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5 教祖の魔王 

ゼロスたちがいる場所とは違う場所、違う時刻

薄暗い街道の真ん中で貴族の令嬢が二枚目のならず者たち14人に取り囲まれていた。

そばには殺された従者と馬車が止められている。

令嬢が力で地面に組み伏せられると

へっへっへっ!みっともなくぶるぶるしやがって、こいつはドスケベボディーだぜ!

い、いやああああああああああああああああああああああああああ!いやあああああああああああああああああああああああ!

うえええええええええええええええええええ!

やめい!

叫び割って入ったのは深々とフードをかぶった男だった。赤子を片手に抱えている。

今度は何だ?

俺たちのことか?うへへへへへ!

男たちは品のない笑い声をあげると、

馬鹿なやつだ。俺たちに勝てるとでも思ってるのか?

そうして後ろに控えていたならず者の仲間たちの下卑た笑い声をあげる

アリシア、すぐに済む。

そう言ったかと思った次の瞬間

男たちのひとりが粉々に吹き飛ぶ

うぉわぁぁぁー!なんだこいつは!

虫が・・・。

このお!

仲間を殺され男の一人が剣を振りかぶるも

うわああああああああああ!

前蹴り一発で吹き飛ばされていく

そのときだった!

パカラパカラパカラ、樋爪の音を響かせて、馬に乗った数名の兵士たちが颯爽と現れる。

帝国軍の騎馬だあああ!

森の茂みをやぶり大量の軍隊が押し寄せようとしている。そう察知した男たちは逃げようとするが遅かった

ブルル!と馬が鼻息を鳴らすと3人の兵士と馬が現れた。

どう!どう!どう!

騎乗していた男は馬を止める。

男たちはそれを見て安堵した

3、3人・・・。なんだ、たったこれだけか!ビビらせやがって!

へへっ!こっちは18人だぜ!

後ろから追いかけてきた馬に乗った男が言った。

パラダイン様!おやめください!さすがにこの数が相手では!

帝国の将軍が恐れをなして逃げるなどあってはならない!

どうやら男は将軍のようだ。

見るからに強そうな鎧を着ている。

ずいぶん威勢のいいこと言うじゃないか!将軍様よお!

パラダインと呼ばれた男は剣を天にかざすと男に向けて突き付けた。

悪鬼め!将軍パラダイン!この帝国の牙が貴様たちを裁く!

そんな口上を叫ぶすぐ横で男の一人をまた一人蹴り殺した。

ぶあああああああああああああああああああああああああああああああ!

男が絶叫する

それを見たパラダインは、はっ、と小さく笑った後で

加勢するぞ!

そう宣言して剣を振りかぶった

はああああああああああああああああああああああああああ!

目の前にいた男をたやすく叩き斬る。凄まじい怪力だ。

ぐあああああああああああああああああああああああああああああああ!

このおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!

男の仲間がこちらにめがけ駆けてくるので瞬時に魔法でたたき伏せる。

大量の血が飛び散った

ぐおわああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!

風でまぶかにかぶったローブが脱げる素顔があらわになる。

ま、魔物だと・・・。

思わず恐怖するパラダインの部下たち

恐れるな!彼らは味方だ。

パラダイン様、ですが・・・。

ゆくぞ!帝国の威信を示すのだ!

は、はっ!

おおおおおおおおおおおおお!

たあああああああああああああああ!

兵士たちが剣を振るい健闘していく。

我も負けずと男たちを蹴り飛ばし、パラダインも剣を振るう

ならず者たちの威勢のいい雄たけびは最初だけ、我とやつの異様な強さに次第に恐怖に引きつった声をあげていく

闇の魔法で闇の槍を呼び出し

ふん!

槍で串刺しにしていく。

ば、化けもんだあああああああああああああああああああああああああああ!

悲鳴をあげる男たちは一目散に逃げていった

ふん、口ほどにもないな。

そう言ってパラダインは剣をひゅん!と振るうと剣が浴びた血を振り払う。

我は言う

逃げていくか。

冷静にいまの状況を整理すると。

赤子を抱え、たたずむ不気味な魔物を前に兵士たちは剣を構える。

それはごく自然なことだ。

だがそれを制したのは将軍パラダインだった。

やめたまえ、彼は善良だ。

そう言われ剣を下す兵士たち

我は倒れていた令嬢の衣服の乱れを整える。

立てるか?

