9 偉大なるマスターマーゾによる修行
王都シルキリアにて
魔王襲撃の難を逃れた宿屋に入ると、女店主がいたので
失礼。
え?は?え?ちょっと!
背後を通り店内の内側へと失礼する。
僕のあとをついて例のメンバーがついてくる
すまないな。
悪いな姉ちゃん!
すまない!
ごめんなさい!
ごめんなさい!
すいません!
すいません!
台所に入ると
そこにあった扉から魔王マーゾの声が聞こえてくる。
まったくこれほどの魔法いつの間に・・・
ガチャと扉を開くと僕たちは部屋にやってきた
マーゾいますか?と声をかければ
振り返り魔王は言った
ゼロスいままで何をしていた。
魔王は豪華な椅子に座っている。
椅子の目の前にある机には巨大な模型が置かれ。模型の中で小人たちの戦争が行われている
魔王の前に回り込むように部屋を歩くと
仲間を連れてきた。と言って後ろのメンバーを見せつけた。
なに!
なんと!
マーゾとバゴアが驚く
それは白い服の少女ミリアも同じだった。
魔王マーゾと魔王バゴア!魔王が二人も!
それは連れてきた連中も同じようだ。魔王の存在に驚いている。
マーゾは言う
全員、魔王なのか・・・。
唖然とするマーゾ
僕は言う
異世界の魔王デス・ムント・デス。
それが君たちに魔王メガロス・エドモをけしかけた真の敵!
マーゾには彼らを鍛えてもらいたい。
全員うなずく
こらえきれない笑みを浮かべるマーゾは言った
すぐに取りかかるとしよう。ついてこい。
修行が始まる。
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最初に何ができるかを知る必要がある。
ゼロス、相手をしてやれ隙があれば容赦なく叩きつけろ。
ええっ、わかりました。
カブリート。
ふん、
不服そうに背後から魔王カブリートが姿を現す
さあ、いつでもどうぞ。
僕がローブから伸ばした両手を広げると凄まじい魔が威圧感として流れ出す。
全員プレッシャーに気圧されている。
それぞれが僕に襲い掛かるため武器を構えた。
持てる技を振るいに来るのだろう。楽しみだ。
女騎士レシーヌが言った。
いいだろう。ゼロス!師の名に恥じぬと言うのなら私の剣を受けてみよ!
女騎士レシーヌが叫び、剣を振りかぶる
それを剣杖で受けた
キン!と音が鳴り、火花が散る。
苛烈な連撃が襲いかかる。
剣は純粋な技の研磨のためのみに振るわれ
穢れを払うかのような清んだ音色をあげていく。
遅いですね。
剣を軽く横に受け流す
レシーヌは激怒して叫ぶ、本気を出せ!
本気・・・。
出したら死ぬとは言っていいものだろうか。彼女の自尊心を打ち砕いてしまわないだろうか。
と、数瞬悩み、全力を出すことにした。
黒魔法・メラース・ズィナミ!
カブリートを介してカブリートの黒の力が僕にオーラとなってまとわりつく。
最上位能力強化魔法が僕の能力を2倍にする。
はあ!
うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!
身体強化した黒魔法の拳がレシーヌを1600mぶっ飛ばす。
Lv99の身体能力の二つ分の倍化だ。つまり4倍の威力、当然の結果だろう。
バコーン!
レシーヌが遠くの岩に激突して首と手足をねじり骨折しているのが見えた。
ああ、黒魔法での強化はやりすぎたようだ。人に向けていい魔法ではないな。
そう思い強化を解除する。
このレベル差、生身ですら桁違い。相手が戦士だからと少し気負いすぎたか。
立て続けに格闘家のダンザが叫ぶ
レシーーヌ!
邪剣のサンツも叫ぶ
おい!なんだよあれ!なんだよあれ!なんだってんだよ!化け物かよ!それに見たことがない魔法!まさか!あいつも魔法武器なしで魔法を使えるのか!
少年ノエルが言う
ただの魔法じゃない!
