いえ、病弱だったのでいないのです」



 お名前はアルベルト様、伯爵家の次男、領地で療養し治ったので王都に出てきた。


「実は、勉強が遅れていて・・」

「まあ、私が見て差し上げますわ」


 なんて静かな方、誠実でもある。



「リヨン様、私の両親にあって欲しい・・」

「そ、そんな私は反婚約者倶楽部ですわ」

「知っている!そんな過去も大好きです」



 どうしようかしら、サリー様、リョーシュ様に・・・言わなくてはいけない。


 と思い。反婚約者倶楽部の部室のドアを叩いたら。



「ウグ、ウグ!」


「ジャスティン様?」


 ジャスティン様が縛られていた。



「遅かったのだからねっ」

「遅いぞ・・・ウホ」


「どうしたの。皆、集まって」



「ジャスティン、勝手に婚約破棄をして勘当されたのだからねっ!」

「ですから何故?」

「リヨンと復縁しようと付きまとっていたから捕まえたのだからね」


「ウホ、ウホ」

「それじゃ、お相手は?」

「速攻で修道院だからねっ」


「リヨン、やりなそう。父上からつれて来たら復帰させてやると言われた」


「どうする?リヨン様」


 私は・・・


「実は・・皆様に報告が」


 アルベルト様の事を言おうと思ったらサリー様が遮った。


「知っているのだからねっ、反婚約者倶楽部卒業だからね」


「「「「おめでとう」」」


「皆様・・・・グスン」



 結局、反婚約者倶楽部の皆様は国費で留学になった。そこで殿方を見つけろとの王国の処置だ。

 いえ、一人だけ王国に残る事になったわ。

 リョーシュ様とジャスティン様の婚約が決まったわ。



「ヒィ、襲わないで!」

「ウホ!」


 まあ、リョーシュ様、嬉しそうだわ。


 おめでとうリョーショ様。


 大空にサリー様と仲間たちの笑顔が浮かんだわ。



最後までお読みいただき有難うございました。

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― 新着の感想 ―
まったくもうwwwwwwwww
シリアスじゃないだろ、シリアスじゃ! そこに一番笑ってしまった。
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