48 立ちはだかる壁
ルースとエルマーが王謁見の間の扉の前までたどり着くとダンテ達がいた。
ダンテ!
ルース!待っていたぞおおおおおおおお!
突然ダンテたちが剣を振り下ろす
わ!
ビックリして目を閉じる
恐る恐る目を開けると
ダンテの剣を受け止めたのは帝国騎士長だった
帝国騎士は言った
卑劣な王国騎士たちめ!お前たちの好きにはさせんぞ!
はあ!
帝国騎士が剣を弾き飛ばし距離を取るとにらみ合う形になった
ルースは叫んだ
ダンテ・・・さん・・・どうして!
ダンテは当然と言いたげな顔をして言った
何を勘違いしている。我ら王国三大騎士は王国の牙、すなわち国王様の牙!お前たちをここまで連れて来るよう国王様の命を受けたにすぎん!
国王が俺たちを?なぜ!
知らんな。我らは命を受けそれを実行するのみよ!
それじゃあいままでの旅は・・・。
ままごとだ!少し世話を焼いてやればなつきやがって単純なものだな~!ギャハハハハハハハハ!
ダンテの発言を聞きギエーリもアリも下卑た笑い声をあげる。
ルース達は信じられない思いだった。ダンテたちを善意ある人間だと思っていたからだ
お、俺、信じてたのに!
知るかよ!バーカ!軽く動けなくするだけだ。おとなしく斬られやがれ!
帝国騎士がルースに言った
ルースと言ったな。共にやつらを討ち取るぞ!
あ、で、でも・・・。
戸惑うルースに帝国騎士は言った
あの下郎を野放しにする気か?迷っている暇はないぞ!
そう言って帝国騎士がルースを手で横にどけるとダンテの剣が迫る。
ふん!はあ!たあ!
ダンテの重く流麗な三連撃を剣で撃ち落としていく。そして一度、互いに距離を取った。
ルースは悲しい気持ちをすべて怒りに変えて叫んだ
ちくしょうおおおおおおおおおおおおお!やってやるよ!
ダンテの裏切りに激怒したルースはスパナを手にダンテに殴りかかる
おらあああああああああ!
スパナと剣、装備の性能も戦士としての実力も格上の敵、それでも今日まで鍛え上げて来た修行の力を遺憾なく発揮して見せる。
火花がいくつも散った。
うおおおおおおお!
気合がたらんぞ!
うわあ!
ルースのスパナをあっさりと弾き飛ばしながらダンテは言った
お前の技はすべて俺が振りかけて導いたもの通用しないのが道理だ。
クソ!クソ!クソおお!
あれほど強大な師をないがしろにし、権威ある俺という存在にかしづいた段階でお前の成長は止まったんだよ!
クソ!クソ!クソおおおお!
何度スパナを叩き込んでも防がれる
それにしてもガーネットとお前の関係が成立したのには驚きだった。まさか昔、俺が失敗した方法でお前が成功するとはな?あんな安直な方法で男に落とされる女ずいぶんくだらない女だな?
ふ・・・ふざけんな!そんなこと今は関係ないだろ!
それだけじゃないガーネットの治療をするときお前に薬草を渡したよな?あれはより傷を酷くする猛毒の毒草だ。
えっ!
あんな薬を飲ませなければあの女の美貌は治る見込みがあったんだぜ!
な!・・・なに!
ありがたがりやがって傑作だったぜ!ギャハハハハハハハ!
こんのやろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!
ルースの振るうスパナがさらに鋭く振るわれる
はははははは!ルース!いいぞ!もっと憎め!それでこそ張り合いがある!
いくら憎んだところで女の顔は戻らない。薄情なお前に見捨てられたせいであいつは傷つき死んじまうかもな!
ダンテええええええええええええええええええええええええええ!
八つ当たりかよおお!
私を忘れるなよ!
そこに合わせるように帝国騎士長が剣を振るう
帝国三大騎士長フランツの剣技その身に刻め!
火花が散り続けた。
二人がかりの攻撃をさばききってみせる。ダンテの化け物染みた実力が発揮される
ダンテは後ろにステップを取り、一度距離を取る。
ダンテ達王国騎士長たちが身構え
それに対抗するように帝国騎士長たちも剣を構えた
ルースはとても信用などできない相手と肩を並べる。技を教えてくれた第二の師匠、そんな信じていたダンテたちに裏切られ、悔しさから立ち向かう。
それは図らずもこの世界を守ろうとすることど同じ意味だった
帝国騎士フランツは言った
ルース!