正確には身体能力のみでも勝てますとは言わない。
驚く面々に僕は冷静に説明をする。
いまのはもう使いません。
ああ、言い忘れていましたが。そこの魔王は僕よりも強いそうです。
ダンザが拳を構えるとメラメラと闘志を燃やしているのがわかった。
負ける気は毛頭ない!くおおおおおおおおおおおおおおお!
ダンザの拳が飛んでくる。
それを避けながら遠くで痙攣しながら自己再生しているレシーヌを見た。
最悪不死と魔王の力があるから時間を待てば復活するだろう。
そう冷静に思考していた。
ダンザが叫ぶ
魔王を倒すために練り上げたこの拳!どこまで通用するのか確かめさせてもらうぞ!
うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!はあ!はあ!はあ!はあ!はあ!はあ!はあ!はあ!はあ!はあ!はあ!はあ!
連打で拳を繰り出すも僕からすれば少し避ける程度で十分だ。
拳が体すれすれをむなしく通過していく。
その程度・・・遅すぎますね!
はああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!
ツンツン、と左足を突っつき、ツンツン、と右足を突っつき、バランスを崩したところで
ぴしゃん!と双剣杖がのどを打つ
ぐぼおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!
変な悲鳴をあげる格闘家ダンザ
おおおおおおおおおらああああああああああああああああああああああああ!
邪剣のサンツが襲い掛かる。
それを素手で軽く受け止める
相手の隙を突こうとするいい殺気です。だがレベルの地力が違いすぎる。
ふん!
ぐあ!
片手でもだえ苦しむダンザめがけて叩きつけると、地面がクモの巣を描くように砕け散った。
プリズマもウィンもミリアもノエルも全員が一度に襲い掛かる
カブリート!
僕の呼びかけに反応して瞬時に魔王が姿を現す、形のない魔力が有形無形両方の性質を持つ、手のような壁のようなものとなり猛威を振るった。
はぁぁぁー!
魔王の腕が自在に伸び全員を叩きのめす。
魔王マーゾが言った
そこまでだ!各々の実力は理解した。しばし休憩をはさむとしよう
そう言いマーゾはどこかへと行ってしまうと
くっ、不覚。
足を引きずりながらレシーヌが帰ってきた。
それからしばらく休憩してマーゾは話を始める。
今後の方針を説明する。しばらくは基礎体力の向上と組み手だ。
サンツ、ダンザ、最初はお前たちだ。
レシーヌとプリズマ、ウィンとミリアとノエル、お前たちで組み互いに修練に励め
いくよ!サンツ!ダンザ!
そう声をかけると、僕めがけ2人が一気に襲い掛かる
そのまま訓練を続けろ。我は王都へ向かう
そう言い残しマーゾは行ってしまった
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崩壊した大聖堂の前にマーゾは来ていた。
まさか被害がこの場所まで届いているとは、すぐにここに来なかったのは失敗だったか・・・。
現場は地獄だった。
数日が経過し、被害が迅速に片づくなどということはなかった。
いまだシスターだった女たちが大勢死に、無造作に投げ出されておりその上に巨大な建物がおおいかぶさり撤去できずにいる
主、パリョ・テオスを模した石像は顔が砕け黒いすすに包まれている。
ガラッ、
いま音を立てて石像が崩れ落ちた。
だがそんなものはどうでもいい。
崩壊したがれきの中央、崩れ落ちるように黒い喪服の女が座り込んでいた
ロザリス!
慌ててマーゾが駆け寄る
ロザリスは放心していた。しばらく何も食べていなかったのか、薄っすらやつれてすらいる。
パーシーって言って、この子ね。とても優しい子だったんですよ?
泣きつかれ涙も枯れ果てたのだろう。憔悴しきっていた。
行こう。このままでもロザリス殿まで死んでしまう。
マーゾはロザリスの手を引き、隠れ家へと移動した。
修行の休憩をしていたサンツが聞く
おい、なんだその女?
ゼロスが言う
みんな!休憩にしましょう。
ほかの訓練をしていた弟子たちもゾロゾロと目の前に集まって来る
彼女はロザリス、傷ついているので静養させる。ゼロス、ベッドの用意を頼む。
え、ええ!