は、はい・・・。

話しかけるもどこか呆然としていて、傷ついているようだ。

肩を貸すも歩く気力もないのか足を引きずる形になってしまう

しかたがないので抱きかかえる

令嬢は絶望している。

精神的な外傷のほうが強い。どこか預ける必要がありそうだ。

ローブをはおらせる。

パラダインと名乗った男は馬に乗って近づいてくると降りてから言った

私はパラダイン、帝国で将軍をしているものだ。君の名を聞こう。

マーゾだ。

君たちはよい魔物のようだな。いや、魔王と呼んだほうがいい

正体を知っている・・・殺すか。

一瞬殺気立つ

こちらの殺気を知ってかパラダインはふふ、と笑うと、危ういところだった。協力感謝する。では、行くとしよう。

そう言って馬にまたがってしまう

拍子抜けする反応だった

いずれまたどこかで雌雄を決するときが来るだろう。君が魔王であるのなら

そう告げてパラダインたちは帝国へと帰路に付くため背を見せて馬で走り出す。

あの男・・・強いな・・・。

部下を引き連れて去っていくパラダインの背には巧妙に隠されてはいるが、夜空を覆い尽くさんばかりの邪悪な力が見えていた。やつもまた魔王なのだ。

しばらく移動して街が見えてくると、街の周囲を城壁が囲っていた。

ここは王都シルキリア。

レンガ造りのトンネルをくぐると街の中には露店がいくつも立ち、

住人、冒険者、商人、王国の人間でにぎわっていた。

果物、アクセサリー、武器、防具、その他もろもろ

街行く女たちは皆、露出過多な衣服を着用している

それは女戦士も僧侶も魔法使いも誰もがそうだ。

この世界の文化の一つだ。

さて教会が先か。

道を進んでいき教会に到着する。

いや、教会というより規模からして大聖堂だろう建物だ。

神の家か不快感があるな。

赤子を抱えながらさらに昨日襲われた令嬢も抱える。

大聖堂の中に入ると。長い廊下を歩いていく。

ここに立ち込める聖なる力に体が攻撃を受けている。魔力が抜けるようだ。

僧侶たちとすれ違った

軽く小首をかしげえしゃくする僧侶たち

我も神妙なおももちで先を急ぐ。

奥まで進むと大聖堂がある。

傲然とした高さのある建物だ。

ステンドグラスがふんだんに使われ、教会の壁全面に七色の光が差し込んでいる。

日差しを通した7色の光は凄まじく色鮮やかで美しかった。

窓から差し込む光と神の紋章を現す模様だけが白く教会の中央を照らしている。

中では何人かの僧侶たちが冒険者の解呪や治療を行っている。

いかがされましたか?

ああ、そうだな。なんと言えばいいだろうか。

僧侶の背後では別の僧侶が聖なる舞を踊る

踊り汗をかいて日差しがまぶしく女僧侶たちを照らし、まるで美の女神か天使のようだ。

そんな中に一人異質な存在がいた。

一目でただものではないことがわかった。

彼女も僧侶だろう。

あらかわいいお子ですわ。

彼女は抱えていた赤子の頭を撫でる。

あなたの名前は?

ロザリスと申します。

変わった僧侶だ。そう独り言をつぶやく

黒い服に黒いトークハット、葬儀用の帽子をかぶっている。

きょとんとした顔をするロザリス

独り言が聞こえてしまったようだ。

失礼した。と謝罪すると

いえいえ、それより私は僧侶のような人です。

ん?

意味が分からないが理解するよりも先に話をされ興味をなくした。

この大聖堂は聖なる力に守られた絶対不可侵の領域、一切魔を打ち払う神聖な場所です。

そちらの方は見るからに傷ついておられるようできっと傷を癒す手伝いができるはずです。

我は彼女の身内ではないが。ロザリス殿、彼女のことをお救いください。

僧侶ロザリスは令嬢のことを見る。

僧侶・・・なのだろうか・・・?