ああ!
エルマーもルースのそばで武器を取り出す。
ルースとエルマーは互いに一瞬視線を交わすと
いくぞ!
全員で戦いに挑む
5対3、一見優位に見えるがルースとエルマーでは合わせて1にも満たない戦力差だ。
まだまだ修行不足の二人では実力が足りない。それでも着実に成長しているのだ!
はあ!
ルースのスパナが振り下ろされるが
ふん!
ダンテのフルメイルの鎧から繰り出す右フックがスパナを捕らえ、弾き飛ばす。スパナはくるくるとすっ飛んでいく。そこにすかさずギエーリの蹴りがルースの足に叩き込まれた
わああああああああああああああああああああああああ!
常人よりもはるかに強力な身体能力を持つ王国騎士長たちの蹴りだ。
何メートルも吹っ飛ばされてしまう。
よくもルースを!
エルマーが愛を振るう
はああーー!
エルマーの愛がダンテの剣がぶつかり合う。
ダンテえええ!
ダンテとフランツの剣がぶつかり大量の火花がいくつも散り続けた。
互いに強力な戦士同士、互いの感情が高ぶり魔力が武器からあふれ出す。刀身はすでに火を放ち発熱していた。
フランツの剣がダンテのいた場所を両断すると壁が砕け散り、焦げ付いた跡がつく
2,3粒の溶岩のような火花が地面に散った。
ダンテは言った
フランツ!いいことを教えてやろう!帝国を滅ぼした日、お前の妻子を殺したのは俺だ!
はあ!?
最高のショーだったぜ!兵士たちの前で切り刻んでな。あなた~!あなた~!って、あの女最後のときまでギャーギャーギャーギャー泣き叫んでやがったぜ!ギャハハハハハハハハ!
貴様ああああああーー!
激高したフランツが剣速度を上げ、振りかぶるとより一層の火花が散った。
ルースは思った
こんな鬼畜生を信じていた自分たちのなんと愚かなことか。
ちくしょーーー!
勢いに任せて突っ込むと何度もスパナを振り下ろす。
ガン!ガン!ガン!
すべて剣で防がれていく。自分の技量ではダンテの技量を前に無力だと悟る。
クソ!
二人を怒らせたのもすべてダンテの策略通りだった。
ダンテは言った
フランツ!怒りで我を忘れたか!攻撃が単純なんだよ!
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王国騎士長ギエーリの剣が振り下ろされ
帝国騎士長ヨハンは剣を真横にかかげてそれを受け止める
互いに剣をかち合い。
うおおおおおおおおおおおお!
ギエーリは剣を手放し
ヨハンの両肩をつかみ壁に叩きつける
するとヨハンは剣を捨て、ギエーリの両肩をつかみ壁に叩きつけた
思いっきり殴り合う。
鼻血が出ようと剣術でなかろうと関係ない。闘争こそが戦士の本分だ。
大出血しながらと激しくぶつかり合う
ギエーリが言った
しねええええええええええええええええええ!
ヨハンが言った
おまえこそおおしねえええええええええええ!
王国騎士長アリの剣が帝国騎士長ヴォルフの剣と激しくぶつかり合う
どちらも常人の20倍の力を持つ凄腕の剣士だ
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ヴォルフは言った
いつかこんな日が来ると思っていた。アリ!お前たち王国騎士との因縁も今日で終わらせる!
あひゃー!そんなことで勝てるのかなー!おしゃべりしている間にそろそろ毒が効いて来たんじゃないか?
うう、こ、これは・・・。
突如ヴォルフの体が動かなくなる。
アリが毒を盛ったのだ。
アリは言った
この毒は空気触れると猛毒に変化する特殊な毒。
これから殺し合いをしようというのに楽しそうに笑い声をあげるアリ、その表情にはかつての紳士的な面影は微塵もない。
はああ!
ヴォルフの剣がアリの剣と組み合う。
まるでドラムをたたくようにアリの連撃が振り下ろされる
凶悪な音が剣から響き渡った
互角の戦いが繰り広げられていく