急いで準備を始めるゼロス
それから無気力だったロザリスの世話をしていると数日が経過してロザリスが目を覚ました。
マーゾ様、ここはいったい・・・。
そう言ったロザリスは死にそうな青白い顔をしていた。
そんなつらそうな顔をしている者をおいそれと返せるはずもなかろう。
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数日後、マーゾ達は訓練をしていた
王都から異空間に位置するこの場所は最高の隠れ家だ。
扉が開き、静養していたはずのロザリスが顔を出す。
マーゾは聞く
ロザリス、もういいのか?
ええ、お陰様で助かりました。
そうか。
そうは言うものの、改めて泣き疲れたのか目が腫れており、どこかはかなげだ。
しかし、数日前より少しはいい表情をしている。
もし、行くのなら、いろいろと入り用になるだろう。これを持っていくがいい。
そう言ってマーゾは、ずたぶくろをロザリスの目の前に落とす。
ロザリスが拾い上げると中からジャラジャラと音が鳴る。
中身は山ほどの金貨だ。
ありがとう・・・ございます・・・。
気にするな。大聖堂の教祖とは浅からぬ仲だ。
はぁ!でやぁ!
ゼロスを相手にレシーヌとサンツ、弟子二人が激しく戦い修行している。
カブリート!
ゼロスが叫べば、異界の魔王が顕現し相手になる。
うおおおおおおおおおおおおおお!
魔王相手でも何度も見馴れたからか、ひるまず二人は挑んでいく。
そんな光景を見ながらマーゾはこう切り出す。
彼らはあの街の惨状を引き起こした怪物と戦う我が同志たち。
その一言でロザリスの目に光が宿る
魔王と・・・戦う?・・・では!
偽らず語ろう。
我は魔王マーゾ、異世界からの侵略者にして同胞を手にかけた怨敵異世界の魔王デス・ムント・デスを討つ者。
いまは戦力増強に我が弟子たちの修行を見ているところだ。
はっ!とした顔をしたかと思うとロザリスはすべてを悟った顔をした。
大聖堂内の聖なる絶対不可侵領域。その中にまぎれる魔の気配、なるほど、そういうことでしたか。
ロザリスは遠くを見ると言った
私には戦うすべがありません。
ですがあなたちの戦いの行く末を見守ることならできます。
お側に置かせていただきます。嫌とは言わせませんよ?ふふっ、
カラ元気な笑顔を見せるロザリス、顔は笑っていてもどこか精神的に折れてしまいそうな不安定な雰囲気がある。
マーゾはそれも受け入れる覚悟で言葉を選んで言ったのだろう。
無論だ。願うなら叶えよう。同志ロザリス。
いつまでもあなた方のお側に
≪ロザリスが仲間になった≫
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3か月が過ぎた。
さあ、おやつですよ。
ロザリスが焼いてくれたクッキーが机に並ぶ
わああーー!おいしそーー!
