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アホすぎタクヤくん  作者: 綾瀬大和
第1シーズン
61/66

61話最終話壊滅の鍵再生の火

**最終話:滅びの鍵、再生の火**


午前3時13分。

関西の夜空が、突如として紅蓮に染まった。


**大阪、壊滅。**


まるで地面そのものが爆ぜたかのような振動。

梅田一帯は数秒で崩壊し、御堂筋の地下に設置されていた“信仰の祭壇”が爆発の中心となった。

アキラ教、最後の大都市制圧作戦――成功。


だがそれは、タクヤの――**“ミス”によって引き起こされたものだった。**



───


**富士山地下施設《天頂》**


中央制御ルーム。

そこは、核と祈りと機械が融合した最深部だった。


巨大なモニターに映るのは、爆破対象リスト。

名古屋、札幌、東京、福岡、仙台、長野、そして大阪……残された未爆都市は、わずかに**鹿児島と広島、那覇**だけ。


アキラ教の幹部たちは、最終段階へと突入していた。



> 「この扉を開くには“神のID”が必要だ。だが――**3回間違えれば、自動的に都市爆破が発動する。**」



制御装置の前に立ったタクヤは、モニターに浮かび上がった入力画面を睨みつける。

赤く点滅する都市名の列。

1つ目の試行。

タクヤは、アキラの過去の言葉から導き出したコードを入力する。


**ERROR.**


その瞬間、遠くの地図上で“大阪”が点滅し、そして――**消えた。**



> 「起爆信号、確認。大阪、消失。」



「……っくそ……!!」



冷や汗をかきながら、タクヤは震える指で2つ目のコードを入力する。



**ERROR.**



モニターに浮かび上がった都市名は――**鹿児島**。


次の瞬間、南の空で巨大な閃光が走った。


> **「鹿児島、壊滅確認。」**


タクヤは膝をつき、拳を床に叩きつけた。


「……俺のせいで……」


「違う!」由紀子が叫ぶ。


「これ以上失わせないために、あなたはここに来た。間違いがあったって、立ち止まらないで!」


佐藤が制御装置の裏配線を確認しながら叫ぶ。


「やれるぞ! こいつ、裏に“アキラのDNAパターン”を登録してる! 遺伝子認証だ! ロジックじゃねぇ、“血”で開けるんだ!」



タクヤは、過去にアキラと接触した際に奪っていた血液サンプルのカプセルを取り出した。


「……お前の血で、終わらせる。」


カプセルを解析ポートに挿入。



**認証中……

承認。**



扉が開いた。


その奥にあったのは、全都市への起爆システムを統括する“ゼロ・コア”。これを壊せばアキラは首の根元にあるチップが爆発し死ぬかもしれない

まばゆい光の球体が、無数のコードと人間の神経組織と融合していた。


「……これが、“日本”を焼いてた心臓か。」


タクヤが装備していたEMP装置の起動スイッチに指をかけた。


「こいつを止めれば、チップも、爆弾も、全部機能停止する。ただし……」


「ここから出られないってことよね。」由紀子が呟く。


タクヤはゆっくりと振り返る。


「由紀子。逃げてくれ。俺はここで……」



由紀子が、タクヤの頬を叩いた。


「ふざけないで。**一緒に帰るって決めたでしょ。**あんた一人だけで、英雄になるつもり?」



佐藤と太田が装置に追加のバッテリーを繋げる。


「遠隔で起動できる。範囲は狭まるが、“ゼロ・コア”だけなら破壊可能だ。」



カウントダウン――10秒。


タクヤは最後に空を思い出す。

焼かれた名古屋。焦げた札幌。お台場が沈んだ東京。

そして、灰の中でも叫び続けた仲間たちの声。



> **「俺たちは、生き延びるために戦ってきたんじゃねえ。

 “生き返らせるために”ここまで来たんだ。未来を――日本を。」**



───


**EMP、作動。

ゼロ・コア、完全沈黙。

全国のマイクロチップ、機能停止。**

アキラ死亡の可能性確認

───


その後、アキラ教は瓦解した。

残された信者の多くは、自らの罪と向き合いながら、更生の道を歩み始めた。


焦土となった都市には、再び風が吹き、人が集い、光が戻った。



由紀子が言った。


「全部を救えたわけじゃない。でも――“止めた”んだよ、私たちは。」



タクヤは空を見上げた。


「アキラが“神”になろうとしたなら、

俺たちは“人間”のままで、それを超えたんだ。」



桜が咲いた。

炎の灰の中で、希望の芽が――静かに顔を出していた。



**完**2シーズンに続く

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