傷ついたこの子に神の慈悲をほどこさなけれ・・・!

そう言ったあと突然ロザリスは一歩後ろに下がり叫ぶ

こ、これは!魔の気配!

主の石像の回りから邪悪な気配がニョロニョロしているのが見えた。

つまり我のせいだ。

周囲に影響を及ぼすほどの魔力も考え物だな。

ど、どういうことでしょう・・・。ここは聖なる領域、絶対不可侵のはず、その場所に邪悪な力が入り込むなど・・・。

いえ、これ以上私だけで考えても・・・と、とにかく、わかりました。

それでは彼女のことは教会が責任を持ってお預かりいたしましょう。

あなたのお名前は

マーゾだ。

では、マーゾ様にパリョ・テオスの祝福があらんことを

魔王マーゾ・・・だと。

周囲の者には決して聞こえないほどの小さな声がして

声のしたほうを見ると

いつかの黒い魔術師がいた。こんな世界で再会するとはそれにあの後ろのやつは・・・

見ればわかる。それどころかカブリートが魔王マーゾの存在を知らせてくれる。間違いなく魔王マーゾだ!

魔王は僕たちだけに聞こえるようにしゃべる

我は魔王マーゾ。

この子はアリシア、赤ん坊の自己紹介もされた

ゼロスやつはいったい。

魔王マーゾだ。

やはりか。

警戒しろ。

そう言い僕もカブリートも臨戦態勢になる

魔王マーゾは言った

共に魔王デス・ムント・デスを討たないか?

そう提案された

無論、後ろの吾人も一緒だ。

カブリートに対して言っているのだろう。

気が付いているのか?

この場にもう一人の魔王がいることに?

それとも我が憎いか?

そこにはいろいろな意味があった。

やつ自身恨まれることが多すぎてどうしても大雑把な言い回しになるのだろう。

魔王、君に含むところはない。いいだろう。

いいな?カブリート。

透明化したカブリートはよかろうと返事をする

ゼロスだ。

魔王カブリートだ。

よろしく頼む。

それぞれの合意を得られたところで魔王マーゾは別の場所へと移動すると、そこで僧侶と話をしていた黒い服の人に話しかける

ところでロザリス、大司教様にお取次ぎ願えるかな?

そう尋ねているのが聞こえてきた

大司教様に?ええ、もちろんですわ。

黒い服の女の人、魔王にロザリスと呼ばれていたその人が別の部屋に移動していく。

廊下を歩きながらさっそく魔王マーゾが話しかけてくる。

さて、時にゼロス。

あの女、気が付いてないが血か?聖女と何らかの関係がある。血縁者か何かだ。強い力だ。末恐ろしいな。

廊下を歩いていくと扉の前までやってきた。

ロザリスと呼ばれていた女は一度扉に入り急いで扉から出て来たかと思うと。

さあ、どうぞ?

と言って満面の笑みを振りまく。

僕たちは言われるままに扉に入ると扉の中には階段があった。

その階段を登りいよいよ奥まった位置にある扉の前に来た。

こちらです!

ロザリスがニッコリと笑って扉を手の平で指し示す

では・・・。

ガチャン

扉を開けると入室し鍵を閉める

中には偉そうな服を着た老人が呪文を唱えていた。

久しいな大神官バゴア。いや、風の魔王バゴア

よく来てくれた我が友よ。

振り返った大司教は一瞬で姿を変え、体格が二回りは大きくなり。魔物の王へと変貌する。

ば、バカな・・・魔王バゴアだと!

もう一人魔王が現れたことに驚愕していると

そこの従者は?

従者?ああ、彼らはゼロス、カブリート、それに赤子のアリシアだ。

カブリート、異世界で魔王をしている。いまはわけあってこの世界に来た。

おお!異界の魔王!実に興味深い!

意外に気さくなやつなのかもしれないと思った。

それから話し合いは済み、マーゾ、バゴアを残し僕らは酒場に向かうことにした。

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