休憩の時間みんながうまそうに食べる。特にミリアとプリズマが幸せそうにクッキーを食べている。
そんな平穏な一面と厳しい修行の日々を送っていた。
ある日、修行を続ける彼らに魔王マーゾは言った。
基礎的な修行はここまでにしよう。
みんながマーゾに視線を向ける。
不気味なフードの女だ。
プリズマ、お前には魔王ディリティリオの仮面に溜め込んだ強力な呪いを自在に扱うすべを教えよう。
黒服の少女と白服の少女だ。
ウィン、ミリア、お前たちは互いが離れていても、魔王トゥリパを呼び出すすべを教えよう。
筋肉質なゴリラみたいな格闘家の男だ。
ダンザ、お前は強くなることで魔王モノマヒアの血をものにするすべを教えよう。人を超えた動き、知れば世界が変わるぞ。
女騎士だ。
レシーヌ、転生前の記憶を呼び覚ます方法を教えよう。それだけで剣技は倍の経験を得ることができる。それに加え魔王デアをその身に自在に宿らせるすべを教えよう。
邪剣の男だ。
サンツ、お前には魔王エファアルティスの封印を解くすべと、真の魔剣をどのように扱うか、そのすべを教えよう。
そして少年だ。
ノエル、お前には役立つものを教えよう。
出発準備をする間、鍛練に戻ったダンザとサンツとレシーヌ
みんなの修行をアリシアに見せようとロザリスが姿を現す。
抱き抱えたアリシアが手を振ると
ダンザとサンツがにへ~、と笑顔で手を振って返した。
バカめ!とレシーヌがダンザとサンツを小突く
遠慮がなくて何よりだ。信頼関係が出来上がってきている証拠だろう。
それから休憩を挟み、ロザリスの抱えた赤子をレシーヌ、プリズマが見て微笑み。
ミリアとウィンは互いに声をあげ触らせてほしいとねだる。
ほら、落とさないようにね。そう言われ
そっ、と抱きかかえるとふわりとつぶれてしまわないかと二人で優しくあやす。
泣き出してしまったアリシアをプリズマとレシーヌが泣きやませようとしてそれができず、
ロザリスが馴れた手付きで赤子を抱きかかえると、大事そうに左右にゆすり、あやしつけ。泣き止ませる。
ロザリスがアリシアを寝かしつけるとマーゾに言った。
こうして赤ん坊を抱いているとまるであの子たちが小さいころを思い出すようです。温かい・・・本当に・・・温かい・・・。
そう言いロザリスがボロボロと涙を流していた。
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それからしばらくがたち、死の空気がただよう森、そこにプリズマを連れてきた。
プリズマと言えば不気味なフードの女だ。
マーゾは言う
プリズマお前はここで精神統一を続けろ。森がお前に魔王ディリティリオの仮面の呪いを説いてくる。
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誰もいない。朽ちたの聖堂の跡地
黒服の少女と白服の少女だ。
ウィン、ミリアお前たちにこれを授けよう
マーゾが渡したのは幾何学的な模様の描かれたペアリングだった。
ウィンお前は魔力をミリアに流せ、ミリアお前は魔力をウィンに返せ、そうして二人の魔力を混ぜ合わせることで魔王トゥリパを呼び出すすべとなる。
ミリアが返事をする。
わかったわ!
はい!マスターマーゾ!
ウィン!マスターなんて言うことないのよ!相手は魔王なんだから!
嫌われたものだな。
そう言ってマーゾは笑った。
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僕とマーゾはサンツの修行に向かう
暗黒の洞窟、マーゾは邪剣のサンツに言った。
お前は魔剣の本当の恐ろしさを知らない。この中でそれを学ぶがいい。
そう言って洞窟に一人サンツを残しマーゾは去る。
えっ!
と声をあげるサンツ
では、サンツ見ているよ。
お、おい!
僕もサンツの声を無視してマーゾを追いかけた
マーゾ
なんだ?
この修行、少々危険なのではないだろうか?あれではさすがに・・・。
危険か?そうはならんさ。
サンツはつぶやく
お、おいおい。マーゾとゼロスのやつ本当にいなくなりやがった。
・・・。
な、なんだ!
沈黙の中に、音ではない気配を察知する。
無音の足音のような、死人の足音だ。
鳴らない音が聞こえる気配がする。
異常と狂気の世界、死の気配に言葉では言い表せない恐怖を感じ取るのだった
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断崖絶壁の孤島
マーゾは言う
レシーヌ、お前は前世を知る必要がある
ゼロス。
ええ。
僕もマーゾに言われるままにレシーヌの前に立つ
マーゾに教わった通り僕の魔力を送り込み前世の記憶を覚醒させる。
ぐ・・・う・・・うあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!
レシーヌはもだえ苦しみ、髪を振り乱してからフラフラと両ひざをついて膝付く。
額から大量の脂汗をかいていた。
マーゾは言った。
いま確かに前世に得た数十年分の経験がお前の元へと戻った。
これでさらなる剣技の技巧を扱えるようになるはずだ。
レシーヌは肩で息をしている。
はあ・・・はあ・・・はあ・・・うう・・・お父様・・・お母様・・・お許しください・・・私は・・・私は・・・なんてことを・・・。
疲れただろう。ついて来い。少し休むといい。
レシーヌはトボトボと歩きゲッソリやつれた顔で言った
魔王に教えられるとはな。礼を言おう。・・・マスター・・・マーゾ。
ふん、マーゾは不適に笑った。
現金なやつだ。身に染みてから、ようやく弟子としての自覚が出てきたか、いいだろう。お前の身に魔王デアを宿らせるすべを教えよう。
その後の修行明けに前世のことをカブリートに聞いてみることにした。
彼女に何があったのかお前は知っているのか?
カブリートは少し思案する。きっとレシーヌのことを話すべきか考えているのだろう。
しかし、しばらくしてカブリートは口を開いた。
ああ、あの女は、前世で魔王となって友軍敵軍問わず戦場で暴れたのだ。それから話は続いた。当時の悲惨な戦いの話だ。
昼間のレシーヌはそのときのことを思い出していたからボロボロと涙を流していたのだ。
マーゾはそんな気持ちを知らずとも悲しむ表情を見て慰めるように言葉を贈っていたのだ。
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霧の深い山の渓谷、前が何も見えない白色だった。
ダンザお前には魔王モノマヒアの子孫として血を覚醒してもらう
霧の中から化け物が現れる
化け物を殺すには、常人の数倍の魔力が必要になる。
化け物たちはこの渓谷にいる限り、新鮮な肉であるお前を食おうと襲い掛かってくる。生き延びてみせろ!
しゃあ!
威勢のいい叫びをあげダンザは霧の中へ走って行った
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さて、ノエル。お前だが・・・。
剣技と、それから魔法も教えよう。
だがはっきり言おうお前には才能がない。
僕はマーゾに声をかけた
マスターマーゾ
なんだ?マスターゼロス
彼には魔道具を作らせたらどう?
魔道具を?なぜだ?
僕はノエルに聞こえないようにマーゾに耳打ちする。
彼の自力だけじゃ今後を考えればパーティーに貢献できない。
彼の意思はくみとるなら、戦闘以外で役に立たせたほうがいい。
それなら彼の面目も立つじゃないかい?
いや、しかし、
僕がフォローしよう!それでどうだい?
いいだろう。ではノエル、マスターゼロスからの助言だ。
お前には剣と魔法だけでなく魔道具に関しても我が叡智を授けるとしよう。
さてとマーゾに言った手前僕も力を貸すとしよう。
僕は核兵器の概念についてノエルに教えた。
すごい!どうしてそんなすごいものを知っているんですか!
前世で知ったからだとは言わないでおいた。
す、すごい!さすがマスターゼロス!
修行の方針は決まった。開発あるのみだ。
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アリシア3歳の誕生日だ。
隠れ家にみんなで集まるとケーキを囲んで誕生日を始める。
アリシアおめでとう
みんな笑顔で祝う
大事にしてね。
ミリアから赤い宝石のネックレス、ウィンから青い宝石のネックレス、二つで一つの宝石だ。
レシーヌからは一級品の剣
プリズマが渡したのはレシーヌが持っていた剣とデザインの似た女の子らしい髪飾りだった。月の光に似て上品に輝いている。
ほら、つけてあげるね。
そう言ってプリズマがアリシアの頭に髪留めをつけてあげると
可愛いー!
ダンザとサンツは拳と剣の演武を見せ
僕が用意したのはケーキだ。
喜んでくれたようで何よりだ。
アリシアーよかったね?
ロザリスがアリシアを抱きかかえる
幸せな思い出になることだろう。
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僕自身もさらなる力を求める。
Lv198
HP255
MP255
力255
防御255
すばやさ255
賢さ255
スキル
闇魔術Lv99
黒魔法Lv99
影魔法Lv1
熟練度999
装備
・スキアー・スパティ・ラヴディ「賢さ+255、二刀流、悪魔憑依×3」
・スピードリング「瞬間二撃」
特技
・超上級技術、乱れうち「4連撃」
・ダブルマジック「二連魔術」
・連続魔法「4回魔法撃」
双剣杖スキアー・スパティ・ラヴディを取り出すと目の前に構える。
儀式鉄鋼と二対の杖を取り込んだスキアー・スパティ・ラヴディがあれば
いまの僕はタイムラグなしで魔術を扱える。
護符魔術も喚起魔術も悪魔憑依も呪術もすべてこの双剣杖に収められ簡略化しているからだ。
カブリート!
その名を呼べば、背後に魔王カブリートが姿を現す。
プシプシ亡き今、初めてカブリートと力を合わせる
精神を集中させる。
双剣杖を目の前にかざし叫ぶ
スキアー・スパティ・ラヴディ!我が力を示せ!
双剣杖から闇の球体が飛んでいく。
カタラ・パンメガス・スコタディ・スフェラ!
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力の成長を実感しつつ
さらに6年がすぎた
Lv297
HP500
MP500
力500
防御500
すばやさ500
賢さ500
スキル
呪怨喚起悪魔憑依魔術Lv99
黒魔法Lv99
影魔法Lv99
熟練度9999
装備
・スキアー・スパティ・ラヴディ「賢さ+255、二刀流、悪魔憑依×3」
・スピードリング「瞬間二撃」
・スターリング「2回攻撃」
・星くずリング「4回攻撃」
特技
・超上級技術、乱れうち「4連撃」
・ダブルマジック「二連魔術」
・連続魔法「4回魔法撃」
・分身撃「同時二撃」
レベルを最大まであげ
新たな装備、
スターリングによる2回攻撃、これは2回を可能とするこの世界の秘宝
星くずリングはスターリングを追ってきた不思議な魔法使いからもらった
スターリングによる2回攻撃と星くずリングによる4回攻撃
新たな特技分身撃によって瞬時に手を4つに増やし攻撃回数を倍化させる
そして影魔法Lv99!
熟練度9999による効果で魔法の威力がまた2倍化した。
もうこの世界を極めたに等しい。
修行を終えみんなのもとへと戻ると
みんながこちらに気がつき走ってくる。
「「マスターマーゾ!マスターゼロス!」」
最初のトゲトゲしさはなりをひそめ打ち解けたようで何よりだ。
マーゾがみんなの訓練ぶりを眺める。
今日は合同で組み手だ。
アリシア、彼女もすでに6歳となり、頭角を現し始める。
比べる相手がいるわけではないのだが、レシーヌいわく、同年代の冒険者と比べれば明らかに群を抜いているらしい。
マーゾが白服の少女ミリアと黒服の少女ウィンの横を通り、目をつぶりながら言った。
ああ、いい魔力の流れだ。
本当ですか!
嬉しそうにウィンが反応する。
だが、ミリアお前はさらに精神を集中することだ。
はい!マスターマーゾ!
頑張ってミリア
見ててよね。私、絶対にマスターゼロスより魔力操作うまくなってみせるから!
マーゾは先に進んでいく。
でやぁ!
はぁ!
格闘家のダンザが連続で拳を突きだし
はぁ!はぁ!はぁ!はぁ!はぁ!
その拳を邪剣のサンツが剣で防ぐ
オラァ!オラァ!どうした!ダンザ!
なめるなよ!サンツ!
いくぜ!俺の邪剣!
邪剣、正確には魔剣なのだが本人の好きに呼ばせておこう。
邪剣の刀身に宿る闇のオーラがいままでの比ではないほどに濃密になっていた。
いいですね。二人の闘志がぶつかり合うことで互いに刺激し合っている。
僕は二人に教えていく。
ダンザ、拳はこう突き出して、サンツ邪剣の闇に呑まれていますよ。
「「はい!マスターゼロス!」」
マーゾはプリズマにもレクチャーをする。
不気味なフードをかぶった仮面の女だったが、いまは見馴れたものだ。仮面に愛郷すら感じる
どうですか!マスターマーゾ!
ふむ、悪くない。ゼロス相手をしてやれ
ええ、いいですよ。
いきます!
プリズマが自らの顔にある仮面を右手でつかむ。
仮面よ!いけ!
黒い化け物が現れ迫る。
一気に急上昇すると
追尾する呪いをジグザグに交わしていく。
マーゾが指示を出す
プリズマ!もっと速く動かせ!
はい!
追尾する呪いを空中で交わす
修行が終わると
もっと自在に動かせるように精進してね。
はい、マスターゼロス!ありがとうございました!
次に女騎士レシーヌだ。
マスターゼロス!どうです?私の剣は?
そう言いながら高速で剣を振るう
見事な剣さばき、その調子です。
剣が速くなって、繊細さも段違いだ。
この中で剣技だけならレシーヌが一番強いはずだ。
しかし、これも魔王デアの力を発動するつなぎでしかない。
なるほど、ここまでにしておくとしましょう。
マスターゼロス!ありがとうございました!
次、ノエルだ。
ノエルは剣、魔法、どれも並みより強力くらいだ。
もともと才能がない少年がここまでこれただけでも上出来だろう。
ただし、魔道具は別格だった。
マーゾは言った。
天才的だ・・・。
その発言に僕も驚く。
すべてマスターダゼロスのおかげです。
僕にはそのリングが銀でできた馬鹿デカい手かせのようにしか見えなかった。
魔法ブースターです。
試作品でいろいろな機能を詰め込んだらそのサイズになってしまって・・・。
違う。そこではない。
魔法ブースター、魔力を強化する魔法は我でも魔道具化できなかった道具だ。
これが量産できれば単純計算で軍事力が倍化する。
長年、研究はしていたがまさか実物を作り出すとは、どういう原理だ?
ああ、それはですね。
ノエルがマーゾに教えている。
意外な才能を発見できた。
マスターゼロスの知識のおかげです。
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そして3年がすぎた
アリシアが9歳になった。
成長したアリシアは背も伸び、健康的に成長していった。
サンツー!ダンザー!
遠くの方からアリシアの声が届く。
ダンザがいった。
ほら!アリシア!走ると転ぶぞ!
だいじょーぶー!
アリシアはこちらを振り返ると前のめりになり、いたずらっ子な笑顔をふるまう。
休日を利用して3人で街に買い出しに来ていた。
両手で食品袋を抱えたサンツとダンザはかわいい娘のような妹のような存在を大事に見守っていた。
まったくよー!でっかくなっちまって、変わらねーのは俺たちだけか?
サンツの目はとても最初の頃に出会った獰猛な獣の目とはまるで違い。
言わずとも愛情にあふれていた。
それに気が付いたのかダンザは言う
サンツ、お前、変わったな。
はあ?
優しくなったよ。
よせよ。変わったのは腕前だけだ。
俺はあのころからなにも変わらねえ。邪剣のサンツだ。いつかあの異世界の魔王を俺がこの手で・・・。
なあ、サンツ、あの子が幸せに暮らせる世界を守ろうな。
ああ!
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修練の場にマーゾはいた。
そうだ。サンツ!そのまま維持だ。
はい!マスターマーゾ!
マーゾ!
どうした!ゼロス!
魔王バゴアだ!
なに!
慌てて開けた場所に出ると空の彼方からバゴアが飛来する
マーゾ!大変です!
どうしたバゴア!
これを!
バゴアが水晶を見せると異世界の魔王デス・ムント・デスが村を破壊していた。
異世界の魔王の活動が活発になってきている!
マーゾは言う
そろそろ動くときかもしれんな。
格闘家のダンザのあとを追いみんなが駆けつけた
ダンザは言う
マスター!我らもお供に!
ならん。お前たちはいまだ未熟、異世界の魔王と真に雌雄を決するとき、お前たちが切り札となる。いまはここに残り、修練に励むのだ!
ウィンが不安そうな顔でつぶやく
そんな・・・。
マーゾはそれを慰めるように言った
心配するなウィン、危なくなったらすぐに離脱する。
マーゾ僕らも行こう!
いや、マスターゼロスには弟子たちを頼みたい。
我に万が一のことがあったときは、皆を頼む。バゴア!行くぞ!
僕は飛び立つマーゾたちを見ていた。




